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担当者から部門長への適応

この記事はジンジニアアドベントカレンダーの5日目の記事です。
前日はharukiさんの「エンジニア採用のジャーニーマップの各ステップでやってきたこと強化したこと」でした。

この記事では、ウェブエンジニアから人事に転向して丸4年が経過した私が、担当者から部門長になる過程でどのように適応していったかについてまとめます。

前提 - マネージャーの経験

ウェブエンジニア時代には、マネージャーの経験はありませんでした。

担当者から部門長への適応過程

人事の担当者から部門長への適応過程について、2社でのキャリアを通してまとめます。

1社目 - エンジニア採用責任者

2019年7月。人事に転職後の1社目で、エンジニア採用責任者になりました。

エンジニア採用責任者といってもエンジニア採用に関わる人事の関係者が1人だけだったので採用業務の改善に関する方針を決めるのも、手を動かすのも自分だけだったという背景によります。なお、あくまでエンジニア採用における採用プロセスの改善に関する方針の意思決定をVPoEとともに行っていたという意味で、エンジニア採用全体の方針はCTOが決定していました。
実際に行っていたことはアドベントカレンダーの2日目の記事にまとめています。

ウェブエンジニアから人事への適応

人事になる前、ウェブエンジニアとしては業務の一部を割り振られる立場で、自分でなにをするか決定する立場ではありませんでした。
そのため、このときはじめて取り組み対象の選定から担当する経験をすることになりました。

ウェブエンジニア時代は業務上、取り組み対象を決定する経験は無かったのですが、

  • 取り組みの意思決定をしている上司とペアで取り組んだことがあった

  • 業務外でコミュニティの立ち上げや取り組みの意思決定をしたことがあった

という意味ではゼロからのスタートではありませんでした。
その上で実際にエンジニア採用の取り組み対象の意思決定をしていく中でともに方針を検討するVPoEと意見のズレもなく、はじめての意思決定に関わる業務は特に苦戦することはありませんでした。

1社目 - ピープルマネジメント

2021年2月。人事に転職後の1社目で、エンジニア採用担当者の増員をするタイミングで、人事の採用・育成基盤の整備をすることになりました。

実際に行っていたことはアドベントカレンダーの2日目の記事にまとめています。

ウェブエンジニアから人事への適応

採用・育成は、ピープルマネジメントの主要な業務の一部であり、私は当時マネージャー経験はなかったものの、人事として採用業務や育成業務に関わっていたため、何をすればいいか分かっている状態でした。そのため、特に苦戦することはありませんでした。

その他にも、当時の部門長とともに部門全体の方針について検討することも多かったため、本来部門長が担当するような範囲の業務を担当する機会を得ていました。

2社目 - 入社直後

2021年11月。人事になって2社目としてエンジニアの従業員体験の向上を担う、エンジニア組織向け人事の立場で現在の会社に入社しました。

入社直後はいち担当者の立場での入社でしたが、部門長は他の部門との兼務であり、使える時間が限られているため、できるだけチームで自走することが求められる状態でした。
そのためチーム内の仕事の進め方について、以下のようなステップで自走度が高まるようにしていきました。

  1. 部門長とチーム全体で方針決定をする

  2. チームで方針を検討し、部門長レビューの上で最終決定をする

  3. 大枠の意思決定はチームで行い、特に重要な意思決定は部門長のレビューを通す

2社目 - 非公式の方針決定者

2022年7月。2023年1月から正式に部門長に就任する想定で、部門長の業務を段階的に担当するようにしていきました。

例えば経営陣や他部門が関わる意思決定について、以下のようなステップで自走度が高まるようにしていきました。

  1. 部門長が経営陣、他部門と調整をする

  2. 部門長が経営陣、他部門と調整をする場に私も同席する。主導は部門長

  3. 部門長が経営陣、他部門と調整をする場に私も同席する。主導は私

以上のように、段階的に委譲がすすんでいきました。

これ以外にも

  • 部門長が参加する定例への参加

  • 人事評価制度改定の定例のファシリテーター

などを担当するなどしつつ、ハイレイヤーの関係者とやりとりする機会を増やしていきました。

また、部門長の正式就任への準備としてどのような役割・責務が必要になるかについて事前に整理し、部門長と社外の開発部長クラスの経験者に壁打ちをしてもらいました。
ここで、部門長として必要な業務への理解度を高めました。
この時の話について詳しくはこちらにあります。

2社目 - 部門長就任

2023年1月に正式に部門長に就任することになりました。

この時点で部門長として必要な業務の多くはすでに実施済みであり、正式就任後にはじめて担当するのは

  • 勤怠や経費精算の承認

など、事務的な内容くらいでした。唯一あるとしたら、評価者としての業務がありますが、そもそも私は2社で人事評価制度を担当していたため何をすればいいかは把握しています。
ということで、部門長の就任前後で大きな変化はありませんでした。事前に段階的なキャッチアップを進めておいたことや、前職時代から本来部門長が担当するような業務を担当する機会があったため思ったよりも新しい要素がない状態で適応していくことができました。

まとめ

担当者から部門長への適応過程についてまとめました。

前提として、私は人事であり、制度・研修・組織開発などを担当していたこともあって部門長として必要な業務の前提知識が揃っていました。
その上で実際に部門長に就任する前に、部門長相当の仕事の一部を少しずつ担当する機会が多くあったことで、気がついたら経験を積むことができている状態でした。

関連業務を未経験のままいきなり新任になるよりは、事前に少しずつ担当しておくと理想的だと改めて感じました。

あくまで1人の経験の例に過すぎないので、万人に当てはまるとは限りませんが、これから担当者からマネジメント路線に踏み出そうとしている人の参考になれば幸いです。

ジンジニアアドベントカレンダーの6日目はなーねこさんです。お楽しみに。

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