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アジアカップ2023 決勝展望

・敗退した日本代表について


先日、アジアカップのグループステージについての記事を投稿した際、次回は準決勝あたりで投稿すると申し上げていた気がするのですが、申し訳ございません。気づいたら決勝になってしまいました。
忘れていたというよりも、日本が負けたショックで記事を書く気になれなかったというのが実際のところです…
あれだけのタレントを揃えたチームが、決勝にたどり着くどころか準決勝でカタールにリベンジすることもできず、ベスト8で大会から姿を消すというのは本当に残念です。イランは確かに強かったですが、日本はスタメンからして何がしたいのか分からず、色々とチグハグで、特に後半は何もできなかったと言っても過言ではないでしょう。
森保監督には、選手たちの意見を積極的に取り入れる柔軟性という素晴らしい面もあるのですが、試合後の守田選手のコメントをみると、選手に任せすぎな部分もあるのかなと思います。
この敗退の唯一のポジティブな点は、これがワールドカップ本大会や最終予選ではないということです。まだ時間はありますから、何とか改善してほしいなという感じです。

・決勝戦の展望

さて、日本代表のことはこのあたりにして、決勝戦の展望に移りましょう。
決勝戦はカタール対ヨルダンとなりました。正直、カタールはともかくとしてヨルダンが上がってくることは全く予想できませんでした。
とりあえず両国の勝ち上がりを見ていきましょう。

・カタール

グループステージ
第1節 レバノン戦 3-0で勝利
第2節 タジキスタン戦 1ー0で勝利
第3節 中国戦 1-0で勝利

決勝トーナメント
ラウンド16 パレスチナ戦 2-1で勝利
準々決勝 ウズベキスタン戦 1-1(PK戦3-2)で勝利
準決勝 イラン戦 3-2で勝利

組み合わせに恵まれた感もありますが、グループステージを3戦全勝5得点0失点という盤石の内容で突破。開催国、そして前回王者としての勢いや試合巧者ぶりを感じさせるものでした。
しかし一転、決勝トーナメントでは苦戦しました。
ラウンド16、準々決勝はランキング上格下の相手との対戦でしたが、シュート数及び枠内シュート数で上回られるという苦しい内容。特に準々決勝はPK戦までもつれました。
前回王者とはいっても、カタールはランキング自体は61位と決して高くはありません。やはり地力が問われる決勝トーナメントでは苦しいかと思われた矢先の準決勝イラン戦、今度は鮮やかな逆転勝利を収めます。事実上の決勝戦とも言われた日本戦を勝利し、勢いに乗っていたイランをねじ伏せたこの勝利は非常に価値があるといえるでしょう。

開催国としての地の利に加え、大きな自信を手にして史上5カ国目となる連覇に挑みます。

・ヨルダン

グループステージ
第1節 マレーシア戦 4-0で勝利
第2節 韓国戦 2-2で引き分け
第3節 バーレーン戦 0-1で敗戦

決勝トーナメント
ラウンド16 イラク戦 3-2で勝利
準々決勝 タジキスタン戦 1-0で勝利
準決勝 韓国戦 2-0で勝利

ランキング84位、組み合わせ抽選ではギリギリポット2に滑り込んだヨルダンは決して前評判が高いチームではなく、大会前の非公式試合では日本に粉砕されるなど不安を残して大会に臨みました。
しかし、いざ始まってみるとマレーシアとの初戦を圧勝。続く優勝候補韓国戦では、引き分けたものの優勢に試合を進めました。
最終節バーレーン戦は敗れましたが、主力の一部を温存していた上、日本やサウジアラビアとの対戦を避けたいという思惑が働いた部分もあるでしょう。
決勝トーナメント初戦は、共に優勝候補を苦しめたアラブ勢対決として注目されたイラク戦でした。互いに譲らず1-1で迎えた76分、イラクが勝ち越しに成功しますが、ゴールしたフセインがゴールパフォーマンスで退場するという珍事をきっかけに、流れが一変。ヨルダンは後半追加タイムに一気に2点を奪って逆転し、勝利しました。
準々決勝タジキスタン戦は、互いに激闘の疲れもあったのか接戦に。それでもしぶとく1-0で勝ち上がります。
迎えた準決勝は韓国とのリターンマッチとなりました。
韓国はラウンド16でサウジアラビア、準々決勝でオーストラリアという死の山でしたが、これを連続で撃破。エースのソンフンミンが半世紀ぶりの優勝へ導く、そんな雰囲気さえありました。
しかし蓋を開けてみると、ヨルダンが被枠内シュート0本に抑えて快勝。短期決戦は分からないものだなと思うと同時に、ヨルダンに優勝の風が吹いているような気がしました。

ヨルダンは、これまでアジアカップの決勝トーナメントで1勝もできていませんでした。そんなチームが大方の予想を嘲笑うかのように勝ち上がり、初優勝を狙います。

・勝敗予想

共に準決勝を強い内容で勝ち上がり、勢いもある両チーム。勝敗の予想は非常に難しいですが、ここはアジアサッカー界に新しい風を吹き込んでほしいという期待も込みで、ヨルダンの優勝と予想します。

理由としては、やはり準決勝で韓国相手に完勝した強さを評価したいと思います。
また、会場の雰囲気は完全アウェーと予想されていますが、カタールサポーターはあまり熱狂的ではなく、逆に多数詰めかけるヨルダンサポーターの大声援が後押しとなるかもしれません。
試合展開はカタールがボールを保持し、ヨルダンがカウンターを狙う構図になるのではないでしょうか。

ヨルダンは、ワールドカップの出場経験はありませんが、2014年のブラジル大会予選では大陸間プレーオフに進出しています。そのときは相手が南米の強豪ウルグアイだったこともあり、残念ながら敗退してしまいました。
ヨルダン国民や、当時観戦に訪れたアブドゥッラー国王にとってもワールドカップの出場は悲願だと思います。
このアジアカップで優勝することができれば、アジア王者の肩書と共に大きな自信を手にすることになります。次回のワールドカップはアジアの出場枠が増えることからも、悲願達成に向けた大きな一歩となるはずです。
今日の一戦は、ヨルダンサッカー界にとってただの決勝戦ではなく、今後の未来を変えうる大きな分岐点となるかもしれません。

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