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Wi-Fiの速さ、人のありがたさ

父の家のWi-Fiが遅い。

うちの店兼住宅には、嫁さんと子供が住んでいて、私は隣り合う父の家の部屋で寝ている。

そろそろ90歳になる父が、一度コロナが日本に上陸したての頃、似たような症状になり意識が朦朧として大変になったことがあり、それ以来、大事をとって父の家で寝泊まりしている。

通信速度が遅いなりにやりくりして誤魔化していたが、ある理由で急いでWi-Fiのスピードを上げる理由に迫られた。

Wi-Fiスピードを上げて、さらに私が本来の自宅に戻らないといけなくなった…という壮大な話なのだ。

そして時間がない。

しかし、父はプロバイダの会社も、契約内容なども全く分かっていない。

とにかく調べられるだけ調べようと動き出す。

スマホで簡単にプロバイダが分かるサービスがあった。

無線の飛ばし方?にも方法があって、古いものだった。通信速度もでてきた。

判明したプロバイダのサイトを見ると、今月いっぱい(つまり一週間)で、他の会社と合併するという、これまた困ったタイミング。

「もう、何がなんだか分からないから、全く新しいプロバイダに変えちゃうか」などと思いながらも、今の状態でどう動くのが一番いいか、誰かにアドバイスをもらいたかった。

メインのSNSはnoteであるが、不特定の人に問題を投げかけるのは、少しリスクが高い。

そうだ、こういう時こそFacebookだ。

私は以前Facebookがメインで、普段は「親しい友人」というリストの、狭い人たちにだけに発信をしていた。

まさに、こんな時こそ、と困っている状況を書き込んだところ、それを見ていた近所のコミュニティ食堂の店長がその場で、常連の通信工事の仕事をしている人にその内容を見せてくださり、その人がすぐに来てくれた。

その人は、近くのブックバーに飲みに行くとよく居た人で、一緒にモトクロスバイクの試合の応援にも行ったりした人だった。

「えっ、通信関係のお仕事をしてたんですか!」

ビックリした。

そして、是非日にちの合う日に見てくださいとお願いすると、翌日の夜、仕事上がりに来てくださり、軽く見てもらう予定が一時間。

すべての通信機器やプロバイダの情報などを一つ一つ点検。父の持つ機器はずいぶん古いものだったが、一番解決しやすく大きな問題は何とケーブルだった。

細くて古くて、場合によっては少し中で線が切れている可能性のあるものまであった。

企業向けの最新のケーブルに、つなぎ直すなど、物理的な変更を行ったところ、劇的に早くなった。

そして彼は、「地元では一切お金を貰わない主義なんで」と去っていった。

わたしも、地元のために何か役に立つことで、お返しを回していかなければな、と思ったのだった。