マガジンのカバー画像

現場から、 ~TBS NEWS~

767
TBSテレビ報道局が運営するnoteです。記者個人noteやNEWS23スタッフnoteなどをまとめています。公式WEBサイトはこちら→http://news.tbs.co.jp
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

原発「処理水」海へ放出か ”福島産”の安全性は? 漁業者の苦悩

福島第一原発の 敷地に並ぶ無数のタンク、 その数、1000基に上ります。 今、タンクに溜まり続ける 放射性物質を含んだ水を 海に流す案が現実味を帯びています。 ただでさえ 大きな被害を受けた福島の漁師は どう考えているのか。 そして、今、福島の魚には 実際どれぐらいの放射性物質が 残っているのか、 漁業の現場を取材しました。 ***2020年3月11日(水)放送*** 市場に運び込まれるヒラメ、ホウボウ。 すべて福島の海で採れた魚です。 原発事故前に戻りつつあるセリの風

東日本大震災から9年 ”あの日”を伝え続ける”語り部”の思い

東日本大震災の発生から きょう3月11日で9年。 被災地は鎮魂の祈りに包まれました。 多くの人が犠牲となった あの日の記憶を風化させないよう 自らの体験を伝え続ける女性を取材しました。 (2020年3月11日放送) 残された遺族は、 最愛の人に思いをよせました。 東日本大震災の発生から9年 「3・2・1 届け…」 各地でささげられた犠牲者への祈り…。 しかし、その景色は、 例年と少し違っていました。 岩手県釜石市のこの式典会場では 消毒液の設置や訪れた人の体温を測定

3月29日「風をよむ ~スタグフレーション~」

人通りの絶えた町並み…。 全米の感染者の4割以上を占めるニューヨーク州では、事実上の外出制限令が出され、住民のほとんどが自宅で過ごすことを余儀なくされています。 トランプ大統領「経済がひどい状態だと、それで自殺者も出てくるだろう。その死者数はおそらく…いや確実に、このウイルスによる死者数よりもずっと多くなるだろう。我々には責任がある。二重の責務がある」 新型コロナウイルスの感染者が急増するアメリカ。 全米50州のうち、およそ3分の1の州で外出制限令が出され、その結果、

危険なサイン…「孤発例」とは? 専門家会議メンバーに聞く

東京など大都市を中心に確認されている、感染源のたどれない症例「孤発例」。新型コロナウイルス感染症対策の専門家会議メンバー・舘田一博 東邦大学教授は、「非常に危険なサイン」として注意が必要だといいます。 22日に都内で行った、舘田氏へのインタビュー内容をQ&Aで紹介します。 Q:いわゆるクラスター(集団感染)ではなくて、なんだか分からなくてポッと出てくる、感染源がたどれない例が大都市で出てきていますが、これについてはどうお考えでしょうか? A:これは非常に危険なサインです

首相とメディア 被災地・福島の地元記者はー

今月14日、安倍首相は新型コロナウイルスに関連した「緊急事態宣言」を可能にする改正特措法について記者会見に臨んだ。2月29日の会見では、一方的に会見を打ち切ったことなどが批判を浴びたため、14日の会見では、フリーランスの記者の質問にも答えるなど異例の対応をみせた。この間、首相のメディア対応について考えさせられる出来事が、福島でも起きていた。 安倍首相が福島訪問3月7日、東日本大震災から丸9年を迎えるのを前に、安倍首相は被災地・福島を訪れた。 【当日のスケジュール】 ・14

2020年3月22日「風をよむ~遺言~」

「最後は下部がしっぽを切られる。 なんて世の中だ  手がふるえる  恐い  命  大切な命」 2年前自殺した、近畿財務局の職員、赤木俊夫さんが遺した手書きの“遺書”。 「これまで本当にありがとう。ゴメンなさい 恐いよ 心身ともに滅いりました」 妻への感謝の言葉と共に書かれた、別れの言葉・・・赤木さんは、公務員の仕事に誇りを持ち、周囲に「僕の契約相手は国民です」と話していたといいます。 森友学園への国有地売却を巡る「公文書改ざん問題」に関わった赤木さんは、2018

2020年3月15日「風をよむ~インフォデミック~」

WHO(世界保健機関)シルヴィー・ブリアン氏「情報が感染症のように拡散する状況です。この状況を我々は“インフォデミック”と呼んでいます」 インフォデミックとは、インフォメーションとエピデミック(流行)を組み合わせた言葉で、根拠のない情報が大量に拡散する状況を指します。 例えば・・・ オーストラリア・シドニーのスーパーにいる女性たち「離してよ!」「触らないで!」 オーストラリア・シドニーのスーパーで7日、突然始まったケンカ。黒人女性が、二人の女性に殴られています。

