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「あれやれ!」「これするな!」タロットは要請や禁止を告げるとは限らない!

「タロットはなんらかの要請や禁止を告げるとは限らない」という連ツイをしました。もうちょっと詳しくまとめておきます。

ここで言っている「要請や禁止」というのは、いわゆる「アドバイス」だと思ってもらってよいです。アドバイスとは「あれをやりなさい」「これはしてはいけない」という要請や禁止を告げるものです(「あなたはそのままのあなたでいて」なども要請や禁止の一種かもしれない)。


タロットは要請や禁止を読み取るもの、という思い込み


要請や禁止以外になにがあるのか?

「要請や禁止以外」にカードが示すものとは、例えば一つには「現状確認」。あれしろこれするなというアドバイスの前に、まず現状がどうなっているのかを知る必要もある。

今どうなっているのか、これまでどうだったのか、どんな人がどんなエネルギーを持ってどう動いているのか、などの確認ができる。それは単に「そういうもの」という状態の確認であって、「だからどうしろ」までは含まれない。


アドバイスはどうしても命令形になる

アドバイスとはどんなにソフトな表現にしても、それを実行するかしないかの強制力はないにしても、「命令形」の強い言葉ではあるので、無闇に自分や人に向けてくれるな、と思う。

命令形の言葉は、それを無視することができようとも、やはり向けられた人を縛るものではある。


目的意識を共有していればアドバイスを言える

どんなとき「要請や禁止(アドバイス)」を占い師が言えるかというと、相談者の目的意識を共有していて、その達成のためにどういう行動が必要かを語る場合。

目的意識とは「彼と結ばれたい」とか「転職すべきかどうか知りたい」など(あるいはもっと曖昧に「私の目的意識をはっきりさせたい」ということも)。それを実現させるためには、現状はこうだから、こういうことができるね、こういうことは避けられるね、と言える。このときもやっぱり「アドバイス」の前に「現状確認」が必要になる。


占い師は相談者の目的を勝手に設定していないか?

目的意識を共有しないまま、例えば質問を立てないオープンリーディングなどで「こうした方がいい」と占い師が言うのは、占い師の価値観を押し付けてしまう可能性がある。

例えば占い師が「こうした方がこの人のビジネスは成功しそう」と感じて勝手に設定した目的(ビジネスを成功させる)の実現を前提に「あれしろ、これするな」を言うとする。しかしもしかすると占われる側は「経済的にはマイナスになってもいいから、現状の仕事の構造から魂を解放させたい」と思っているかもしれない。そんなときこのアドバイスは「余計なお世話」になってしまう。

だから目的意識を共有していないとき、占いでは現状確認くらいしかできない、とも言える。

(セルフリーディングの場合は自分を占っているので、自分自身の目的意識は当然共有している・・・とは限らず、そもそも自分の望みとはなにか?を理解できていないこともままある。自分の目的意識をはっきりさせる前にアドバイスを読み取っても、結局主体のよくわからない価値観を自分に押し付けているだけになる可能性もある。こうしたときは「要請や禁止」「現状確認」以外に、「私の望み」を探るヒントとしてタロットを使う。あるいは「その要請や禁止=私の望み」である可能性を考える)


アドバイスのニーズは当然ある

ちなみに目的意識は相談者の相談によって共有されるとは限らず、上手い占い師は話しをせずともその人の本当の目的意識ごと占いから読み取り、その実現のためにアドバイスができる。

現状確認しか語らないと、相談者さんによっては「で、結局どうしたらいいの?」となるので(というか大体そうなる)、やっぱりアドバイスを語ることのニーズは大きい。

そういうニーズが、冒頭のツイートの「要請や禁止を読み取るものという思い込み」につながるのかもしれない。


(この辺のお話はこちらの記事でも別の角度から書いています)