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津液

 津液は東洋医学では気や血などと同様、重要な物の一つになります。身体に潤いを与える物質になります。津液は全身くまなく存在していて、一部は血になります

 津液は「陰液」とも言われ、身体を冷やす役割もあります。


1.津液とは

 津液は飲食物に含まれる水分が脾の働きによって生成されたものになります。津液は「津」「液」に分けられます。

津液

2.津液の働き

 津液は身体の中の水分になるので、身体を「滋潤・濡養」する働きがあります。ただの水ではなく、人体にとって必要なものなので、栄養素を含むと言う考え方をしていきます。

 体外に出る正常な分泌物(涙液など)は、体外に出ると名前が変わりますが、津液の働きになります。

 津液は、脾が化生し、に送られ、三焦を通って全身に巡らされます。まできた津液は、腎によって、要・不要がわけられ、不要な物は膀胱から尿として排泄されます。

3.津液の病理

 津液の病理では「不足してしまった状態」「流れが悪い状態(有余や停滞)」があります。

 「不足してしまった状態」は食事を取っていない、過剰な発汗や下痢により減少、外邪による熱や体内で発生した熱で乾かされてしまうことで生じます。

 「流れが悪い状態」は脾・肺・腎の水分調節障害、肝の機能失調、多湿、多飲で生じていきます。詳細な分類では、湿・水・飲・痰と分けられますが、水湿・水飲・痰湿・痰飲などと呼ばれることが多い。教科書では痰湿とされ、病理産物になる。

・湿:水が停滞した状態

・水:湿より濃密な状態

・飲:水よりも濃密な状態

・痰:固形物に近い状態

①津液不足の症状

 口渇、口乾、皮膚や肌の乾燥、乾燥便、尿量減少

 津液の不足は水分の摂取不足の場合もあるが、身体に熱が生じてしまい、水が乾燥させられた結果として生じる場合も多いので、津液不足は熱を疑うサインにもなる。

②痰湿

 慢性化しやすく治りにくい、頭重感、身重、浮腫、軟便や下痢、食欲不振、舌苔厚膩、滑脈、濡脈

 国家試験では脾の機能失調によって生じる問題が多いが、肝・腎・肺の機能失調でも生じるので、臨床では痰湿の停滞はよくみかけます。

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