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2020年7月12日「風をよむ ~"コロナ禍"の6か月 ~」

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どんどん だんだん温暖化 どんどん だんだん温暖化 こんな地球に  誰がした

今から30年前、植木等さんがブラックユーモアにくるんで、地球温暖化の危機を歌った「地球温暖化進行曲」。それから30年・・・

撮影者「道がない」

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福岡管区気象台・田口雄二主任気象予報官(5日)「こちらの予想を大きく超えてしまったと考えます。ここまでの大雨になることの想定がなかった…」

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しかし、ここ数年…  各地で、しばしば繰り返されてきた、異常気象。

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背景には、温暖化による海水温や気温の上昇などが言われています。
「しとしと」と表現されてきた日本の梅雨は、今や昔話になったようです。

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しかも、今年は、新型コロナ禍という、困難にも直面。二重苦の年になってしまいました。

こうした事態について、生物誕生以来の生命の姿を研究してきた、科学者の中村桂子さんは…

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中村桂子名誉館長・JT生命誌研究館 「皆さんコロナと豪雨は全然違う物に思ってらっしゃると思うんですけど、実は両方とも、私たち(人間も)生き物だということ。自然を、もうちょっと考えなさいっていうことを問いかけてると思う」

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日本で初めて新型コロナ感染者が確認されたのは、1月16日。私たちは、ほぼ半年間、コロナに向きあってきた事になります。

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1月末、中国の武漢などに在住していた日本人が急遽、帰国。そのまま、ホテルなどで隔離状態に。さらに大型クルーズ船で集団感染発生など、慌ただしい動きが連日メディアで伝えられました。

2月13日、80代の女性が、国内初の死者となりました。

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2月26日には総理自ら大規模イベントの自粛を要請。その翌日には、小中高の全国一斉休校を要請し、波紋は市民生活にも及びました。

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様々なイベントや、不要不急の外出などの自粛が求められ、三密、ソーシャルディスタンスといった耳慣れない言葉が飛び交うなど、重苦しい空気の中での、この6ヶ月。

中村桂子さんが、この間、痛感してきた事とは…
  
中村桂子さん
「20世紀後半から21世紀にかけて、私たちは技術で何でもできるぞ、みたいに思ってきたことに対して、やっぱり自然とつきあわなければ無理。基本の基本から考えなさいって、言われているような… 自然との関わりという中で、全体がうまくいくような生き方を人間が探らないと、何度もこういうことが起きると思う」

現代社会のひずみを問いかけるコロナ。

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そんな中、大きな感染爆発で世界を驚かせたイタリアで出版された、「コロナの時代の僕ら」という本が、話題になっています。
  
イタリアの物理学者で作家のパオロ・ジョルダーノ氏が、大規模な感染爆発の中、コロナの意味を問いかけた「コロナの時代の僕ら」。その中にはこんな記述があります。

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「行政は専門家を信頼するが、僕ら市民を信じようとはしない。 市民はすぐに興奮するとして、不信感をもっているからだ。僕たちのほうも行政には以前から不信感を抱いており、これはこの先もけっして変わらないだろう」

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コロナから垣間見えた、行政・専門家・市民との関係の中での、不信感。

それは、イタリアだけの話でしょうか? PCR検査のありよう、自粛要請と、その解除のタイミングなどを巡る、行政・専門家・国民の間で生まれた意識のズレ。

例えば、相談や受診の基準を「37.5度以上・4日間」と多くの国民が受け止めたことについても…

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加藤厚労大臣(5月8日)「目安と言うことが、相談とかあるいは受診の 一つの基準のように、我々からみれば誤解でありますけれども…」

国民の疑問への応えは説明ではなく、「誤解」でした。
  
ジョルダーノ氏はこう書いています。

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「現代においては、三者が互いを愛する術を失い、関係が機能不全におちいっているようなのだ」

さまざまな社会の現実を浮き彫りにした新型コロナ。新型コロナという、歴史的なパンデミックを経験した世界。その経験はどんな未来へと、繋がっていくのでしょう。

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中村桂子さん
「コロナで、ものすごい社会が脆弱だということが見えてきた。経済的な格差社会。1か月働けなかったらもう暮らしていけなくなる、という人がたくさんいるという状況を作ってしまった。お金を動かし、格差を作り、という社会を作ってきたけど、これは違うと。経済ありき、そのために科学技術開発。命はちょっとないがしろに。そうじゃなくて、まず命に向き合いましょう。コロナはそう言ってるから」

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*ジョルダーノ氏「コロナの時代の僕ら」
「本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか。僕らは、今からもう、よく考えておくべきだ。いったい何に元どおりになってほしくないのかを」


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