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アリス殺し / 小林 泰三

 夢で見る不思議の国のアリスの世界と現実がリンクして起こる殺人事件。ファンタジーたっぷりの世界で、あの不思議の国に出てくるおかしなヤツらで、事件は解決するのだろうか。と不安しかない中で連続殺人事件は起きていく。
 ファンタジーだけど本格ミステリ作品。

 ミステリでありながらファンタジー。そしてホラー。
 最後の部分は苦手なんだけど、小林泰三の書くホラーは美しく感じる。あ、今回はそれほどでも無かったんだけど、「玩具修理者」は良かった。
 物語の折り方とか(重ね方というか)言葉の出し方とか、いい塩梅なんだなと思ってしまう。ミステリとしてとても満足のいく作品。

 もっと一つ一つの言葉を気にして読んでいたら、犯人が分かったのではと思ってしまうが、それは最後まで読んだからだろう。いい作品だ。

 次の作品もいい作品でありますように。

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