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青い東北新幹線!

2021 SUPER GT 第5戦 スポーツランドSUGO 日産振り返り

昨シーズンから蚊帳の外が続いている日産陣営。
前戦、鈴鹿でポディウムを独占し、久方ぶりにファンを喜ばせたが、シーズンランキングで考えると、REALIZE、CALSONICは複数回の優勝が必要。MOTUL NISMOはエンジン無交換が必須条件。ランキング最上位のクラフトスポーツも苦手の富士スピードウェイとツインリンクもてぎが残っている事を考えると、今季開幕よりも前進したものの、ホンダ、トヨタの背中は見えているが届かない位置にありそうだ。

予選

SUPER GTでは最強のブリヂストンタイヤを日産陣営で唯一履いているCALSONICが3rd。昨季から安定した戦いぶりを見せているクラフトスポーツが5th。エース車両のMOTUL NISMOはここでエンジンの不調が発覚。今季3基目の投入を決断し決勝レースでピットストップペナルティが確定。ウエイトを積んだREALIZEも定位置に戻り、4台で明暗を分ける予選となった。

土曜日の特筆事項としては、CALSONICが練習走行と予選でセッティングを変えたのかSPコーナーでの鋭さが全く違っていた。


決勝
MOTUL NISMOのロニー・クインタレッリが好スタートを決めて11番手まで浮上。ただし3基目のエンジンを投入したため、ピットストップペナルティを消化、6周目に最下位まで後退する。

3rdスタートのCALSONICはポールスタートのARTA・野尻に独走を許す。こうなると2番手争いが熾烈になる。CALSONICとクラフトスポーツ、ホンダのRedBull無限、Astemoの4台でのワンパックのバトルだ。

ペースが良かったのは松下信治のCALSONIC。タイヤのタレたRedBull無限をオーバーテイクすると、燃料リストリクター組のAstemoとクラフトスポーツを引き離して前のARTAとの差を詰めてゆく。ARTAの野尻がクルージングしていた可能性は否定できないが、CALSONICのセッティングとタイヤ選択は時間が経過する程ペースが良化した。

CALSONICの好調は後半スティント、平峰一貴にドライバーチェンジしても変わらない。トップ走行中のARTAが度重なるペナルティで最後方まで後退すると淡々とラップを重ねてそのままチェッカー。

同じく好調だったクラフトスポーツも5番手から上位を狙いたいところだったが、37周目に突如ペースダウンするとそのままガレージにしまわれた。原因はエンジンのマイナートラブルと発表されたが、日産GT-Rでは唯一シリーズチャンピオンの可能性を残していたチームだったので、センサーエラー程度に収まれば良いがエンジン交換となると3戦を残して日産勢がタイトル争いから姿を消す事になる。

同じNISMOでも対照的に後半スティントに流れを掴んだのがMOTUL NISMO。ペナルティ消化で離された最下位だったがセーフティーカーで集団に追いつくと、他車にトラブルが続発する中、無風で走り続け、気がつけばREALIZEのすぐ後ろ7位でフィニッシュ。望外の好結果と言えるだろう。

あと読み
古豪・CALSONICの復活は日産ファンの待望だったはずだ。レース後の星野一義監督の涙や松下、平峰の笑顔を見ればファンで無くとも「おめでとう」と声をかけたくなる。練習走行ではコーナーでの挙動が悪く、ARTA、Modulo等と比べると明らかにセッティングが決まっていなかった。それでもなんとかレースに合わせられた。近年は修正も上手くいかない事も多く、この一勝を足がかりに、先ずは日産のエースの地位を奪い返したい。

クラフトスポーツはこのレースでのリタイアでシリーズチャンピオンの道こそ絶たれたと思われるが、日産勢の中ではウエイトへの対応も相変わらず抜群で、オートポリスでもスピードを見せられそうだ。

同じく、底力を見せたのがMOTUL NISMO。他車がバタつく中マイペースを貫き、セーフティーカー導入の度に順位を上げた。
ロニー・クインタレッリも松田次生も若くはない。日産の隆盛を知るものとして、若い選手と組ませて経験を伝えてほしいと思うのだが…。

さて、次戦オートポリスで日産勢は肩の荷が降りた戦いができるはずだ。タイトル争いの渦中のホンダ・トヨタの鼻を明かす戦いに期待をしたい。ファンにとってもチームにとってもフラストレーションの溜まるシーズンだったろうが、来季に向けてはじめに準備にはいれるのはアドバンテージだ。

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