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エンジニア採用担当を目指す方におすすめの判断基準を考えてみた

来年度を目前に各社が人事、採用担当を募集する様子を見かけることが増えてきました。ここで、これからエンジニア採用担当になろうとしている方に向けて、企業選びの際に抑えると良いポイントをまとめようと思いたちました。完全に主観なので異論は認めます。

エンジニア採用の現状

前提としてエンジニア採用の前提理解について説明します。
以下は Doda に掲載されている求人倍率です。

COVID-19の影響で一時期よりは下がったものの、 2020年12月時点の技術系(IT・通信)職種の求人倍率は8.08倍です。例えば同月の営業系職種だと1.69倍です。このように継続して採用競争は厳しく、応募側優位な状況で、その状況はさほど変わらないでしょう。技術職以外の採用と同じ進め方で挑むことは難しいと思います。
こういった前提から、採用に強い企業は転職意志が明確な転職顕在層だけではなく、まだ転職意志が不明確な転職潜在層へのアクションもしています。ちょっと古い記事ですが、LAPRASさんの2018年の記事がわかりやすいです。

こういった前提から未来の候補者さんに自社および開発部門のことを知ってもらい、「いいな」と思ってもらうかということが重要になってきます。この状態を実現するためにいわゆる採用広報が必要になります。開発ブログの発信や、登壇、SNSでの発信などです。この前提がないと応募はこない、スカウトしても反応がない、たまに反応があっても未経験の方のみ、というのが極端なケースでしょう。

企業選びのポイント

採用広報をするためには前提が必要です。知らせるべき魅力が存在することです。魅力 = EVPです。EVPについてはググってみてください。

そのため理想的には開発部門に他社と差別化できる魅力があることと好ましいです。こういった企業に入れた場合は、その魅力を採用広報で発信すれば良いということになります。

では、開発部門に他社と差別化できる魅力がなかった場合はどうするか?おそらく答えは2つになります。
1つ目は開発部門と協力して魅力を作るところから開始することです。とはいえ茨の道で、開発現場がそれを受け入れてくれるスタンスを持っていることや、入社する採用担当自身の能力・意欲が相当必要になります。いわゆる「チェンジ・エージェント」としての能力が必須になります。採用担当だけではなく採用担当+開発組織改善担当ぐらいの役割で入社しないと難しいかもしれません。
2つ目は魅力を盛って伝える方法です。個人的にこの選択肢は絶対に許容できないので選びませんが、大人の事情で選ばざるを得ないケースも存在するかもしれません。この選択肢を選びたくない誠実な気質の方が、選ぶことをすすめられるような環境だとかなりお辛いことになるでしょう。

仮にこれらのどれにも当てはまらない場合にどうなるかというと、ひたすら数に頼って多数の採用チャネルを駆使して大量の応募の中からごくわずかのマッチする候補をなんとか探し出し、苦労して選考に参加してもらっても内定受諾に至るのはごく一部・・・。最悪のケースだと仕方ないので選考基準を下げて妥協。結果として現場は育成に苦戦し、目先の進捗が遅れ気味になり、ようやく戦力化したと思ったら離脱・・・というような悪循環が予想されます。この場合、選考量の関係で常に忙しく、開発の方々の選考負荷も高くなり、開発に集中できる時間が減った上に採用成果が出ない期間が続く、というお辛い状況が予想されます。

まとめ

私からのおすすめは

1. 応募先の開発組織に明らかな魅力があること
2. 現時点での魅力が相対的に不足している場合は、ともに魅力づくりから取り組めること

のどちらかが満たされる職場が良いのではないかと思います。ちなみに、各社一定の魅力があるとは思いますが、あくまでこの高い求人倍率の状況を勝ち抜けるような魅力ということです。
外部発信の内容やカジュアル面談での質問からこのあたりを確認すると良いと思います。理想的には中に知り合いがいて、リアルな情報を聞けるともっとよさそうです。

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