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ウチの牛は「ウシ!ウシ!」と叫んでいるか。

とあるインスタで知った書籍(おいしいとはどういうことか 著中東久雄さん)に書いてあった文節の一つです。私としては素晴らしい本だと思いました。いくつか抜粋して未来の自分の為にも備忘録として書いておきたいと思います。

手間をかけてこそ暮らしは豊かになります。

私は牛飼いをするまで逆の考えでした。仕事の手間はなるべく省いて手間がなくなればなくなるほどいい!と思っていて、なんならどうにか寝てて成果がでる方法はないか?と探したり考えたりしながら仕事をしていて・・・今でこそ笑っちゃいますが当時は本気でやってたんですよね。

しかしながら、牛飼いをやっていると、作業効率は悪いけれど結果的に良くなるという事が多々あります・・・例えば、子牛の餌の食べ残しです。放っておけば食べきるんですが、これを一回取って掃除して新しい餌を入れると放っておくよりも沢山食べたり、同じ餌の食べ残しでも、一度混ぜっ返して、綺麗にしてあげるとまた食べて、何もしないよりも大きく育つのです。その小さな「手間」が積み重ねで大きな結果となって返ってきます。不動産戦士をしている時には気付かなかったけれど、牛飼いをする上で、手間は惜しむものではない豊かにするものだということを頭の片隅に入れておこう!

「ニンジン!ニンジン!」叫んでいるニンジンがある。

当書であった文節の一つです。これを見て私は自分の牛はウシウシ!と叫んでいるか?と考えました。以前、自分の育てた子牛が自分の目指す方向性と違うなーと思っていた違和感は、ウチの子牛達があまり反芻をしていなかったことだと気づきました。牛は、1日2,3時間ほどしか寝ないようで活動中の約半分を反芻して過ごすようですから、ウチの牛が反芻をしないのはウシウシしていないじゃないか!!と。ぼやっとした違和感は自分が「ウシ!ウシ!」と叫んでいる牛を作りたいという気持ちだったと認識することができました。

食べる事は殺すこと

以前も書いたかもしれません。私が就農した理由は食べる事が好きで牛肉も好きだったことから、自分で生産してみたい、自分で作った牛を食べたい。また、牛がどのようにして肉になって食べられているのかを全て知りたいと思ったことが大きな理由の一つでした。今は、牛の生き死にが間近にあり、最終的に屠畜されて自分はウシのどこの部分を食べているのか?を知って感じながら食べる事ができるようになり、より現実味を感じていることです。食べる事は殺すこと、今となってはしっかりと腹に落ちる言葉でありました。

この本は、読んで何回も衝撃というかガツーンと響きまして、気づきや再認識が多くありました。
私は曾祖父や祖父が出版業をしていた事も影響して本が好きです。いつも書籍をまず一回読んでからたびたび読み返すのですがこちらの書籍もバイブルの一つとして大切にしていきたいと思います。

素晴らしい本を教えて頂きありがとうございました。

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