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「新しい生活様式」の中での熱中症対策~夏用マスク、経口補水液、日傘など対策を医師に聞きました

9日、東京でも真夏日となるなど、暑い日が続いています。

そんな中、厚労省と環境省は3密(密閉・密集・密接)を避けることやマスクの着用など「新しい生活様式」が求められる中での熱中症予防対策を公表しました。

1.暑さを避けましょう

暑さを避ける

・エアコンを利用するなど、部屋の温度を調整する。
・感染予防のため、換気扇や窓を開けることなどで換気をしつつ、エアコンの温度設定をこまめに調整する。
・暑い日や暑い時間帯は無理をしない。
・涼しい服装にする。
・急に暑くなった日や、久しぶりに暑い環境で身体を動かす時には特に注意が必要。

2.適宜マスクをはずしましょう

マスクをはずす

・気温や湿度の高い中でのマスク着用には十分に注意する。
・屋外で、2メートル以上の十分な距離を確保できる場合にはマスクをはずす。
・マスクを着用している時は、負荷のかかる作業や運動を避け、周囲の人と十分な距離をとった上で、適宜マスクをはずして休憩をする。のどが渇いていなくても水分をとる。

3.こまめに水分補給しましょう

水分補給

・のどが渇く前に水分補給をする。
(食事以外に1日あたり1.2リットルの摂取が目安。)
・たくさん汗をかいたときには塩分補給も忘れずにしましょう。

4.日頃から健康管理をしましょう

体温健康管理

・日頃から体温測定や健康チェックをする。
・体調が悪いと感じたときは、無理せず自宅で静養する。

5.暑さに備えた体作りをしましょう

体力づくり

・暑くなりはじめの時期から適度に運動をする。
・「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる程度で、毎日30分くらいを心がけ、身体が暑さになれるようにする。
・水分補給を忘れず、無理のない範囲で行う。

高齢者・子ども・障害者の方は特に注意

年寄り障害者こども

高齢者や子供、障害者の方々は熱中症になりやすいため、特に注意が必要です。周囲の人たちは3密を避けつつも、こういった方々への目配りや声かけをするようにしましょう。

細かな注意点を医師に聞きました!

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教えて!「隠れ脱水」委員会 服部益治 委員長

Q.熱中症とはどういった病気ですか。

気温や湿度が高い、風がないなど、環境温度が高いことで、体温が上がります。熱中症は熱があがっている状態の病気です。高くなった体温を下げるために汗をかくことで脱水症になります。


Q.どういう症状がでますか。

1、2、3と症状が重症化します。

1:ちょっと暑いところで体温があがりはじめ、頭が痛い、めまいがする、筋肉がつるなど

2:頭痛がさらにひどくなる、吐く、ものすごい倦怠感、色々なことが自分で判断できなくなる、脳が不安定になる状態

3:完全に意識がなくなり、呼びかけに反応しなくなる

症状が2以上になった場合には、すぐに救急車を呼んでいただきたい。


Q.どういった条件で熱中症になりますか。

・気温が28度以上
・湿度が70%以上

このどちらかでも条件を満たしていると熱中症になる環境だといえます。


Q熱中症にかかってしまった場合どうしたら良いですか。

身体がしんどくなると、身体を冷やさないといけません。太い血管の通っている首、脇、足の付け根を冷やすと身体に回っている血液の温度を下げて、冷たい血液を流します。

手のひらには毛細血管があるので、例えば冷やしたペットボトルを触ることでも体温を下げることができます。

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Q.マスクをすることについて。

真夏にマスクをするって今まで誰も経験のないことです。
息をするとき、暑い息を出して、新鮮な空気を吸って身体を冷やすことができるんですが、マスクをするとそれをさまたげる

マスクすると喉の渇きが感じにくいので、熱中症や脱水症に気づきにくい。気づかないうちに脱水症が進んでいるということになります。

さらに熱中症対策はこまめな水分補給が大事だが、水分補給のためにマスクをとってしまうと、どこでマスクをはずしているんだって目を向けられる。飲みたいけどマスクをはずせない。

マスクはこの3つの危険性をはらんでいるということです。


Q.対策としてどんなことができますか。水分補給の目安はありますか。

家の中だったら、エアコンなどで環境温度を下げる。外では人の距離をとって、マスクをはずして冷たいものを飲む。

熱中症予防ではこまめに水分をとりましょうと言われていまして、少なくとも1時間に100cc、コップで半分くらい飲むことを習慣付けましょう。外に出てものすごく汗をかいた場合には、これにプラスして水分を補給してください。

Q.経口補水液はどうですか。

経口補水液は飲む点滴とも言われ、水分と適度な塩分が身体に吸収しやすいようにできています。

普通のときに飲むとしょっぱさを感じると思います。熱中症、脱水症になりかけているときはおいしく感じるはずです。これからの季節、経口補水液は冷やして持ち歩いていただければと思います。


Q.マスクにどういった工夫ができますか。

色々な業者が「夏用のマスク」を発売しています。あてるだけで冷たく感じるような素材を使ったり、ぬらしてもマスクとして使いやすい物など、色々なマスクが今発売されています。

通気性が良いマスクであれば、熱い息を外に出しやすくなるので、そういった夏用マスクも身体に優しいです。


Q.日傘は有効ですか。

私は昔から日傘を持っています。日傘は絶対いいですね。直射日光をブロックできるので、日傘をすると全然楽です。今年は熱中症対策にハードルになるマスクをしていますから、リスクがあがっています。対策として日傘は不可欠かなと。年齢、性別問わずみなさん日傘されるほうが良いかと思います。


Q.服装について、工夫できることはありますか。

腕まくりができる長袖で、ゆったり目のものが良いです。長袖であればクーラーがきいている部屋での寒さ対策もできます。汗をたくさん吸う素材だと通気性が悪くなってしまうので、ポリエステルや麻のものが熱中症対策になると思います。

ノースリーブは、直射日光をあびてしまうのであまりおすすめできません。


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夏にマスクという、今まで経験したことのないことをむかえています。地球温暖化で熱中症は年々増えているんですが、今年は過去にないくらい熱中症に危険が高まっているということを肝に銘じていただいて、自分の環境は大丈夫か、室内でも屋外でも意識しながら生活すると熱中症にならずに秋を迎えられるかなと思います。熱中症はゼロにできる病気です。(教えて!「隠れ脱水」委員会 服部益治 委員長)

教えて!「隠れ脱水」委員会 ホームページは こちら です


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