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【全日本実業団山口ハーフマラソン2021男子一問一答 市田孝】

市田孝が日本歴代4位&大会新で日本人トップの2位
レース後に明かしたニューイヤー駅伝敗戦の悔しさと、
今大会に懸けていた思い

●「旭化成の存在感を少しでも出したい」

Q.日本記録も狙えるようなハイペースに挑めた理由は?
市田 ニューイヤー駅伝の悔しさがあったので、ここでチャレンジしたいと、このハーフマラソンまで準備してきました。それを出すことができたからだと思います。ニューイヤー駅伝の借りはニューイヤー駅伝でしか返せませんが、旭化成の存在感を少しでも出していきたかった。チームのみんなもその気持ちが強かったと思います。

Q.具体的にどんな準備をしてきましたか。
市田 日本記録(1時間00分00秒)を出したかったので、1km2分50秒(21.0975kmに換算すると59分47秒)をイメージして、余裕も持ちながら、インターバルなどをやってきました。びわ湖マラソンに出る大六野(秀畝。15位・1時間01分33秒)とも練習して、スタミナ面の練習もしっかりできました。

Q.序盤で村山謙太(27)選手が速いペースを作りました。
市田 最初はペースの上下動がよくあります。スタート位置も後ろの方だったので、無理をして前に行かず、徐々に先頭の方に上がっていけたらいいな、と思っていました。謙太が(先頭に出る)アクションをしてくれたことで、レースの流れがガラッと変わりました。すごく良い飛び出しでした。それも僕が自己記録を大きく更新できた理由の1つです。謙太もあそこまで突っ込んだのに、最後まで粘ったと思います(26位・1時間01分58秒)。

●ハーフマラソンの自己記録が1時間2分台だった理由は?

Q.優勝したワンブイ選手に出られたところは?
市田 パッとペースを上げられて、付く余裕がありませんでした。射程圏だと思ってあきらめずに追ったのですが…。

Q.タイムは1時間00分19秒の日本歴代4位。大会新記録です。
市田 欲を言えば日本記録(1時間00分00秒)を狙っていたので、悔しさが大きいですね。ただ、自己記録が大学4年のときの1時間02分03秒だったので、それを更新するのは最低限だと思っていました。

Q.実業団入り後は毎年のように1時間2~3分を出しているのに、自己記録を出せなかった理由は?
市田 ハーフマラソンの後にマラソン出場を予定していたケースが多く、ハーフの記録を狙える状態では臨んでいませんでした。今回のように2分50秒をイメージした練習をするより、次のマラソンに向けてのペースを体に覚え込ませることが目的でした。

市田孝2@全日本実業団ハーフマラソン2021

●10000m日本記録を出した相澤を目標に

Q.今年のハーフマラソンで記録を出して、それを何につなげることを意図していましたか。
市田 今年(20年度)はマラソンに出場しないで、まずはハーフマラソンで戦うことを考えていました。しかしレースがなくなって、この全日本大会しか記録を狙えない状況になったので、絶対に1時間0分台は出す。そうすることで、マラソンが見えてくると思っていました。

Q.5月の日本選手権10000mまでは、10000mの五輪代表も狙っていく?
市田 一番は日本選手権ですが、3月後半の延岡や4月の金栗記念、日本選手権後にも記録を狙うチャンスはあります。日本選手権の標準記録を破るための(タイム設定が低い)レースもありますが、やはり相澤(晃・旭化成)みたいに大舞台で五輪標準記録を破ってみたい(相澤は昨年12月の日本選手権に27分18秒75の日本新記録で優勝して、東京五輪代表に内定)。10000mはまだ2枠残っているので、チャレンジします。

Q.相澤選手の入社はどんな刺激になりましたか。
市田 日本選手だけだった旭化成に、外国人選手が加入してきたときと似ています。相澤が入ってきて、みんな彼に負けたくないと思っています。意識が変わって良い方向に行っています。日本選手権に勝った五輪代表が同じチームにいるのは恵まれている。彼の背中を見て一緒に強くなって行きたいです。

TEXT by 寺田辰朗

全日本実業団山口ハーフマラソン2021 男子ハイライト


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