社会不適合者

まだ社会に出たことのない弟がよく言う。
「僕は社会不適合者。」

正直言って変わってる。

学生の時って、社会に出ることに不安を抱きながらも少し期待して、少し楽しみだったりするものじゃないの?
そして、みんな自分が社会人として認められるように、適合できるように努力する。そんなもんじゃないのか?

社会に出てない人間が自分のことを「不適合者」だと嘆くようならば、きっと彼は社会になんの不安も期待もない。ある意味強い。いや、ただのひらきなおりか。

と、まあ変わった弟をもつ私だが、最近気づいたことがある。

「私も社会不適合者だ。」

私は、社会に出てから気がついた。
自分はなんでもできる。どんなところでもやっていける。どんな苦難も乗り越えられる。
自分のことをそう過大評価してた。
実際、社会に出てみると誰よりも弱かった。
社会に適合できない弱者。

海にドボンと落とされた気分。
そうでしょ、人間って陸ではまあまあ強いけど、海ではめっちゃ弱いでしょ。息できないでしょ。そんな感じ。
どうしようもない感じ。まさに溺れてる真っ只中。
私が哺乳類なら、社会適合者はみんな両生類。
みんな陸でも海でも生きていけちゃう。
すごいな〜強いな〜
まあ多分、それも違うけど。笑

きっと、社会適合者なんてそもそもいない。あるいは、少ない。
みんな自分が社会不適合者であることを認めたくないだけ。
海でも頑張って泳いで生き延びようとしてる。きっとそんなもん。そして、長い年月を経て哺乳類から両生類に進化してる。それだけ。


面白いようでつまらない。


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