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チャクラって言葉はちょっと怪しいから、怪しくないチャクラの定義を考えてみる

チャクラという言葉には怪しいイメージもある。超常的なパワーが開発されるとか、根拠のわからないヒーリング効果があるとか。

自分の中で「チャクラってこういうもの」と腑に落ちしていないと、チャクラと付き合うときそういう怪しい部分で自分の不理解をごまかさなければならない。

なので、自分なりにチャクラとはなにかを考えてみた。


チャクラの一般的な説明

まずは一般的なチャクラについての説明。

チャクラは古くからあるヒンドゥー教のタントラの考え方。サンスクリット語で「円盤」や「車輪」という意味。人間の体内にあるエネルギーセンターとされ、会陰から頭頂部の間に7つの主要なチャクラが並ぶ。心身の健康に関わり、スピリチュアルなパワーと関連付けられることもある。

チャクラ・システムには何種類も考え方がある

主要なチャクラは7つとするのが一般的だが、これは20世紀になってから考案されたもののようで、他にも数の違うチャクラ・システムがいろいろある。

人によって考え方が違うし、元々の伝統的なタントラの考え方からも大きく変化してきているようだ。

チャクラ・システムとは心と身体のマップ

今のところ、自分なりのチャクラの定義はこう。

チャクラ・システムとは、人間の心の活動を身体部位にマッピングしたもの

人間の心の活動とは、感情や頭の中で起こる様々なこと。安心感、不安、自尊心、愛、客観性、信仰心など。その他いろいろな概念もこれにあたる。

心の活動は人の内面で起こる。でもそれによって外向きの行動にも変化が生じるため、外的な影響力も持つ。

こうした心の活動を人体の各部位に当てはめ、地図を作っていく。

身体を心と紐付ける

例えば「愛」という心の活動を、「胸」に割り当てる。すると「愛-胸」というつながりができる。

このつながりがあると、胸に大きく呼吸を入れれば、愛のエネルギーも活性化する、のように考えることができる。胸の周辺の筋肉が緊張すれば、愛という精神的活動も緊張状態に置かれる。胸がリラックスして自由に動けるなら、愛も自由に活動できる。

身体と心を紐付けると、身体活動によって心に影響を与えることができるし、また心の活動から身体に影響を与えたりできるようになる。

これは便利だ!

チャクラは心の活動をマッピングするポイント

心の活動をマッピングしていく、身体上のポイントがチャクラと呼ばれる。このポイントは身体との対話によって特定されてきた。

ある感情を感じたとき、体の特定の部位が反応することがある。恋に落ちたら胸がドキドキするとか、劣情を感じたら下腹がうずくとか、恐怖を感じたら背筋がゾッとするとか。

このとき、その人が心と身体の動きを観察していれば「あ、この精神的活動と体のこの部分は関連している」と気付ける。特に強い反応が起こる部位にチャクラがあると設定したのではないか。チャクラ・システムはこうした心身の観察によって作り上げられたのだと思う。

同時に、未だ感じたことのない超常的な心の活動もチャクラにマッピングすることが可能だ。「透視能力」や「念力」という心の活動を体にマッピングしてしまえば、身体を活性化させれば超能力が使えるようになる、と考えることが可能だ(チャクラの怪しさの一部はここから来ているかもしれない)。

心と体の活動を紐付ける言葉

言語にも、心と体の関連性を示す言葉遣いがある。

例えば「腹が座っている」という言葉は、「意志の強さ」という心の活動が「腹」という部位に紐付けられたものだ。他にも「腰が引けている」「はらわたが煮えくり返る」「胸が痛む」「背筋が凍る」など、いろいろ思い浮かぶ。

こうした言葉は、その言語を使う文化の中なら大体どの人にも通じる、普遍的な心と身体のマッピングを示している。

チャクラ・システムは主観的

同時に身体は人それぞれ固有で、個人差もある。体型も違うし、精神的な性格も色々あり、それによって心と身体の紐づけにもズレが生じる。

こうした個人差から様々な種類のチャクラ・システムが生まれているのではないか。人間は多様だから、マッピングを完全には統一できない。

自分の心や精神の活動は内的なものだし、身体のどの部位がどのように反応しているのかも本人にしかわからない。チャクラ・システムとはとても主観的な観点から作られているのだ。

大きな歴史の流れの中で、そのときどきの人たちが自分の心や体と対話しながらチャクラ・システムを確認してきた。そう考えると、気が遠くなるくらいの自身との対話の積み重ねによって作られた、貴重なシステムだと感じられる。

理想的には、すべての人が自分の身体に合ったチャクラ・システムを見つけるため、自分の心身と対話していくのがいいのかもしれない。