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アイデンティティーって何ですか?

こんにちは、TCS認定コーチのNanaと申します。

先日、家の片づけをしていたときのことです。本の隙間から、就職したばかりの頃に住んでいたワンルームマンションの住所が書かれた封筒が出てきました。

すっかり忘れていましたが、高校生向けメディアに自分の卒論について紹介したときの掲載紙が入っていました。

大学時代、外国語学部に所属していた私は、「日系人のアイデンティティー」というテーマを卒論に選びました。当時の私は、その卒論にまとめたとおり、アイデンティティー=国籍や自分が育った場所に紐づくものだと思っていました。

しかし、本当のアイデンティティーや価値観は、日本人だから、イタリア人だから、とはまとめられません。この記事では、コーチングを学び続けることで、頭の中で少しだけ整理できてきたかな、と感じているアイデンティティーについて取り上げます。

ここまでお読みいただき、コーチングとアイデンティティーって何の関係があるの?と疑問に思った方は、ぜひ最後までお読みいただけたら幸いです。

1.学生時代に認識していたアイデンティティーとは?


愛知県の片田舎で育ち、決してインターナショナルな環境とはいえなかった幼少期。しかしながら、中学生の時から、国際結婚をしている伯母に会いに行ったり、海外へ演奏旅行に行ったりと、比較的日本の外に目を向けるチャンスに恵まれていました。

大学時代には、念願の長期留学も決まりました。いよいよ出発というとき、日本に留学に来ていた韓国人の友人がくれた、忘れられない言葉があります。

「それが良いか良くないか判断するのは後からでもいい、まずはそれを自分でもやってみるといいよ。」

お兄さんのように慕っていたその彼は、同じ留学生という立場で、「ジャッジしない考え方」を教えてくれたのです。

さて、先程の卒論の話に戻します。

帰国後、「日系人のアイデンティティー」というテーマで、国際化社会でのアイデンティティーについての論文を書きました。過去の私は、高校生に向けメディアにこんなメッセージを書いていました。

”これからグローバル化が進み、日本国内で生活をしていても外国人と接する機会はますます増えていくと考えられます。(中略)多文化社会の中で、お互いの価値観や社会習慣を尊重し合いながら理解を深めていくには、自分自身のアイデンティティーの層を持ち、どんなことでも受け入れられる柔軟な状態にしておくことの必要性に気づくことが大切だと考えました。”

アイデンティティーは、国籍や民族に基づいたものに、生まれ育った環境が重なることで作られていく木の年輪のようなもので、それを大切にしつつ、違う価値観も受け入れる状態にしておくべきだ、と説明していました。

そして、韓国人留学生の友人からの言葉は、私にとって、自分と異なる価値観を持つ人と接するときのお守りになっていました。

2.コーチングにおけるアイデンティティーとは?


もう何年も前に、初めて私がトラストコーチングを受けたとき、テキストの中で一番違和感があったのが、「アイデンティティー」という言葉でした。

国籍や文化よりも深いアイデンティティーについて、あまり考えたことがなかったからです。

コーチングという視点で、アイデンティティーを掘り下げていくことで、「自分がこうあるべきだ」という姿が、いかに自分自身の経験により積み上げられたものかを痛感しました。

卒論で書いた「年輪のようなもの」とは、国籍、人種、文化だけではなく、実は、過去の自分の経験からくる思考のクセだったり、こうでなくてはいけないという思い込みだったりと、もっと深いものだったのです。

例えば、あなたは「母親はこうあるべきだというイメージ」を何かお持ちでしょうか?

私は、「母親は、毎日おいしい料理を作るのが当たり前だ。」と思っていました。

今でも忘れられない思い出があります。高校生の時、おばあちゃんが毎日の食事を用意している友人の家で夕食をごちそうになったとき、「このスープ私が作ったの!」と、友人のお母さんが特別なことのようにうれしそうに話してくれたのです。当時の私の違和感といったら、それはインパクトのあるものでした。

この違和感は、すべて自分の「母親のこうあるべきだ」という深い思い込みによるものだったのです。

3.アイデンティティーに向き合うことで得られるものは?


本記事は、コーチングを学び続けたことで、新たにアイデンティティーについて掘り下げることができ、自分の思い込みによる視点の足りなさに気づけたことをお伝えしたくて書きました。

アイデンティティーとは、国籍や文化のみならず、自分の在り方を表すものかもしれません。

自分の中のアイデンティティーは、時に目標達成の足かせになってしまうことがあります。とは言え、「ここは気に入らないから、変えちゃおう!」とスイッチひとつで切り替えられるものではありません。

しかしながら、意識の仕方や自分との向き合い方ひとつで、自分の味方に変えられるかもしれません。

「月末までに、〇〇を達成しよう!」
「毎日、□□を続けよう!」

そう決めたものの、どうしてもできそうにない、と思ってしまったことはありませんか?


自分の奥に存在するアイデンティティーにしっかりと向き合えば、意外とあっという間に目標達成への解決策が見つかるかもしれません。

コーチングにおけるアイデンティティーは奥深く、足かせになっていたものをどのように追い風に変えていくか、正直なところ、今でも自問自答を続けています。

心のブレーキだったものを、自分の背中を押してくれるものに変えていくために、また今日もコーチングを深めていこうと思います。


この記事を書いた人

Nana


TCS認定コーチ・MCS認定マザーズティーチャー。ラクで楽しいていねいな暮らしに憧れる二児の母。心からいいね!と思うモノやサービスだけを、《書くこと》《コーチング》《Webマーケティング》でサポートする縁の下の力持ち。マイブームはマインドフルネス・海外子連れ旅・カメラ。


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