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舞台挨拶『通信簿の少女を探して〜小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今〜』加藤登紀子が匂坂監督ねぎらい「6年という時間をかけて素晴らしいドキュメンタリーになって良かった」

いよいよ、本日3月17日に開催を迎えた「TBSドキュメンタリー映画祭2023」。オープニング作品として、令和4年度文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞受賞作品『通信簿の少女を探して〜小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今〜』が上映。昭和23年の“通信簿の少女”を探す中で、日本が歩んだ戦後77年の断片を体験していく本作。上映後には、匂坂緑里監督と「引き揚」体験者として劇中でインタビューを受けた歌手の加藤登紀子が舞台挨拶を行った。

企画スタートから約6年。念願の公開を迎えて匂坂監督は「制作中は孤独な旅でしたが、完成して6年経ってみたら、こんなにも旅の仲間が増えているということに感動しました」と詰めかけた観客の拍手に感動。客席にはなんと“通信簿の少女”もおり、「本作が完成して若い方が観てくださっていることに喜びを感じています」とサプライズで挨拶し、観客を沸かせていた。
 
本作について加藤は「本編の最後に“通信簿の少女”が登場した途端、私は鳥肌が立ちました。凄い経験を力に変えて生き抜いた方とお会いできた感動があります」と感激し「6年という時間をかけて素晴らしいドキュメンタリーになって良かった」と匂坂監督をねぎらっていた。
 
戦争を知らない世代にこそ見てほしいと願う加藤は「本当の歴史はディティールの中にこそあるもので、“通信簿の少女”を尋ねることで歴史には描かれていない事実が浮かび上がってくる。ウクライナの戦争が長引き、第3次世界大戦に踏み込むしかないという議論がなされる今だからこそ、『通信簿の少女を探して〜小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今〜』が上映されるのは大変貴重なことです」と訴えていた。
 
匂坂監督は「周囲の人に“通信簿の少女”を探そうと思うと話すと、話を聞いてくれた方々が伴走してくれた。皆さんが“通信簿の少女”を探すことにモチベーションを感じてくれたことが、諦めない執念の原動力になりました。これは私だけの好奇心ではないと思えた」と回想。  舞台挨拶最後にはその“通信簿の少女”に通信簿を返却するセレモニーが行われ「私に色々な世界を見せてくれた通信簿でした。ありがとうございました」と感無量の匂坂監督だった。

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