あまり働かないことで会社を成長させたい、という実験

今のスタートアップを創業してから、わりとがむしゃらに仕事してきた。

創業期は投資家のシェアオフィスを間借りしていて、そこにいるいくつかの会社の中で2番目にたくさん仕事した。(1番よく働いていたチームは徒歩圏内に住んでおり、終電という制約があった僕に勝る術はなかった。また、その会社はその年上場企業に良い形でM&Aされた。)

自分たちのオフィスに引っ越した後も、よく働いたと思う。家から自転車圏内のオフィスだったので、終電を気にせず深夜まで仕事した。会社にも何回も泊まったし、土日も毎週ずっと会社にいるような期間も長くあった。

昨年に新型コロナの影響でリモートワークに移行してからも、1年目ほどではないが、よく仕事した。日中はミーティングで埋まってしまうので、深夜に集中して資料作成などすることが多く、日曜の夜から開始して、月曜早朝4時に終わる、みたいなことも何度もあった。

そんなこんなで2年が過ぎたが、会社はいまだに10人弱の小さな組織のままだ。もちろん事業も進んできており、僕もチームも成長していると感じるが、創業当初描いていた計画や目標からははるかに遠い。つまり全然ダメ、ということだ。

全然ダメなんだから、反省してやり方を変えるしかない。
変えるべきところはたくさんあるが、今年その一つに労働時間というものも入れてみようと思った。
これまでがむしゃらにたくさん働いてきたのを、やめるのだ。

長い時間働くメリットはいろいろある。まず、たくさんの仕事ができる。よりたくさんのミーティングができるし、より多くの作業ができる。

でも一方でだめなところは、選択と集中があまくなることだ。必要性の低いミーティングや、作業を、時間で解決したらいいやと入れてしまう。そういうことが増えていくと、本当に大事なことに使える時間や体力も圧迫されていく。また、必要性の低い社内ミーティングを増やしてしまうと、自分だけじゃなくてチームの時間まで奪ってしまう。

スタートアップは、リソースが少ない。選択と集中をして、一点突破していくのが戦い方だ。
自分は、たくさん働くということで、その選択と集中を放棄してしまっていたのではないか。

そういう考えの下、今年はあえてたくさん働かない、という実験をやってみたいと思う。
自分はなんやかんや仕事が好きなので、気付けば仕事したくなるし、仕事してなくてもどうせ1日のうち95%くらいは会社のことを考えているが、それでもミーティングをいれたり、デスクの前でパソコンを開く時間は1日8時間くらいにしてみようと思う。

今年、あまり働かないことで、この会社を成長させていきたい。