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訪日外国人が誰もいない穴場すぎる博物館にて

欧米のアニメ好きに日本語を教えているオンライン日本語教師の日常。

いちに、さん、し…
金曜日の昼過ぎ。とある博物館にて私は館内にいたお客さんを数えてみた。そしたら数えられた。

あ、10人だ!

新宿から丸ノ内線で3駅、四谷三丁目歩いて徒歩10分にこの穴場博物館はある。

住宅街にひっそりと佇む

それがこの新宿歴史博物館だ。
平日の昼。皆様が働いている時間だから仕方がないが、それにしても静かだった。

訪日外国人で、ごった返す新宿が目と鼻の先とは思えないほど、ここだけ鎖国中なのかと思うほどに外国人は人っこ1人いなかった。

今時珍しい博物館である。

一応インフォメーションは外国語対応

なぜ、新宿の冠をつけたこの博物館が、こうも外国人が、少ないかというと…おそらく外国語の説明がほぼないからである。展示物のタイトルがかろうじて英語訳ありだが、説明に中国語も韓国語などの外国語対応はなく、ふりがなも地名と人名のみ。パンフレットも日本語オンリー。(言えば出してくれるのかもしれないが)

こりゃあ、日本語知らない人には、ハードル高すぎるって。ここは開国してないエリアだわ。

日本語教師という職業柄、観光地に行くと日本語学習中の生徒のみんながここを楽しめるかどうか、オススメできるかついジャッジしてしまう。

日本語ビギナーが単独で乗り込むには正直難しいと思った。

だがしかし、ここまで散々ディスってしまったが、私はこの小さくて、完全に日本人にしかオープンしてない博物館が気に入ってしまった。300円という安い料金。カラオケやマンガ喫茶に2時間いるより断然安い!コスパ最強!

コンパクトだが300年前の出来立てほやほやの新宿の姿(模型)をみられたり、当時の店にだって入れる。

生徒さんから最高にクールと言われた商家

それから昭和エリアでは、昭和初期に流行った家(金子さんち)にも入れる。

80年前の和洋折衷な理想の家
レコードもあって、ステキ

金子さんちは、こんな立派な応接間があるのに、居間には小さなちゃぶ台とふとん。キッチンも激狭い。なんだこの一室豪華主義?このアンバランスな感じがとても興味深かった。

他にも写真は撮れないエリアが多いので、みせられないのが残念だが、成長著しい昭和時代の新宿の姿や風俗や食文化も楽しく学べて非常に良かった。

こんなおもしろいのに、日本語しか書いてないのは残念すぎる。もっと外国人にアピってよ!開国してクダサイよーといいたいところだが…

私は途中で気づいた。

あ、ここは中級のみんなには、うってつけだわ…。

説明を知りたくば、日本語を読むしかない。

そして、子供用の展示物の説明の紙がそこらじゅうにあり、それらは振り仮名パラダイス。単語は小難しいものもあるが基本は丁寧体の、です。ます。ロングフォーム。

これなら読めそうだ!

そんなわけで、中級のみんなを東京に来たら誘ってみることにする。というかもう誘った。

人気ないけど、1〜2時間でまわれて、安くて、静かな博物館。日本人のあなたにもオススメしたい。

昭和時代の雑誌や当時の説明書きなど戦前の書き言葉は、今の日本人でも、非常に読みづらくて、(そもそも横書きも右から読むし)それらをまともに読んでたら2時間では足りないので、ご注意を。


新宿区立新宿歴史博物館
〒160-0008
東京都新宿区四谷三栄町12-16

https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/

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