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流産ともいえない流産になった時の話③

これは誰に伝えるでもない、ただの覚え書きだ。
私が勝手に喜んで、勝手に落ち込んだ2週間を忘れたくないがために書く文章だ。
人によってはこれを読むことで落ち込んだり気分が悪くなったりするかもしれないので、気をつけてほしい。自己防衛は大事。

妊活生活

私たち夫婦の妊活は、排卵検査薬を使ってのタイミング法だった。検査薬で陽性が出た日にタイミングを取って、できればその次の日もというのが理想。
(実際には陽性が出た日にしかタイミングを取らないことがほとんどだった)
これは、妊活を始めてすぐ産婦人科で子どもが欲しいと相談したら「はっきりとした陽性が出るならそれがいいと思う」とお墨付きをもらっていた方法だ。

妊活中、私たちは検査や不妊治療の話をよくした。
妊活はいつまでするのか。期限までに授からなかったら検査だけするのか、それとも体外受精まで考えるのか。家のローンや保険の支払いがある中、どこまでならお金をかけられるのか。どれだけ子どもが欲しいのか。

最終的には、お金の問題があるから、体外受精はしないでおこうというところで落ち着いた。

そういえば、結婚当初なんかは、20代で子どもが欲しいと思ったら、妊活なんてしなくてもそれなりに早い段階で子どもができるのではないかと思っていた。
もちろん不妊のことは知っていたし、授かりものは欲しいからといって授かるものではないと分かってはいたのだけれど。

だって、結婚するとすぐ周りの人は「子どもはまだ?」なんて無責任に軽々しく聞いてくる。
そんな言葉を投げかけられる度「今はまだ仕事を頑張りたいので」なんて答えていたけど、新婚当初でさえ、それらはあんまり気持ちのいい質問ではなかった。これで私が不妊治療中だったらどうするんだろうとか思っていた。
聞いてきた人はたぶん挨拶程度の気持ちだったんだろうけど。

「子どもはまだ?」って本当に残酷な質問なんだと実感したのは、妊活を始めてからだった。

これはもう各方面から怒られても仕方ないけど、私も夫も妊活生活に疲れ始めていた。たった5周期で、だ。

夫は同級生で、妊活を始めた時点で出会ってから10年以上が経っている。私たちは恋人や夫婦というよりも家族だった。
夫にとっては義務的な夫婦生活。私にとってはいつまで経っても痛みに慣れない夫婦生活。それは私たちの心を折るには十分すぎるほどの威力を持っていた。

そんな軽い気持ちで本当に子どもが欲しいのかと言われれば、それでもやっぱり欲しい。そこは譲れない。
とはいえ、タイミングを取った後はいつも「誰か」に対して謝っていた。ごめんなさい。

とにかく、妊娠検査薬で陽性が出たのは「子どもはまだ?」という質問に「できるものなら今すぐ欲しいわ」と思い始めていた頃で、今回もだめだったら検査をしに行くか人工授精を考えようかと話し始めている頃だった。

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