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4年ぶりに民主党が政権を奪還したアメリカ。“多様性”を前面に打ち出すバイデン大統領と女性初・ハリス副大統領のコンビは、共和党・トランプ政権で対立と分断がかつてないほど深まった大国… もっと読む
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#民主党

〝二者択一と脅迫〟~巻き返し狙うトランプ氏の戦略とは?

■何が争点なのか? 2つのデモから見えるもの 「Four more years! Four more years! =あと4年!あと4年!」 ニューヨーク州でも期日前投票が始まった週末、マンハッタンの目抜き通り、五番街にあるトランプタワー前で支持者が〝カー・パレード〟を行った。「トランプ2020」と記された旗をなびかせた数十台の車列。窓を開けて、大声で叫ぶ人々。歩道にも多くの支持者が集まり、歓声を上げた。ちなみに、ほとんどの人はマスクをしていない。 タワー前の路上には、「

〝史上最悪〟のTV討論会~本当の問題点とは?

■「史上最悪」「混沌」・・・トランプVSバイデン 第1回TV討論会1960年9月26日。シカゴのテレビスタジオで、米大統領選史上、初のテレビ討論が行われた。候補者は、共和党のリチャード・ニクソン副大統領と民主党のジョン・F・ケネディ上院議員だった。 当時のスタジオは、司会者と候補者のみのシンプルな演出だった。よく知られている通り、この討論会は、〝最初のテレビ大統領〟と呼ばれるケネディ大統領を生むこととなった。ケネディ氏は、議論では負けたと見られたが、視聴者から「好感度」を得

〝ネガティブ・キャンペーン〟激化 ~逆転を狙うトランプ大統領

〝静寂の行進〟が問いかけること 日が暮れて、イースト・リバーの対岸で、マンハッタンの高層ビルのネオンが輝きだす頃だった。夕闇のなか、ブルックリン・ブリッジを数百人が歩く。新型コロナウイルスの死者を悼むデモ。人種差別問題などの抗議デモでは、憤りが込められた大きな掛け声があがる行進がいまも繰り返されているが、その日は、静寂の行進だった。 「17万5千人の死者」(※当時の数字。現在20万人を超えた) 「この死は、防ぐことができた」 手には小さなキャンドル。声を全く上げず、ボー

2つの党大会で問われたもの ~ウソと誇張とレッテル貼り~

異例ずくめだった2つの党大会 大統領選の今後を予見するような言葉だった。ミシェル・オバマ氏のスピーチである。 「この4年間、多くの人に聞かれました。『相手のレベルが、とても低俗なとき、まだ”高潔”に向き合うのが本当に有効か?』と。私の答えはこうです、高潔に向き合うことが、有効な唯一の方法です。なぜなら、もし私たちも低俗になり、相手を貶め、非人間的に扱う同じ戦略を取れば、私たちも他の全てのものを消し去る、醜い騒音の一部になってしまうから」 (ミシェル・オバマ氏) 異例ずく

「打倒、トランプ大統領」のカギに?〜民主党副大統領候補選び大詰め〜

 アメリカ大統領選挙まで3か月を切りました。今月下旬には、民主党、共和党がそれぞれ党大会を開催し、民主党はバイデン前副大統領、共和党はトランプ大統領を、正式に「大統領候補」として指名します。 その党大会では「副大統領候補」も指名されるのですが、民主党バイデン氏を支える副大統領候補選びが大詰めを迎えています。各種世論調査ではバイデン氏がトランプ氏をリードする展開が続き、「バイデン大統領」の誕生も十分にあり得る状況だけに、最終的に誰を副大統領候補に選ぶのか、大きく注目されていま

“あの夜”まで順調だったブルームバーグ氏

撤退宣言も、大富豪らしい演出だった。マンハッタン市内の高級ホテルのボールルームに、1000人以上の選挙スタッフや支持者が集まった。テレビカメラも数十台。大音量の音楽が流れるなか、マイケル・ブルームバーグ氏が登壇した。 「3か月前、私は、ドナルド・トランプを倒すために選挙戦に参加しました。きょう、同じ理由、つまりトランプを倒すために、選挙戦を終えます。このままでは、その目標を達成することが、より困難になってしまうのが明らかだからです」 "あの夜”までは、全てが順調に見えた。

スーパー・チューズデー前に中道派が大結集 福音派のトランプ離れも・・・(3月3日Nスタ)

全米14の州などで一斉に民主党の予備選挙が行われたスーパー・チューズデー。直前の世論調査の平均で支持率トップを走っていたのは急進左派・サンダース氏です。しかし、展開を大きく変える動きが・・・ スーパー・チューズデー直前に、序盤戦で躍進をみせたブティジェッジ氏をはじめ複数の中道派候補が、レースからの撤退と同時にバイデン氏への支持を表明したのです。これまでに予備選や党員集会が行われた4州での獲得代議員数の合計では、バイデン氏がトップに躍り出ました。 そんなバイデン氏は3月

ウォール街が最も嫌った女性~ウォーレン氏失速

一時は、「ウォーレン大統領」が現実味を持って語られていた。 だが、アイオワ州の党員集会では暫定3位、ニューハンプシャー州では4位に沈み、「代議員(デレゲーツ)」を一人も獲得できないという惨敗だった。ウォーレン上院議員は、全米の世論調査でも、サンダース氏、バイデン氏、ブルームバーグ氏に続く4位と低迷している。彼女の失速から読み取れるのは、民主党が抱える党内対立の深刻さ。それは、“ポピュリズム”の荒波に飲まれる米国の危機にも見える。 あの夜が、「女性初の大統領」に最も近づいた日

米大統領選)民主党 主な候補者のプロフィールを紹介します

11月3日に行われるアメリカ大統領選挙。2大政党の共和党と民主党の候補が激突する構図です。この候補を選ぶべく、2月3日の中西部アイオワ州を皮切りに、両党は全米各地で党員集会・予備選挙を繰り広げます。 共和党は現職ドナルド・トランプ大統領の指名が確実ななか、世界が注目するのは民主党の候補者レースです。最大時には連邦議会の議員を中心に20人以上が乱立するなど混乱の様相を呈した去年前半。そして支持拡大にむけて各氏が政治集会や遊説活動、討論会などを重ねた去年の後半を経て、訴えが響か