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豊胸手術で失敗しないために知っておきたい5つの常識〜脂肪注入編〜

今回は脂肪注入豊胸に関して知っておいていただきたい5つの常識についてご紹介します。
脂肪注入豊胸では、まずご自分の皮下脂肪を採取し、ここから不純物を取り除くなどして注入に適した脂肪に加工した上で、これをバストに注入します。仕上がりの自然さを重視する方に人気の施術です。
これまでに「シリコンバッグ 編」「ヒアルロン酸・アクアフィリング編」とご紹介してきましたが、実は、当院では今回ご紹介する脂肪注入豊胸を最も頻繁に行なっています。(それだけ知識も経験も豊富です!)
そう言った意味でも、ぜひご期待ください。(情報提供:THE CLINIC

1:脂肪注入豊胸には、いくつか種類がある

脂肪注入豊胸では、採取した脂肪をそのまま注入することは稀で、多くの場合、注入に適した形に加工し、それを豊胸に使用します。
「注入に適した」とは、簡単に言えば、脂肪のコンディションを組織に定着しやすい状態に整えることです。
定着しやすいコンディションというのは、老化細胞や不純物など、定着の妨げになる物質が極力排除され、逆に定着に有利に働く脂肪由来幹細胞を豊富に含んでいる状態を指します。
このような良い状態の脂肪を生成する方法は現時点で複数存在し、どれを採用するかはクリニックによって異なります。以下では主だったものを紹介したいと思います。

脂肪の加工方法①:ピュアグラフト
採取した脂肪から、フィルターと水(ラクトリンゲル液)を介して不純物(オイルや赤血球)を排除する方法です。
作業が容易であることが最大のメリットですが、遠心分離していないため、脂肪幹細胞や元気な脂肪細胞の密度はやや低くなるとお考えください。
ただし、施術時間は若干短縮できます。なお、この方法でバストアップ可能なサイズは、1回の手術で0.5-1.5カップ程度です。

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脂肪の加工方法②:非培養幹細胞豊胸
医学的にはCAL(Cell-Assisted Lipotransfer)と呼ばれ、吸引した脂肪に脂肪幹細胞(正確にはSVF:Stromal Vascular Fraction)を添加する方法です。採取した脂肪に特殊な化学物質を添加して脂肪幹細胞のみを抽出し、他の脂肪に混ぜて注入します。
こうすることで、注入脂肪に含まれる幹細胞の濃度を人為的に増やすわけです。ただしこの施術には多くの脂肪を必要とするので、脂肪量が豊富な方でなければ受けられません。
この方法でバストアップ可能なサイズは1-2カップ程度です。

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脂肪の加工方法③:コンデンスリッチ豊胸
 加重遠心分離で、役に立たない脂肪やオイル、水分、麻酔液を排除し、定着に必要な元気な脂肪細胞と脂肪幹細胞を濃縮(コンデンス)します。加重遠心分離とは、採取した脂肪に特殊なおもり(ウェイトフィルターといいます)を乗せた状態で遠心分離にかける特許技術です。こうすることで、直径が大きい脆弱な細胞を壊し、脂肪幹細胞の密度を高めます。採取できた脂肪量が少なくても効率的なバストアップを期待できる点が特徴です。1度の注入でバストアップ可能なサイズは、おおよそ1-2カップになります。

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脂肪の加工方法④:セルチャー豊胸
再生医療の技術を駆使した最新の豊胸手術です。
脂肪の定着に有利に働く幹細胞を人口培養で1,000万個にまで増殖させ、CRF(コンデンスリッチファット)に添加して注入します。
この時、幹細胞の培養に必要な脂肪量はわずか20ccと、セリューションで幹細胞を抽出する際に必要な脂肪量の1/10程度。脂肪量の少ないやせ型の方でも無理なく受けていただくことができます。
なお、この施術は「第二種再生医療等提供許可施設」として国から許可を得た施設だけが提供可能です。施術をご希望の際には、この許可を取得しているか、あらかじめ医療機関に確認されることをお勧めします。

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2:最終的には、手術直後の大きさから少し小さくなって落ち着く

