【怪奇小説】『サナトリウムに』-第五回-
前回仕事で訪れた時とは違い、今回はレンタカーを借りて宇野は雨里に来ていた。目的の地――町外れの山腹にある、雨里唯一の墓地がある磯寺に向かって車を走らせている途中に寄ったコンビニの駐車場で、宇野はスマートフォンで万里奈の名刺にあったアドレスにアクセスし、彼女のホームページを覗いてみることにした。
MARINAと大きく表示されたトップ画面に、経歴やライブラリーなどの目次が並んでいる。ライブラリーをクリックすると、彼女が撮影した数々の写真が表示された。中には自分自身を被写体と