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テレワークゆり物語 (21)私が基準のレシピサイト

かつて「田澤由利でも作れるかどうか」が基準のレシピサイトがあった。

20年以上も会社を経営していると、成功した仕事もあれば、ダメダメだった仕事も、たくさんある。そんな中、(株)ワイズスタッフが運営していた「スピードクッキング」というサイトは、登録会員数も多く、TVチャンピオンに出演したほど「成功例」の1つ1998年開設し20年近く続いた。インターネット黎明期で、当初は「クックパッド」と競っていたほど(ホントか??)。
ただ、経営者の手腕の問題で(^^;、今はもうクローズしている。

スピードクッキングは、忙しい働く女性のための、すぐに作れる簡単で美味しい料理がコンセプト。レシピの基準は「社長でも作れるかどうか」。私はとにかく面倒くさがりで、料理をしないし、できない。「包丁不要」「揚げ物NG」「調理時間は10分以内」という、レシピ考案担当者泣かせのサイトだった。

ちなみに「レシピ考案者」は、全員、在宅ワーカー(自営型テレワーク)。子育てやパートナーの転勤で会社を退職さぜるを得なかった女性たちだ。元電気メーカー勤務だったり、元CAだったり、料理教室経験者だったり、現役ライターさんだったり、背景も、住む場所もさまざま。でも、みんながチームとなって、アイデアを出し合い、協力しあい、さまざまなレシピを生み出してくれた。

先日、ワイズスタッフの問い合わせフォームに、こんなメッセージが届いた。

スイーツがあまり好きではない祖父が喜んでくれたレシピ。もう一度、作りたいと、問い合わせてくれたのだ。

嬉しかった。すぐに技術担当者に依頼し、バックアップデータから「マーブルチーズタルト」を掘り出してもらい、レシピを届けた。

今となっては、投稿レシピサイトに、似たようなレシピがたくさんある。が、おじいちゃんにとっては、唯一のレシピだったんだ。ひとつひとつの仕事の大切さ、会社を続けることの意義を再認識する。
そして何より、テレワークという言葉が無い頃から、離れていても協力しあっていい仕事をしてくれた当時の在宅ワーク仲間に感謝である。

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