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【読書】“「叱らない」が子どもを苦しめる”を読む前に。私が読みたいと思った理由とは

「叱らないが子供を苦しめる」著/藪下遊、 髙坂康雅

この本は叱らない教育に現役スクールカウンセラーが警報を鳴らす一冊。

こども達は、わからない自分と向き合う体験が少ないと、未熟な自分を許せなくなる。わからない自分を認めることが、苦しくて仕方がないのだ。
ネガティブな自分を認められない者にとって、学校とは耳にしたくない情報を与えられる場。学びとは、自分の無知が成長を妨げているという不安を感じさせ、それが学びの原動力になる。
学校にはわからないがたくさん存在する。わからない自分と向き合うことに慣れていないこどもは、ネガティブな自分と向き合わなければならない学校へ、登校したくなくなる。

なぜ、こども達は、わからない自分と向き合う体験が少ないのか。

それは、子育ての方針として、多くの人が参考としている、ほめて伸ばすという教育が根底にあると考える。ほめて伸ばしているつもりが、いつの間にか子供のネガティブな面を指摘しないということに変質してしまっていた。ほめて伸ばすはネガティブな面は見せないことではない。できないを指摘されないこどもは、自分自身の評価が非常に高くなる。

本書のなかでは、新たな不登校の要因であると筆者が考える「ネガティブな自分」を受け容れないことについて、そして「思う通りにならないことに耐える重要性」、なぜこのようなことが起こったのか社会的な背景、「ネガティブな自分」を受け容れる方法について書かれている。


なぜ、この本を読みたいと思ったのか

きっかけは、この本のあらすじを読み、気づきがあったからだ。
「ネガティブな自分を受け入れることができない」と「学校に行きたくない」は、つながるということ。
現在、娘は勉強でわからない問題があると非常にイライラする、オセロで負けそうになるとひっくり返す、スポーツでうまくできないことがあると不安になる。時に大騒ぎする。これらは年齢的なことであり、時期に落ち着くと考えていた。(実際、各反応は落ち着いてきているようにも思う)
また、別のこととして、学校に行きたくないと比較的よく口にする(いじめなど外的要因は現在はない)。
この2つのことが、つながっているとは思ってもみなかった。

「ネガティブな自分を受け入れることができない」と「学校に行きたくない」、この2つがつながるとはどういうことだろうか。本書を読みたい。

しかし最近は、(去年に比べて)イライラの度合いは落ち着いてきている。
わからない問題に対しても、一部は自分の力で乗り越えたり、わからないを認めることもできてきている。今の娘にとって、「ネガティブな自分を受け入れられない」と「学校に行きたくない」はイコールで繋がっているのではなく、複数ある「学校に行きたくない」要因の一つであるのかなと考えている。

本書にあるエピソードを実際に聞いた。しかも2回も

本書で「ネガティブな自分を受け入れることができない」子どもの実例が複数紹介されているのだが、一例として、間違えたところを✔ではなく、★マークにして欲しいというエピソードが紹介されていた。
✔されるとできなかった自分と向き合うことになる。★で回避しようとしているわけだ。

数年前、実際に、友人から同じ対応を家庭学習で子どもからお願いされたと聞いていた。また、見学にいった学習塾でも、先生が生徒に間違えたら✔ではなく★をつけましょうと指導していて、違和感を感じていた。(先回りして学習塾では★マークを推奨しているのだろう)

わが子からは、お願いされたことがない★マークだが、これだけ身近でこの事例が起きている。これは、どういうことなんだろうか。


もう一つの動機

「学校には行くべき」という価値観について、筆者がどう考えているのか知りたいと興味を持ったことも、本書を読みたいと思った動機のひとつ。

第1章の2に学校に行くべきという価値観という項目があり目にとまった。

私は、学校には、家庭では経験できないことがあり、義務教育として学ぶべき事や色々な人と出会うことができる場として必要だという程度しか考えていなかった。

しかし、私自身の小学校時代を思い返すと、大して学校は好きではなかった。グループに属さないと教室で居心地が悪いこと、ひとりが何か問題行動を起こすと、クラス全員が怒られる。終わらない長い話や不機嫌な大人が浴びせるきつい言葉、、、、。
大人になり、社会に出ると子どもの時より嫌なことを自分の力で避ける事ができるようになる。小学生の時は、嫌なことを自分の力で避けることが難しいため、大人よりも大変だったように思う。私自身が学校をどう考えるのか、改めて保護者という立場になって向き合う中、考えを深めるため専門家の考えを知りたいと思った。

つぎは、本書を読んだ後の感想をまとめたいと思う。


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