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二重手術後は冷やした方が良いのか?

今回は、二重手術の術後は、「冷やした方が良いのか」というお話です。

ずっと冷やしているけど腫れが引かない?

よく、ネットなどで二重の手術後は、「冷やしたほうが腫れが早く引く」という様な書き込みを目にしますよね。でも、「ずっと冷やしているけど1週間経っても全然腫れが引きません」という様な書き込みもよく見ます。

残念ながら、二重手術の腫れを早く引かせる有効な方法はありませんし、二重手術をして1週間で腫れが引くこともありません。不適切な冷やし方をした場合は返って腫れが引きにくくなったり、様々な弊害も考えられるため、当院では手術後にまぶたを冷やすことは推奨しておりません。

冷やす?温める?

医学的には、急性炎症は冷やす、慢性炎症は温めるという原則があります。これは、腫れを早く引かせるというより、炎症を和らげて痛みなどの症状を抑えたり、炎症が周囲に波及するのを抑えるのが目的です。

外科的には、術後48~72時間は急性の炎症が起きている時期であり、血管内から血管外へ水分の移動が起こります。この時期に、冷やすことで血流が落ちるので腫れが強くなるのを抑えることは可能だと思います。術後2~3日は冷やした方が良いと言われるのはそのためです。その時期を過ぎると、リフィリング期と言って血管外から血管内に水分が戻る時期になります。リフィリング期に冷やしてしまうと、血流が悪くなって返って腫れが引きにくくなってしまいます。

冷やし続けることはお勧めしない

私が術後に冷やすことをおすすめしない理由は、「冷やして下さい」と患者さんに説明すると、一生懸命冷やし続けて、腫れを早く引かせるためにリフィリング期になっても冷やすのをやめない方が多いからです。また、冷やせば初期の腫れは多少抑えられるかも知れませんが、腫れが早く引く訳ではないので、完成までの期間は同じです。そして、冷やすことは、血流の低下でキズの治りが悪くなったり、免疫力が下がって感染するリスクもあるので、いたずらに長期間冷やし続けるのはおすすめしません。どうしても冷やしたい方は、保冷剤を使用して術後48時間に限定して、間欠的に冷やすのが良いでしょう。

冷却ジェルシートは有効か

余談ではありますが、術後に冷却ジェルシートを貼っている方も多いですよね。冷却ジェルシートは気化熱を利用して体表の温度を2℃下げて清涼感を得る商品であり、体の内部を冷却する効果はありませんので、冷却する場合は保冷剤を使用することをおすすめします。

いかがだったでしょうか?今回は、「二重手術の術後は、冷やした方が良いのか」についてのお話でした。最後までご覧頂きありがとうございました。

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【参考動画】
https://youtu.be/bSWi7f9crbQ

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