性的同意ってなんですか?大学生に聞く

スウェーデンをはじめ、世界で進みつつある性的同意。上智大学で性的同意の重要性を広める活動をしている学生団体「Speak Up Sophia」代表の横井桃子さん(22)に、性的同意ってなんなのか、広めたいと思ったきっかけ、そして性教育などについて聞きました。VTRにまとめられなかった分も含む、インタビュー全文をお届けします。 Q. Speak Up Sophiaの活動の内容を教えてください2018年9月から活動しているんですが、始めは性的同意ハンドブックを配るっていうところか

“森友自殺”遺族側会見。佐川元理財局長と国を提訴。亡くなった赤木俊夫さん(当時54)が残した手記。

「すべて佐川理財局長の指示です」 「森友学園」を巡る財務省の公文書改ざん問題で自殺した近畿財務局の男性職員が書き残していました。きょう、この男性の妻が真相を知りたいと財務省と当時の佐川理財局長を提訴。会見の概要をまとめました。 出席者 遺族側代理人 松丸正弁護士(左)、 生越照幸弁護士(右) 「佐川さん、どうか本当のことを話してください」 生越照幸弁護士: まず原告のメッセージを読み上げさせていただきたいと思います。 夫が亡くなって2年経ちました。あのときどうやったら

新型コロナウイルス 感染症対策専門家会議メンバー 吉田医師に聞く

世界中で流行が拡大する新型コロナウイルス。一斉休校やテレワークなど、日本でも自粛ムードが続きますが、先の見えない状況に「コロナ疲れ」の声も…。 いったいいつまで続くのか。今後の見通しや日々の生活で注意することなど、政府の感染症対策専門家会議のメンバーで日本環境感染学会理事長の吉田正樹医師(東京慈恵会医科大学教授)に聞きました。 感染拡大はいつまで続くのかQ:今後の流行の見通しは? A:インフルエンザの場合はたいてい国内でも感染が出てきてから2か月くらいでピークになってそれか

クルーズ船乗船の高山医師が新型コロナウイルスの特徴を報告。“外出自粛要請”は「効果を発揮する可能性がある」

横浜港に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に厚生労働省参与として乗船し、対応にあたった高山義浩医師が3月6日、衆院議員会館で勉強会を開き、新型コロナウイルスについて現状の対策やインフルエンザと比べた場合の特徴などを報告しました。 (出席者:高山義浩医師、国光あやの衆院議員) 【以下:高山医師と記者とのやりとり】 Q.勉強会でどのような話をしたのか。高山医師: 新型コロナウイルスについて分かっているエビデンスなどを紹介して、今後の見通しや対応、注意点などをご提案

イラン議会選挙で見えた“異変” 止まらない新型コロナウイルスの感染拡大

イランで、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。3月9日の時点で、感染者数は7161人、死者は237人で、日々増え続けている。混乱の始まりともいえる最初の感染者が報告されたのは、2月19日。まさにその時、私はイランの首都テヘランで、国会議員選挙の取材の真っただ中だった―――。 さて、イランをめぐるニュース、ここ最近で思い浮かべるものと言えば・・・ ▼ ホルムズ海峡での、日本のタンカー爆破事件 ▼ イラン核合意をめぐる問題 ▼ アメリカによるイラン革命防衛隊司令官の殺害

新型コロナウイルス~専門家会議3月9日公表の見解 数か月以上の対応が必要か~

3月9日、新型コロナウイルス対策を検討する専門家会議は「1~2週間が瀬戸際」とした会議から2週間を迎え、新たな見解を公表しました。 現在の状況について 現時点まで、クラスター(集団感染)の発生を比較的早期に発見できている事例も出てきています。急激なペースで感染者数が増加している諸外国と比べて、感染者数の増加のスピードを抑えることにつながっていると判断しています。 2月24日に公表した専門家会議の見解で「今後1~2週間が瀬戸際」としていましたが、3月9日時点での日本の状況

雨宮塔子のパリ通信#5 フランスでもマスクや消毒ジェルが売り切れに。新型コロナウイルスとパリジャン

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、あのルーブル美術館が休館になった。年金制度改革案に反対する交通ゼネストがフランス史上最長になったついこの間までも、年間1000万人近くが訪れるこの美術館は動じることなく開館し続けていたというのに。 従業員たちが労働法にある「危険作業放棄権」に当たると、開館の是非を議論した結果だそうだが、フランスも遂にここまできたかと正直うすら寒い気持ちになった。 フランス人は本来、ウイルス対策にはユルいところがある。マスクは病人がするもの、という感覚な