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やりきれない苦悩を観た。

現実的ではない病。

幻想的というにはとても残酷なその病。

愛するモノ達の気持ちが深くなるほどに、

互いの、もしくは片方の命を蝕んでいく病。

その病がどのようにして発現するのか、

血液を調べたところで、

身体を観たところで、

なんの成果も得られなかった。

ある時、少し前からの記憶が曖昧だという女性が来た。

その女性は二十代半ばで身体的にもなんら異常はなく、

しいて指摘するならば甘いものを摂りすぎているということだけ。

何もそれがこの病に繋がっているわけではないという事は、

ワタシ自身が良く知っている。

結局、甘いモノ特にアイスクリームの食べ過ぎを注意して、

その日は終わった。

「ワタシにやれることは――いったいなんなのだろうか。」




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