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This is パン

絵に描いた餅、という言葉がある。絵に描いた餅は食べられない。だから、どれだけ精巧に描かれていても、役に立たない。そんな意味で使われる言葉だ。

コンサルティングという仕事をしていると、この言葉を使って揶揄されることがある。割とある。もしくは、稀によくある。

コンサルティングは、基本的に「誰かに何かを言う仕事」であり、「自分で何かをする仕事」ではないので、当然と言えば当然の指摘だと言える。言ってしまえば、コンサルタントは「餅の絵を描くプロ」であり、「餅をつくプロ」ではないのだ。

一方で、絵に描いた餅だけじゃどうしようもない、というのはごもっともである。その通り。絵に描いた餅を渡されても、困る。そうしたニーズに応えるべく編み出されたのが「実行支援型コンサルティング」もしくは「ハンズオン型コンサルティング」だ。これは「一緒に餅をついてくれる」というサービスだ。すばらしい。これなら、餅ができそうだ。

しかしながら、それはそれで、ややこしい問題を抱える。そう、コンサルタントに発注し続けないと、餅が作れなくなってしまうのだ。これは困る。餅つき支援サービスが、もち米、蒸し器、杵と臼をセットで提供してくれるタイプのものだったりすると、本当にガチで困る。

そんなわけで、コンサルタントに仕事を依頼する場合は、やはり、一定の距離を置いておくのが望ましいように思う。

では、どのくらいの距離が適切なのか。

一つの正解は、「餅のつき方を形式知化する」ではないだろうか。

こうして、いかにして餅を作るのか、という方法論が確立される。この方法論のアウトプットは、おそらく「餅」である。おわかりだろうか。これが「字に書いた餅」だ。

コンサルタントとは「字に書いた餅」を提供する商売なんじゃなかろうか。

※タイトルと本文には関係があるようなないような、むしろなさそうな内容だなという印象ですが、新年にはふさわしいような気もしなくはないです。

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