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39歳父の竹修行奮闘記 第三十五回「屋号とロゴが完成!」

【前回までのあらすじ 】
39歳でひょんなことから別府で竹細工を学ぶことになった私。第一課題「六つ目編み盛りかご」、第二課題「鉄鉢盛りかご」が完成し、夏休みを経て、いよいよ二学期、第三課題「網代編み小物入れ」、第四課題「菊底編みバスケット」、第五課題「亀甲編み平皿」、第六課題「掛け花籠」が完成。2019年3月には地元に帰り自営を始めることに。

訓練校での竹修行は続けつつ、家ではしこしこと自営のための準備を進めている。

ちなみに竹仕事で自営というと所謂「竹細工職人」を想像するかもしれないが、私が自営でやろうとしていることはだいぶ違う。

まず竹仕事一本とは考えていない。

これは私が「月3万円ビジネス」という働き方における「複業(複数の複です)」を実践しようとしているからだ。

具体的には竹仕事だけでも、いわゆる職人的なかご作り以外にもワークショップの開催や道場の立ち上げなどを考えている。また竹仕事以外にも、私が今まで食んできた道草を栄養に変えた“スキル”、具体的には音楽(楽器演奏、楽曲制作、レッスン)、語学(翻訳、ワークショップ)、グラフィックデザインなどを活かした仕事を行おうと考えている。

しかし日本では「一本主義(イッポニズム)」がまだまだ根強い。え、そんなの知らない?こちらの記事をご参照あれ。

そんなわけで、私は一本主義を横目で見つつ「複業」を始めることにしたのである。

そこでまず屋号を考えることにした。

キーワードは「」と「」だ。

」とは、野性野趣といったワイルドな力強さはもちろんのこと、在野といった既存のシステムや枠組みに囚われない奔放さをも含む。

」とは、衣食住に関わる身の回りのものを、気候風土に合わせて自ら作ることができる人々の謂いである。

つまり私は、上述の様々な“スキル”を活かした「複業」を行うことによって、かつて「民」が当然のように持っていた広い意味での「野性」を、発展的に継承していきたいと考えている。

それを踏まえての、屋号である。

年末年始に家に帰った際、小6になる息子と話をした。

「父ちゃんさ、を使った屋号を考えてるんだよね」

野良がいいんじゃない?」

驚愕した。

まさに私が求めていたのは「野良」そのものだったからだ。

「野良」には、「野良仕事」のような「田畑」「野原」といった意味と、「野良犬」「野良猫」のような「主人に飼われていない」という意味の2つがある。

私は野良の素材を使い、野良の空間で、野良的な働き方をしようとしていたことに、息子が気づかせてくれた。たくましくサバイブしつつ、どこかのほほんと楽しむ、野良。

野良を屋号に使いたい。

工房野良、スタジオ野良、野良研究所、野良人、野良商店、野良上手(Norah Jonesのダジャレ)…

思いつくままに羅列してみて、ネットで検索をかけてすでに使われている屋号は避けることに。

それぞれの言葉の意味を吟味しながら、私のやりたいこととの相性や今後の展開も含めた余白も考慮しつつ、

そんなこんなで、屋号は決定した。

きさらづ野良制作室

英語のStudioの訳語である「制作室」。あえて「スタジオ」にしなかったのは、「スタジオ」は日本では映画や写真などの撮影や音楽の録音やリハーサルのイメージが強く、もの作りや手仕事を行う印象を与えないため、あえて少しレトロな訳語の「制作室」を選んだ。「野良」という言葉との距離の遠さと、絶妙な相性と語感の良さが決め手となった。

屋号が決まったら、次はいわばきさらづ野良制作室の顔となるロゴの制作に取り掛かった。

ロゴももちろん自作する。野良人はシステムという主人に飼いならされてはいけない。自分の必要なものは自作する。自営の準備からすでに野良的であるに越したことはない。

昔から愛用している画像加工のオープンソース「GIMP」を駆使して、色々と試作を重ねる。

筒状の竹のイラストをあしらったデザインにしようと試みたが、どうしてもうまくいかない。野暮ったくて、イメージも伝わらない。

そこで編組(竹細工の編み方)をアイコンにしてみようと一念発起してあれこれいじってみたところ、これが思いのほかしっくりきたので、色調や細かい形も調整して、納得の行くところまで仕上げる。

そしてロゴが完成。

基調色は緑と青。大地と空。陸と海。

あえて隙間をあけて風通しをよくした上で、風車のように回り出しそうなフォルムから循環のイメージを。そして「のらりくらり」と一歩ずつ歩みを進めるスローなイメージも。

屋号とロゴが完成したので開業前だがFacebookページを立ち上げて、準備の様子をアップしていくことに。ご興味ある方はぜひ「いいね」してもらえたら嬉しい。

きさらづ野良制作室Facebookページ
https://www.facebook.com/kisarazunorahstudio/

こうした企画仕事に注力していると、やはり手がうずうずしてくる。そして気分転換に竹を割り、楽器を弾く。そして野良人である私のバランスは保たれるのである。のらりくらりといきましょう。

次回は久々に訓練の様子をアップしようと思う。いよいよ最終課題に突入し、訓練も終盤である。

次回もどうぞお楽しみに。

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