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LINE研究パート3 ~ダイレクトマーケティングの観点からLINEを考える~

こんにちは、TCOのミカミ・リョーです。「LINE研究パート3」をお届けします。簡単にパート2の振り返りから。前回は「LINEを生活インフラ」としてとらえることを起点に、ミカミが提唱する、これからの“LINE ID”マーケティングについて考察しました。

今回は、“LINE User ID”を軸に、企業はどう取り組んでいくべきか、もう少し“LINE ID”マーケティングを深堀りします。ここでミカミが着目したのは、ダイレクトマーケティングの観点です。

ユーザー接点の創出に必要な情報、かつては住所や電話番号

みなさん、ダイレクトマーケティングという言葉は、ご存じですよね。ざっくり言えば、企業がユーザー(見込み客)に直接働きかけて長期的な関係を築いていく手法です。その間に、他社やメディア、チャネルなどを介さないのがポイント。One to Oneマーケティングといわれるものも、ダイレクトマーケティングのひとつでしょう。
 
話は少しズレますが(しかし、テーマとは無関係ではありません)、みなさんのスマホにセールスの電話はかかってきませんか? ミカミ的には、めちゃ多いです。あれは、「何らかの方法」で携帯電話番号のリストを入手した事業者が片っ端からかけてくるわけです。ぶっちゃけ迷惑ですし、まったくいい例ではありませんが(笑)何が言いたいかといえば、「個人に紐づく携帯電話番号」のほうが、ダイレクトメールの送付や固定電話への架電よりも「効率がいい」ということ。
 
かつて、ダイレクトマーケティングの世界では、企業がユーザーにアプローチするために、住所や電話番号(固定)を把握していました。企業からダイレクトメールが届いたり、セールスの電話がかかってきたりしたわけです。そこに、携帯電話の番号が、さらにはメールアドレスが加わります。携帯電話やメアドといった接点で、企業のアプローチは個人にグッと近づきます。


ダイレクトマーケティング、ユーザー接点の変化

一方で、こうした「個人情報」の取り扱いはどんどん厳しくなっていますし、ユーザーのリテラシーも高まっています。事実、自分のメアドに届くDM、なかなか開封しないですよね。みなさんも“メルマガ”としてのDMを受け取ることが多いと思いますが、「全部読んでいる!」という人は、まずいないでしょう。もしかしたら迷惑メールとして処理されている可能性もありますよね。 そんな時代、企業がしっかり握っておきたい、効率的なダイレクトマーケティングのカギとは? 言わずもがな、“LINE User ID”です。


いま、企業が把握すべきは、“LINE User ID”

前回、紹介したとおり、いまやLINEは「生活インフラ」です。多くの人が、日常のさまざまな場面でLINEを使用しています。ニュースをチェックするのもLINE、メッセージはもちろん通話まで家族や知人とのコミュニケーション手段はLINE。音楽もLINEミュージックで聴いたり、ちょっとした買い物はLINEペイで決済したり。荷物の受け取り日時調整から、コンサートチケットの分配まで、さまざまな場面でLINEが使われています。
 
自宅に届くダイレクトメールより、固定電話への架電より、メールアドレスに送られても開かれないメールより、現時点でLINEは圧倒的なダイレクトマーケティング的な強さを誇っているのではないか? と、ミカミは思っています。LINE IDに注目している理由は、ここにつきるわけです。前回紹介したCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)の図解をもう一回見てみましょう。

DPで企業データとLINE User IDを紐づける

ユーザーのLINE User IDと自社の顧客データを紐づけると、LINEをつかったユーザーへのフィードバックが可能になります。このフィードバックは、メッセージはもちろん、クーポン、スタンプ、チェックインなど、生活インフラゆえに多様な方法が考えられるわけです。

“LINE ID”マーケティングとは、ユーザーの生活に入り込むこと

ここで、LINEについて、改めてデータで確認しましょう。以下は、LINEの「2022年1-6月期 媒体資料」のサマリーです。だれでも見られます。

https://www.linebiz.com/sites/default/files/media/jp/download/LINE%20Business%20Guide_202201-06_summary.pdf

国内の⽉間利⽤者数は、8,900万⼈。⽇本の総人口は約1億2500万⼈。ということは、人口の約70%がLINEを利用していると言えます。ミカミが生活インフラと考えたのは、これだけのアクティブ率を誇って、しかも多面的な展開が可能なコミュニケーションプラットフォームが、ほかに思い当たらないからです。
 
こうしたデータに目を通すと、ミカミがダイレクトマーケティングの観点から、“LINE User ID”を異常なほど(笑)重視している理由は理解いただけたのではないでしょうか。余談ですが、基本情報はオープンデータで十分に把握できます。ミカミもヒラメキだけでは言っているのではなく、裏付けとしての事実(数字)は可能な範囲で調べるようにしています。
 
さて話をもとに戻すと、これまで見てきたように、“LINE ID”マーケティングは、顧客体験の「面」をおさえることが可能です。それは生活インフラとして日々利用される中、メッセージ、スタンプ、クーポン、予約受付など、多角的なアプローチが可能だからです。
 
そしてもう一つ、LINEは、顧客体験を拡散できる場でもあるのです。ユーザーがLINEでシェアすることで、ユーザーの友だちネットワークに企業の情報が広がっていく可能性もあります。例えば、自分のLINE宛に来た情報を友人のLINE、あるいは友人たちとのLINEグループにシェアするアクションです。実際、みなさんもネットで見た記事や情報をシェアしたいとき、LINEを使いませんか? もし、ユーザーとのエンゲージメントが高ければ、企業がLINEで送った情報もそうして広がっていく可能性はあるわけです。それは新たな“LINE User ID”獲得の機会創出につながります。
 
ミカミの考える、“LINE ID”マーケティングの実践とは、ユーザーの生活に入り込むことです。LINEを通して、企業は、ユーザーの一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションができます。人口の約70%が使っているLINE、生活インフラとして、このポジションがそう簡単に変わることはないと予測しています。当面、企業とユーザーをつなぐ効率的なキーとして、“LINE User ID”は王座に君臨するでしょう。大手企業から中小企業や個人事業主まで、もちろんD2Cブランドも、この“LINE ID”マーケティングは、ミカミ的に事業戦略上、欠かせないポイントになると思っております。

ミカミ的まとめ

LINE研究パート3、いかがだったでしょうか。今回、書いたことをサマります。

  • かつてのダイレクトマーケティングは、住所や固定の電話番号が必須

  • それが携帯電話やメールの登場で、より個人に近づいた

  • そして今、ダイレクトマーケティングのカギは“LINE User ID”

  • だから、“LINE ID”マーケティングは、顧客体験を「面」でおさえられる

  • LINEは、顧客体験を拡散できる場でもあり、新たな“LINE User ID”獲得の機会創出につながる

  • LINEの生活インフラとしてのポジションはそう簡単に変わらない

  • あらゆる企業活動の戦略上、“LINE ID”マーケティングは欠かせなくなる

今回は、ダイレクトマーケティングの観点からLINE User IDの重要性を整理しました。次回は、もう少し具体的に、“LINE ID”マーケティングの実践例を深掘りしていきたいと考えています。ではまたー。
 
ミカミ・リョー@“LINE ID”マーケティング深掘り中                                                                                                                                          

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