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2021年2月21日 「風をよむ ~女性新会長 選任」

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橋本聖子・組織委員会新会長「私が会長を引き受けさせて頂くという背景には、“男女平等”ということの問題があったという風に思っております…」

日本中がその行方を注目した、東京オリンピック・パラリンピック大会の組織委員会会長の後任人事。紆余曲折を経て、ようやく木曜、橋本聖子・前オリンピック担当大臣に決まりました。

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事の発端となったのは、今月3日の森前会長が発した女性蔑視発言。翌日には撤回し、謝罪したものの、内外からは厳しい批判の声が上がりました。

(男性)「普通言わない。そんなことを公の場で言うってあまりない。本心がポッと出てしまった」
(女性)「男女平等の思想というか、考え方が、欧米諸国よりも遅れているのが、このことでより濃厚になってしまった」

海外からは、日本社会における女性の地位について厳しい指摘も… 

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米・ブルームバーグ「世界の流れといかに適していないかを指し示している」仏・ル・モンド「時代遅れから脱却できない日本の困難を露呈した」

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大きな騒動となった今回の問題。そもそも女性の地位を巡っては、オリンピック憲章の中でも、こう謳われています。「男女平等の原則を実践するため、あらゆるレベルと組織において、スポーツにおける女性の地位向上を促進し支援する」

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しかし、こうした理念を掲げるオリンピックですら、過去を振り返ると“男女平等”の実現には長い時間を要しました。

オリンピックに女性選手が初めて参加したのは、1900年の第2回パリ大会。しかし、この時は、テニスとゴルフの2競技のみで、参加者は22人と、全体のわずか2.2%に過ぎませんでした。
  
女性の参加可能な競技が、夏の大会でやっと半分を超えたのは1976年のモントリオール大会。そして2012年ロンドン大会で、ボクシングに女子種目が
加わったことで、ようやく全競技で女性の参加が可能となります。第1回のアテネ大会(1896年)から1世紀以上の歳月をかけて、ようやくオリンピックは「男女平等」を実現させたのです。

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今回の橋本会長の就任についてIOC=国際オリンピック委員会は、声明で「完璧な選択だ」と歓迎し、さらに「男女平等に対し、重要なシグナルを送った」としています。

その一方で、テニスの大坂なおみ選手は…

大坂なおみ選手(18日)「女性にとってのバリア(障壁)が壊されるのはとてもいいことです。私たちは平等になるために戦ってきましたが、いまだ多くのことは平等ではありません…」

実際、「男女平等」の実現は、いまだ途上です。

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数年前、世界中で広がりを見せた、セクハラ被害を訴える「Me Too運動」。虐げられた女性たちが次々と立ち上がりました。しかし、日本の現状を見てみると…

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(女性)「世界に比べたら、日本は全然劣っていると思いますね。男尊女卑じゃないけれど、女性は三歩後ろに下がってじゃないですけど、(女性「女性の上司というのがなかなかいなくて…そういったところもだまだ時代遅れだなと思う」

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世界経済フォーラムが発表した男女格差を測るジェンダーギャップ指数を見ると、2020年の日本は世界153カ国中121位。また2019年時点で、企業や公務員の女性管理職の割合は、わずか14.8%と、欧米諸国と比べても大きく見劣りしています。

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今回騒動となったJOC=日本(にほん)オリンピック委員会も、女性理事は全体の2割ほど。そこでJOCは、女性理事を4割以上に増やす目標を掲げたのですが、森前会長の問題発言はこれを受けてのものでした。

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しかし、こうした日本社会にも、女性の地位について、「夫婦別姓」の問題、「育児休暇」「昇進」など働き方を巡る問題がクローズアップされるなど、変化の波が押し寄せています。

今回改めて問われることとなった、日本社会の「男女不平等」な現実。今後それは変わるのでしょうか…。

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(男性)口では何と言ってても、全体に変わらないと。本当に変わるっていうのはなかなか難しいんじゃないの…」(女性)「発言を機に女性を起用というのであれば、ちょっとそこは一時的な対処の仕方かなと」(男性)「日本社会全体の問題なんで、政府含めて、行政も、自分自身も含めてですけれども、意識改革していかなきゃいけない」

  


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