見出し画像

牡羊座28度「大勢の観客が期待を裏切ったパフォーマーに立ちはだかる」 #サビアンシンボルのタロットワーク

ルディアによれば「成熟した準備と自己批判の必要性」の度数です。大きな希望、興奮した期待は持続できません。パフォーマーは自分が提供できる以上のことを約束したと完全に認識しています。このような状況は、一人の人間の人生において、何らかの形で繰り返されるものです。それをどう処理するかによってその人の将来の発展と達成の可能性が決まるのです。必要とされるのは、新しい力の使用に主観的に関与すること、環境全体を包括する客観性、自分の行動が生み出すものに対する責任感です。

ジョーンズによれば、狭義に捉えすぎた人生における報酬のはかなさの象徴です。仲間の拍手喝采に頼れないこと、あるいは大衆の一時的な気分を適切な指針にできないと知ったときに起こる幻滅です。ここでは自分自身の創造的な可能性に安心して身を任せられる自我と、自分の外側には何も提供しないことが求められています。肯定的な場合は完全な精神的独立、否定的な場合、人類のあらゆる敗北や挫折への破壊的な自己同化です。

自分の持っている力や可能性に対して、人の評価は指針にできなくなる度数のようです。ルディアの「新しい力の使用に主観的に関与する」と、ジョーンズの「完全な精神的独立」は同じことを言っているようです。主観的に関与できない、精神的に独立できていないときは評価軸を他者に置いてしまい、「こんなことできるんだぜ!」とできる以上のことを約束してしまう。それは自分の可能性に自分が安心できないから起きるのでしょう。

スプレッド

画像1

1.パフォーマー
2.大勢の観客
3.裏切られた期待

リーディング結果 「戦って死ね!」

画像2

1.パフォーマー:死逆
2.大勢の観客:カップ4
3.裏切られた期待:ワンド5

死逆のパフォーマーは、なにかをやめられない、止められない状態です。「もうやめちまえ!」という観客のヤジを無視してパフォーマンスを続けているのでしょうか。「俺は死なないぞ!」という悪あがきかもしれない。

カップ4の観客は、退屈しきった状態のようです。心がぴくりとも動かない、シラけた感じ。

ワンド5は「戦え!」という期待ですね。パフォーマーは「自分の存在を強く主張して激しく戦うぞ!」という期待を観客に与えてしまいましたが、結局戦えなかった。

こうなると死逆は「戦って死んでない」ということなので、観客の期待は「戦って死ね!」です。なにそれ怖い。

パフォーマーは「大衆の一時的な気分を適切な指針にできない」と知って幻滅した訳ですが、死ななきゃならないなら幻滅しても当然では? ここでは「戦って死ね」という期待とは別に、自分自身の可能性に自分が安心し、精神的独立を手に入れる必要があります。そうじゃないと「死なないから退屈〜」という観客の期待に答えようとして死んでしまうかもしれない。

しかしパフォーマーはそういう期待を観客にさせてしまった訳で、その点については反省し、「自分がどれだけ戦えるのか」という客観的な視点を持たねばならなりません。

●ワンド5は逆位置で、24度「カーテン」の風が吹き込んでくる窓として登場していました。

画像3

戦いをやめて逆位置になったから窓が開き、風が吹き込み魔術師的自我が誕生しました。ワンド5を観客の期待通り再び正位置として実現するのは、窓を閉ざし、魔術師的自我を捨てることにもつながりそうです。パフォーマーが精神的独立を手にするため、あのときの魔術師は助けになってくれるでしょう。

サビアンシンボルからタロットのスプレッドやワークを作っています。「そのサビアンシンボルの意味を探る」のではなく、「その度数におけるその人の発達の状態」を読み解く取り組みです。しかし個人の発達状態を通じてサビアンシンボルの元型を透かし見ることもできるかもしれません。このワークについての詳しくはこちら