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「藤井風」2023年2月15日 横浜アリーナ ツアーファイナルを見て私が感じたこと


昨年の12月から始まったFujii Kaze “LOVE ALL ARENA TOUR”。今月15日に行われた横浜アリーナでのツアーファイナルに行ってきました。
 
生藤井風さんは今回で二度目。
前回は”HELP EVER ARENA TOUR”代々木公演のファイナル。前回、今回ともにツアー最終日に行けるという幸運に感謝です。
 
15日当日、お目当てのグッズも無事購入し、いよいよ会場へ。
 
ツアーファイナル、まさにその瞬間に立ち会った、いちファンの感想ですが・・・なんか見ていて苦しかったです。
 
もちろん、その場を藤井風さんとともに過ごしたあの空気感と、魂が震えるような心のありようは、まさに感動のひと言に尽きるのかもしれませんが、そんな高揚感を感じながらも一方で、私には風さんのどこか憔悴しょうすいしている様子がその一挙手一投足いっきょしゅいっとうそくから垣間かいま見えました。
 
悲しみを内包した笑顔、そしてうれいを秘めた躍動、そんな風さんを私はただただ静かに見ていました。
 
私の考えすぎなのかもしれませんし、うがち過ぎかもしれません。それならそれでいいんです。
 
もしかしたら、昨年12月から始まったアリーナツアーの終わりを寂しがっている様子がそのように見えただけかもしれませんし、あるいはタイトなスケジュールのなかで全力投球してきたその疲労がピークに達していただけなのかもしれません。
 
その真相は今後の風さんの活動で明らかになっていくとは思いますが、私がそれ以上に気になってしまったのが、終演後、会場出口へ向かう途中の出来事。
 
終演後はアナウンスの指示による規制退場でしたが、ルールを守らず我先われさきにと出口へ向かう人もいたために、かなり渋滞し、密な状態が続いていました。
 
カメのような速度で出口側へと移動していた時、私の後ろには年配の女性ふたり組がいました。目視もくしした感じでは60代半ば~70代ぐらい。いろんな方々によるライブレポートにもあるように、風さんのライブは中年以上の方々も多く参加していました。
 
もし今後、風君が海外でライブをするとしたら行くとか行かないとか、海外はお客さんが厳しいから成功は難しいかもしれないね、など彼女たちはあれやこれやと話していたのですが、そこで一人の女性がこう言いました。
 
このライブが終わってしまって、私は今年一年、何を支えに生きていけばいいの・・・」そして、その後も泣き言のような愚痴はしばらく続きました。
 
なにげない言葉なのかもしれません。
 
しかし、私には「細かいことが気になってしまうワルい癖」があります。
 
その「なにげない言葉」を聞いて、とても悲しい気持ちになったと同時に、自分のなかでに落ちる想いがありました。
 
───バッシングを受けている宗教問題だけでなく、こうしたファンのネガティブな感情もすべてカレが受け止めてしまっているのだとしたら、心からの笑顔なんて出来ないよ・・・
 
ずっと今日のライブを楽しみにしてた
今日のライブ終わって欲しくない

これらの言葉は会場のそこかしこから聞こえてきましたし、気持ちはとてもわかります。私だってその日のライブを昨年からずっと心待ちにしていましたから。
 
しかし「明日からの日々にはもう夢も希望もない」的なネガティブな発言とその気持ちに対して大きな違和感を感じてしまったのです。
 
ネガティブな思いを抱き、そして引きずることに対し、風さんがどう思うか、ファンならわかるはずです。年齢的なことはあまり言うべきではないかもしれませんが、その女性は風さんの倍以上、あるいはそれ以上長く生きているかもしれない、いわば人生においては大先輩であり、若者たちのお手本になるべき人たちのはず。
 
なのに、たった今、風さんからたくさんのものをもらったこの場でのネガティブ発言。その女性は日々、風さんの魂の叫びとも言える曲と歌唱の「何を」聴いているのだろう、そう思ったのです。
 

ライブの中でも風さんは言っていました。
 
───約束してください。幸せでいてください。元気でいてください。
 
───みんなも人生いろんなことがあるじゃろ。
  だけど、最後にはみんな何もかんもうまく行く!
  だから大丈夫ですよ。
 
───みんな幸せでいるんやで~
 
風さんは歌で、そして言葉でファンたちに寄り添い、愛を与えてくれたのです。
 
私はその歌と言葉に癒され、そして励まされ、明日からまた「今を」そして「この先を」生き抜いてゆく勇気と力を貰いました。そして、それをカレにお返ししなきゃ、と思いました。
 
自分を愛してくれるファン一人ひとりの幸せを願う風さんに私たちファンが出来ること、それは自分らしく正直に誠実に力強く生きていくこと。そして「幸せにならなきゃ!」と強く心に思うこと、それこそがカレの願いなのですから。
 
 
風さんの曲「帰ろう」にこんな歌詞があります。
 
ください ください ばっかで 
何もあげられなかったね
生きてきた意味なんか わからないまま

 
ただただカレにもらうばっかりで、その思いに応えるどころか「明日から何を支えに生きればいいの」などと泣きごとを言うなんて、それはないんじゃない?そう思ったのです。
 
風さんの倍以上長く生きている大先輩であり、カレの曲やその生き方に共感し、わざわざツアーに参加しているファンのはずなのに、なんでそんなことがわからないの?

25歳の若者相手に、くださいくださいばかり、自分の願望や欲望だけをカレに背負わせ、カレにおんぶにだっこ状態であることがなぜわからないの?
 
