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【TBS レトロスぺクティブ映画祭 2024 「寺山修司特集」】6/15 (土)舞台挨拶レポート@シネマスコーレ

2024年4月26日からスタートしたTBS収蔵の貴重なドキュメンタリーフィルムをデジタル修復して劇場公開する「TBSレトロスペクティブ映画祭」。その第一回目は昭和の鬼才・寺山修司の特集。
このたび、6月15日(土)より、名古屋シネマスコーレにて上映がスタートしました!名古屋の上映一本目は、この映画祭のセレクションを担当したTBSの社員であり映画監督としても活躍する佐井大紀による初監督作品『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』。上映後には佐井監督が登壇し、舞台挨拶を行いました。

<『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』の上映と舞台挨拶>

気温はが30度に迫ろうかという暑さの中、朝10時からの回に足を運んで頂いた観客の皆さんに感謝を佐井監督から伝え、舞台挨拶がスタートしました。司会は上映館シネマスコーレを舞台にした映画『青春ジャック 止められるか。俺たちを2』などでも知られるシネマスコーレ代表木全純治さん。
まずは木全さんから「寺山修司の日の丸を取り上げようと思ってきっかけは?」という質問が投げかけられると、佐井監督は「日の丸のインタビュー手法がフランスの人類学者のジャン・ルーシュによるシネマ・ヴェリテに影響を受けている。ドキュメンタリーという名を借りてヌーヴェルヴァーグ的な映像表現が出来ればというところから日の丸をやりたいと思ったのがきっかけ」と答えました。

次に膨大な数の中でどのようにこれらの作品を探していったのか?という問いには「日の丸という作品の存在は是枝裕和監督の書籍などで知っていたがTBSの社内にいるからこそ見られる作品。倉庫には過去作品のフィルムが17000本ほどあって、データとしては残っているが本当にそのフィルムがあるのか?見られる状況にあるのか?は観てみないとわからない。過去に日の丸は作品自体が郵政省から事情聴取を受けたという問題もあったので改めてほじくり返していいのか?ということを社内の先輩方に相談しながら慎重に作業を進めてきた」と回答しました。
木全さんは60年前の作品でありながら綺麗に保全されていたフイルムの状態にも驚いていました。

その後「日の丸」のディレクターであるテレビマンユニオン創設者萩元晴彦さんのテレビ論の話などで盛り上がりましたが、木全さんは1983年に亡くなった寺山修司さんと1994年生まれの佐井監督の接点が気になったそう。これについて佐井監督は「高校時代の先輩に『田園に死す』を教えられて寺山さんを知った。同時代を過ごしたわけではないけど、10代の時に触れてはいけない、触れてしまうと人生が変わってしまうような存在として今でも脈々と生きているのでは?」と語りました。
次回作について振られると元TBS社員で『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』の演出で知られる実相寺昭雄さんの作品を来年のレトロスペクティブ映画祭で上映できるように進めており、また7月6日から東京・のポレポレ東中野で今年の『TBSドキュメンタリー映画祭』で公開され話題になった『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』が公開されるがいずれ名古屋でも上映したいと語りました。最後に、木全さんから期待していますとの言葉を頂いて、舞台挨拶は終了しました。

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