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選挙と民主主義/銀河英雄伝説と閃光のハサウェイ

政治的なことは書かないポリシーなどと言いながら、やはり自分の中で思うところがあるのだろう。

選挙率の低さ

衆議院選の投票率をみていたたまれない気持ちになった。近年の選挙率の推移は以下の通り。前回よりは上向いたもののほぼ横ばいの選挙率になった。若年層の数が少なく、投票したとしても僕らの収入が直接上がるわけではないかもしれないが、これにはあまりに落胆した。

選挙に行く意義については、他の方が嫌というほど書いているであろうから僕がここで書く必要もないだろう。



フィクションの未来からのメッセージ

さて話は変わるが、僕はSFが好きである。古くはジュール・ベルヌやウェルズから、先日公開された閃光のハサウェイまで幅広く鑑賞している。

そのなかで、今回の選挙を通じて少し思うところがあったので、日本発のスペースオペラである「銀河英雄伝説」を紹介したい。

西暦2021年からは、宇宙歴を経てはるかな未来を舞台にしたこの小説は、銀河帝国のラインハルトと自由惑星同盟のヤンを中心とした群像劇だ。今、リメイク版も製作されている。

自由惑星同盟のヤンは、もともと歴史学者を志望しつつ軍人になった人物として描かれるが、その歴史への洞察は深い。

この作品内では、なぜ民主制を奉じていた国家が銀河帝国になったかも語られている。また、銀河皇帝となったラインハルトによる帝国の改革がなされていく一方で、民主主義を奉じる自由惑星同盟は衆愚制の毒に侵され弱体化していくさまも、物語中で語られている。

自分たちの今いる時代の流れはとらえにくいのは事実。であればフィクションではあるが、後世の歴史家たちの批評を味わうのもいいのではないだろうか。


仕組みの深さ

下記の記事を読めば、若年層のあきらめも正直わかります。僕もさほど若いとは言えないが少数派に属する人間です。何をやっても無駄とも思えるような現状に対する無力さもわかります。が歴史を紐解き、参政権を求め制度として権利として得るまでに流された血の量を思えば、そう簡単に棄権するのは僕にはできません。


下は、今春公開され、各種ストリーミングサービスでも現在流れている「閃光のハサウェイ」のワンシーン。この作品では腐敗の進んだ政府の特権階級に対して、英雄の息子でありながら戦争(テロ)を挑むハサウェイのオーストラリアを舞台にした戦いが描かれる三部作の一作目ではある。

彼は特権階級の限度額なしのカードをとあることから手に入れて、その社会の縮図のようなカードを見ながらつぶやく。

「じゃあ教えてくれよ、この仕組みの深さを破壊する方法を」と。

たかがアニメの一作ではありますが、心に突き刺さるこの言葉にたいして、今の僕らは答える言葉をもっているのか?そう問われているように感じました。


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そしてまたここにもどってきてしまうのだ。



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