確かに、人間は年齢を重ねたからと言って人として成熟するわけではありませんが、同じ藤井風ファンとしてとても残念な発言に私まで悲しい気持ちになりました。
 
風さんの思いが伝わっていないことが悲しかった。
 
彼は紛れもない、特別なアーティストです。
その理由はいくつもありますが、私が一番カレに魅かれる部分は音楽に向き合う、その動機と姿勢です。
 
今までいろんなメディアで、様々なアーティストを見てきました。
そして男性アーティストの音楽を始めた動機は「モテたい」「お金持ちになりたい」「有名になりたい」「カッコつけたい」だいたいこんなところです。
 
当たり前のように、自分の願望や欲望きっかけで音楽を始める男性アーティストがほとんどでした。実際、私が学生の頃にも周りでバンドをやっていたり始めたりする「モテたい」「カッコつけたい」男性はたくさんいました。
 
私の友人知人で有名になったアーティストはいませんが、学生時代にバンドの真似事まねごとをしてわずか数人の女性にキャーキャー言われたことが忘れられず、社会人になっても趣味でバンド活動している男性はオジサンになった今も一定数います。
 
そんな中で風さんが音楽に向き合う理由は私にとってちょっとした衝撃でした。
 
音楽が好きだから」それはいいとして「誰かの癒しになれたら」「誰かに元気を与えられたらいい」という、一見キレイごとにしか聞こえない、歯の浮くようなその理由。しかし、カレが生み出し、そして歌うその曲たちを聴けば、カレの思いが決して建前やキレイごとなどでないことがわかります。
 
童謡あるいは賛美歌のような普遍性を感じさせるメロディーと、心を大きく揺さぶる歌詞が風さんの声によってひとつのカタチとなった時、そこにはカレにしかない世界線が見えます。
 
私なんかが言うまでもなく、カレとカレの曲を愛する人たちはみな、そのことを知っているでしょう。
 
もちろん風さんにとってもお金は大事です。しかし風さんにとっては「お金持ちになること」や「有名になること」まして「女性にモテたい」などというのは願望や欲望ではなく、曲を生み、歌っていたらたまたまついてきた「おまけ」に過ぎません。
 
風さんにとって一番大切で大事にしていることは、自分の曲を聴いた誰かが救われたり癒されたり、心が温かくなったり、気持ちが軽くなったり、さらには誰かに優しくしたい、優しくなりたい、そういう気持ちがみんなの中に生まれ、そして大きく育っていくこと。それこそが風さんの願いであり祈りなのだと、風さんの曲を聴けば聴くほど、強くそう感じるのです。
 
風さんよりもいい曲を作る人がいるかもしれない。
風さんよりも歌の上手い人もきっとたくさんいるでしょう。
 
けれど、カレほど歌で人の心を癒し、寄り添い、そして救い、助けられる人はいないかもしれない、そう思うのです。
 
だからこそ、私は風さんが好きで風さんの曲を愛しているのです。カレのその心のありようにとても共感するのです。
 
そして、風さんが頑張っているのだから自分も頑張らなければ、と思うのです。
 
カレはまだ25歳。その若さでみんなの心や気持ちを案じ、鼓舞こぶしている。ただただ驚き、そしてただただ尊敬です。
 
このツアーが始まる前から、今回のツアーが終わったら、もしかしたら次に会えるのはかなり先になるかもしれないというアナウンスがありましたが、そのことに関して私自身、寂しさはありません。
 
いつだって風さんの曲が寄り添ってくれているし、なにより、風さんがこの世界のどこかで元気に楽しく生きていてさえくれればそれでいいです。
 
風さんはLASA発売以降、いやその前からずっと多忙を極めていたはずです。ツアーファイナルも無事終えて、まずはしっかり休んで欲しい。
 
何も考えず、ただただボーッと過ごすのもいい。カレはずっと、私たちのために愛とパワーを与え続けてきたのですから、もしかしたら今、空っぽになってしまっているかもしれない。
 
だとしたら、その空っぽになったところに、今度は私たちが風さんに向けてたくさんの愛とパワーを注ぐ番なのではないでしょうか?
 
私たちの言葉や想いをカレに届けることこそが私たちに出来る事なのかなと思うのです。
 
ちまたで言われているような宗教活動と違い、そこにお金は発生しません。必要なのはカレへの応援やねぎらいの言葉や想いです。
 
自分を愛すようにカレを愛すればいい、ただそれだけです。
 
風さん流にいえば、ウチら家族やし兄弟やし仲間やし同志やから、みんなで力を合わせて人生を生き抜き、そしてまたいつか会いましょう。
 
カレが悲しまないよう、私たちは自らの日々を元気に楽しく、そして日々を意義あるものにしていきましょう。
 
ファンの元気な姿がカレのなによりの活力なのだから。私たちもまた、カレの元気な姿がなによりの活力なのだから。
 
最後に・・・私は別にカレを盲信もうしんしてはいませんし、するつもりもありません。人としての正しい道を歩もうと頑張っているから共感している、ただそれだけです。
 
この世には、平気で誰かを傷つけたり、何の抵抗もなく誰かをダマして自分だけがいい思いをしたりするような人間が当たり前にいます。
 
HELP EVER HURT NEVER 常に助け、決して傷つけてはいけない
LOVE ALL SERVE ALL  全ての人を愛し、全ての人に奉仕せよ

 
もしかしたら、風さんの願いはどこにも届かないかもしれない。カレにとってこの世はとても生きにくいかもしれない。
 
けれど、カレが諦めない限り、私はカレを見守りたいと思う。

カレの行く末を見届けたいと思うのです。

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