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中学校教員をやるのは辛い!急なITC授業の混乱に教師間のいじめを経験したよ?

中等教育学校に教諭として勤務する33歳女性です。教員は25歳からなので現在8年目で、年収は400万円ちょっとくらいです。


5歳と2歳半の子供がいるので、育休から明けた今年度より時短勤務をしています。勤務時間は8:25?16:25(1時間早めに退勤する形の時短勤務)です。


そうした関係から現在の校務分掌は中学1年副担任、教科(保健体育)主任、ダンス部顧問、入試広報部の業務を行っています。


過去には担任や副担任、バスケットボール部の顧問、進路部、教務部などを経験しました。


部活に関して自分自身の専門競技は空手ですが、空手部がなかったりあっても他の顧問がついていたりなどの理由から専門競技の顧問になることはできず、専門以外の競技を勉強しながら指導を行なっています。


トップダウンの教育改革が現状にあわず辛い

現在の教育業界で大きな課題は教育改革に向けての対策です。この問題は恐らくほとんどの中学、高等学校が抱えているでしょう。


まずは国、政府の方針がはっきりと定まっていないことが問題の原因です。

大学入試の方法を大きく変えると言いつつも、英語の試験における4技能の能力をテストする案は結局「検討」の形になってしまいました。

他にも国からは子供たちに「やらせたいこと」はたくさん出てくるのですが、現場である学校側は実際にそれを行える状態にありません。

とくに意味のないICT教育の対応がつらい


特に多くの学校が悩ませているのはICT教育です。ICT教育とはそもそも一体何なのか、ということを理解している教員はそう多くいません。


「タブレットを導入」「全校生徒に配布」など、お金をかけて導入している学校は多く見かけるようになりました。しかし実際にそのタブレットをしっかりと使いこなせている学校は少ないのです。


その理由はいくつかありますが、まずは教員側が能力として「ICT機器を使いこなせない」ことが挙がります。中高年の教員の中にはエクセルのセルに色をつけることすら苦手な教員もいます。


そのほかの大きな理由は、「ICT機器を使って何を教え、何を学ばせるのか」が不明確なことです。

単なるツールとして使いこなせればそれで良いというわけではありません。ICT機器を活用してできる学びを各学校で考え、取り組まなければいけません。

それを考えることができるのはICT機器や最先端のアプリなどに精通している教員です。

そんな教員が全ての学校にいるわけではありません。

そしてその新しい取り組みを前述したICT機器が苦手な教員たちに教え、生徒に指導できるレベルまで上げなければなりません。それができない場合は、「できる教員」で指導を行うしかない状況です。


国から明確に、「○◯な子どもたちを育てるために、△△を使って、□□を指導してください。」という指示がない状態で各教科の指導をしている状態と言えます。

これでは学校側の負担は増える一方な上、子どもたちも振り回されてしまうという現状です。


いちばん辛かったのは企業とは違う学校独特の職場環境


教員は担任としての学級経営、教科指導、部活指導、保護者対応、生徒指導など本当にたくさんの大変な業務があります。何を「大変」と思うかは人それぞれです。


私が一番大変だったのは教員の「人間関係」です。


私は教員になる前に、社会勉強にと思って3年間ほど企業に勤めていました。

そのため最低限の社会人としてのマナーや、仕事の行い方など、少しですが学んでこられたと思います。しかし教員の世界ではそのマナーも仕事の行い方も全く通用しませんでした。


私が25歳で初めて保健体育科の教員になり、「新人として社会人としてきちんとしなくてはいけない。」と熱意を持って毎日スーツで出勤し学校でジャージに着替えて、スーツで退勤していました。

するとその行為に対して、同じ体育科の先輩方からは「あんな風にスーツなんか着られたら、こっちも着なきゃいけなくなるから迷惑」と陰口を言われてしまいました。

うわさに聞いた先輩講師からのいじめも経験した


他にもこちらから元気良く挨拶をしても目も合わせてくれなかったり、体育教官室の自分の座席を勝手に隅に移動させられていたり驚くほど陰湿な行為が堂々と行われていました。


陰口などの陰湿なだけではなく、仕事面でも驚きました。


授業を行う上で、計画的に行おうと思い事前に紙にメモ書きで授業の流れを作っていたら一緒に組んでいた先輩教師に「そんなもんなくて適当にゲームやらせておけば良い」と言われました。

その先輩教師は授業中はずっと体育館の隅に座ったまま、私が授業を仕切り生徒がゲームを楽しむ姿をただ笑って見ているだけでした。


真面目にやろう、仕事として少しでも良いものにしようとすると陰口を言われたり、マトモに相手にしてもらえなかったりという状況でした。


その後勤務校が変わっても状況はそう大して変わりませんでした。


教員は感情で仕事をしている人がとても多く、気に食わなければ陰口。仕事に対しては指導ではなくダメ出しばかりでした。


そんな中でも良い人間関係を構築していくことが、私にとってはとても大変でした。

辛いこともあるけれど教員の世界も変わりつつある

上述したような器の小さな教員もいますが、これからは時代が変わってきていてそういった古い考えの教員はやはり浮いてきています。


今教師に必要な力は世界的視野で物事を見ることと、ICT機器を使えることです。


その理由は、これからの子どもたちにはそうした教育が求められているからです。


グローバル化が進み様々な国々の人々が日本に来るようになってきている中、英語が話せることはもちろん様々な文化を受け入れる力が日本の社会全体に必要です。


「日本国内」でのコミュニケーション能力ではなく、「異なる文化や価値観の人びと」とのコミュニケーション能力が重要になってきています。


そのためにはこれまで行われてきた教科の教育だけでは、これからの子どもたちに教えるべき教育としてはとても少ないのです。


例えば理科であれば、化学や生物などの基本的な知識を習得した上で、「日本以外の国、世界で起きている環境問題や生態系などの事象について、学んだ知識を生かして考える」という教育が必要なのです。


このためには日本以外の国の文化や宗教をはじめ、気候、風土、地形などを理解していなければいけません。そしてその上で子どもたち自身が持つ知識を活用して、社会をより良い状態にしていかなければなりません。


こうしたことを教えるためには、まずは教員自身が日頃から様々な事柄を世界的視野で考える必要があります。


そしてこれらのことをICT機器を活用しながら指導していきます。世の中は情報社会であり、ICT機器なしでは社会は成り立ちません。

子どもたちにICT機器の可能性を教えるためにも、教員側が日常的にICT機器を使用して慣れておくべきです。

ここでは書き足りませんが、まずはこの大きな二つがこれからの時代を担う教員が持っているべきスキルと言えます。

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