シリコンバッグ豊胸にしろヒアルロン酸豊胸(アクアフィリング豊胸)にしろ、人工物をバストに挿入、または注入する豊胸術の場合、(見た目や手触りは度外視して)バストに加わった容積の分は確実にサイズアップします。
一方、生きた細胞を直接注入する脂肪注入豊胸では、こうはいきません。
脂肪注入豊胸の場合、脂肪の注入直後に最もバストが大きくなったと感じるのですが、最終的にはそこからやや小さくなった状態で落ち着きます。注入した脂肪の何割かは定着せずに、体外に流れてしまうからです。
注入した脂肪がバストの組織に定着する割合を「定着率」と言います。この定着率をいかに上げるかが、この豊胸術の最大の課題です。
現在の技術では脂肪を100%定着させるのは難しく、どんなに腕のいいドクターでも60〜80%程度といったところ。100%の定着が可能だとするドクターにもし出会ったら、逆に疑ってかかった方が良いかもしれません。

※定着率に関しては公式コラム「脂肪注入豊胸の定着率に関するQ&A」にもわかりやすくまとめてあります。ぜひご覧ください。

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3:脂肪注入豊胸ではドクター選びが特に重要

シリコンバッグやヒアルロン酸、アクアフィリングなどの人工物を使った豊胸の場合、人工物であるがゆえの避けられないデメリットがあります。シリコンバッグであれば、挿入後必ず劣化していきますし、ヒアルロン酸やアクアフィリングは永遠に体内にとどまることがありません。これはどんなに腕の立つドクターが行っても変わらないことです。
一方、脂肪注入豊胸で考えられるデメリットは、ドクターやクリニックの技術力でほとんど回避できます。脂肪の定着率を上げたり、しこりを回避したりするには、脂肪の加工技術や注入技術を向上させることで改善可能です。優れた脂肪吸引技術があれば、痩せていて採取できる脂肪量が限られるような人にも、無理なく脂肪注入豊胸を行うことができます。
つまり、脂肪注入豊胸の場合、ドクター選びが特に重要だということです。もしこの方法を希望されるのであれば、0脂肪注入豊胸に特化した(年中脂肪注入豊胸ばかりやっているような)クリニックやドクターに依頼されることをおすすめします。

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4:授乳後こそ、脂肪注入豊胸のチャンス

脂肪注入豊胸が成功しやすい人というのは、バストの皮膚の伸びが良い人です。皮膚の伸びが良いということは、それだけたくさんの脂肪を余裕を持って注入できます。ポイントはバストの「余裕」です。余裕がないスペースに無理やり脂肪を押し込んでも、まず定着することはありません。注入した脂肪細胞が組織に定着するには、十分な血流と酸素の供給が求められるのですが、スペースに余裕がない状態ではそれが不可能だからです。
皮膚の伸びの良し悪しには個人差があるので、どの程度の脂肪を注入できるかは一人ひとりのバスト状態を拝見した上でしか判断できないのですが、女性のみなさんに共通して言えることが一つだけあります。それは、授乳経験のある方は、比較的みなさん皮膚の伸びが良いということです。授乳後というのはバストの垂れやしぼみが気になるもので、この時期、豊胸を検討される方は少なくありません。もしこのタイミングで豊胸をするのなら、断然、脂肪注入豊胸がおすすめです。

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5:脂肪注入豊胸の術後は、バストを育てる意識が必要

脂肪注入豊胸の後、定着率を上げるためには、施術を受けた患者さんにもいくつか協力いただきたいことがあります。
まず、脂肪の定着が完了するまでの3か月間は極端なダイエットは避けること、そして喫煙しないことです。
ダイエットを行うと、体内は栄養不足、血流不足(脱水)といった、脂肪の定着にとってあまり良くない環境になってしまいます。
また喫煙に関しては、ニコチンに抹消血管を締め付ける作用があることが悪影響をもたらします。血行が滞り、その結果、脂肪の定着量を下げてしまうと考えられるのです。ダイエット同様、定着するまでの約3ヶ月間は禁煙、少なくとも減煙されることをおすすめします。

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脂肪注入豊胸の最も優れているところは、やり方次第でデメリットを回避できるということだと思います。
例えばシリコンバッグ豊胸の場合、ある程度形や手触りが不自然になってしまったり、挿入したバッグが時間とともに劣化してしまうことはどうやっても避けられません。
またヒアルロン酸豊胸の場合も、効果が数年で失われてしまうことは宿命です。
もちろん、脂肪注入豊胸にもデメリットはあります。しこりやできたり、脂肪が定着せずに思ったほど大きくならないなどです。
しかし、こうしたデメリットは技術でカバーできます。
この点が他の豊胸術との決定的な違いであり、大きな魅力だと考えています。

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