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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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#色

お湯は赤のパイプで水は青のパイプ → ◯

賃貸住宅の流し台の下の部分です。混合水栓の蛇口へ至る水やお湯のパイプが赤と青で色分けされていました。 単純な話ですが、やけどなどの事故を防ぐためにも良い方法だと思います。また、混合水栓の蛇口も同じ色分けを使うことも重要です。 本来は文字も併用すべきで、色だけで意味合いを表現するのは望ましくはありません。しかしそれが大きな問題につながりかねない場合には、ひとつのきっかけとして多くの人に共有されているステレオタイプを使うことが有効な場合があると感じました。

「まん延防止等重点措置」延長は赤、解除は青 → ◯

2022年3月3日、新型コロナ第6波の「まん延防止等重点措置」について、18都道府県が延長になり、13県が解除の方向で検討されるとの報道がありました。 延長の地域は、赤色で地図上に示されています。解除の地域は青色で地図上に示されています。 一般的に赤系は注意・危険・警告などを表す色として使われ、青系は安全状態・完了など問題がないことを表現するのに使われるので、この色分けの設定は妥当と考えられます。

ロープに警告色のパイプを吊るす → ◯

特定の場所を立ち入り禁止にしたい場合に、対象エリアの入口に、可動式のフェンスを置くことがあります。フェンスのような重量物だと、動かしたり撤去するのに人手がかかり、手軽なものとは言えません。 しかし、写真のようなロープであれば、比較的簡単に設置が可能です。高齢者や女性など腕力が弱い人でも一人で設置や撤去ができます。また、ロープだけだと目立ちにくいので侵入しようとする車があるかもしれませんが、黒と黄色の警告色によるパイプを吊るすことで、目に入りやすく注意喚起ができていると感じま

背番号とユニフォームの色を示す → ◯

東京オリンピックが始まり、開会式でのピクトグラムの演出が話題になりました。 世界各国の様々な人が見るだけに、ピクトグラムだけではなく画面表示には色々な工夫がなされています。これはサーフィンの例ですが、演技中の個人を特定するために着衣であるユニフォームの色と背番号を使っています。 全世界にテレビ中継される国際映像では、言語に頼らず誰でもすぐに理解できる記号として、数字と色を用いています。 このようにオリンピックを伝える映像や画像には、伝えるための様々な工夫が各所にあり、大

黒は紫より緊急と感じるか → ◯

2021年5月に改定された避難情報に関するガイドラインでは、警戒レベルが1から5までに設定されています。その配色は、危険度の最も低いレベル1「今後気象状況悪化のおそれ」が白で、レベル2「気象状況悪化」が黄色、レベル3「災害のおそれあり」が赤、レベル4「災害のおそれ高い」が紫、危険度が最も高いレベル5「災害発生または切迫」が黒となっています。 レベル4までの色の設定は概ね危険度に応じた妥当な配色だと感じました。個人的に迷いを感じたのは、レベル5の黒です。純粋に色で注意を引くこ

周りの環境に溶け込む色合い → ◯

芦花公園にある蘆花恒春園にあった消火栓のボックスが目を引きました。普通の人ならあまり気にもとめない消火栓を収納した箱ですが、従来からあるものは、赤などいわゆる注意を促す特別な色(警告色)にペイントされていることが多かったように思います。 消火栓は緊急事に使う特別なもので、老若男女誰でもすぐにわかるようその存在が目立つ必要があるとされています。そのため箱にも特別な色が使われていました。しかし、最近では消火器などと同様に、周りの環境に馴染む色合いが取り入れられるようになってきま

周りに溶け込まない色をしている → ◯

森の中の小道に切り株があるので、注意喚起のためロードコーンが置かれていました。つまづく恐れのある切り株に近寄るなというメッセージを示しています。 工事現場でよく見かける黄色と黒に塗り分けられたロードコーンもそうですが、周りの環境に溶け込まない違和感のある色使いをしています。注意喚起のためには、周りに溶け込まず、パッとみるだけですぐに発見できるように違和感のある特異な色使いが求められます。 未舗装の小道だと、黄色は埋没する可能性もあるので、青色を持ってきたと考えられます。

駐車場に空きがあることを示すのに赤を用いる → ×

駐車場に空きがあることを示す看板がありました。赤に白抜きの文字で「空あり」という表示です。一見何の変哲もない普通の表示に見えますが、多少の違和感を感じてしまいました。 駐車場で満車を示す場合に、電光掲示板などでは赤を用いることが大半で、空車を示すには緑や青系統の色使いが見られます。満車は利用者にとってNGの状態で、空きがあるのがGoodな状態のはずです。 否定やよくない状態を示す赤を「空あり」で使うのがどうなのかと感じてしまいました。 ただし赤は目立つ色なので、強調した

水道に関わるものは水色でペイントされている → ◯

一般住宅に設置されている水道のメーターボックスのふたは、いつ頃からか不明ですが水色にペイントされいるようで数多く見かけます。 電気やガスのメーターボックスと区別するために、このような色の統一は望ましいと思いました。専門家でなくてもそのふたの下には何の設備があるのか一目瞭然です。 もちろん色だけに頼るのはNGですが、素人向けにはわかりやすい分類方法だと感じました。

番号と色の組み合わせ → ◯

月極などの駐車場では駐車スペースの位置を特定するために、通し番号を表示しているところがほとんどだと思います。 今日見かけたのは、地面へ数字の番号の印字に加えて、色のついた反射鏡を埋め込んである駐車場です。 色という別の要素を加えることによって「63の青」など組み合わせで覚えれば忘れっぽい人でも覚えやすく、その組み合わせで確実に一意になる可能性が高まるメリットもあります。

視認性の悪いユニフォーム → ×

特にサッカーファンではないのですが、たまたま日本代表チームのキルギス戦をテレビで観ました。背番号や特に胸の番号が非常に見づらいと感じたのでこちらに記します。 迷彩柄の是非はさておき、数字と背景とのコントラスト、数字色と背景色の組み合わせに問題があり、胸の番号はかなり見辛いです。最悪、審判が選手を特定するのに問題が生じるケースがあるのではないでしょうか。視認性の悪いユニフォームは良くないと思いました。

視認性の良いトイレサイン → ◯

ごく一般的なピクトグラムと色の組み合わせを使ったトイレサインです。現場では写真でみるよりかなり大きく見えます。 また、壁面の最上部の天井付近と最下部の床付近が、青と赤の色のラインでアクセントとして扱われていて、これも男女の区別がしやすくなっており、良い工夫の一つではないでしょうか。 色だけに頼るのはよくないですが、区別の手段として併用するのは現実解としては妥当だと感じます。

目立ちすぎず溶け込みすぎない → ◯

最近設置されている周りの環境に違和感のないデザインの消火器が増えていると聞きます。これは消火器そのものの意匠・スタイリングであったり、馴染んでいるように見える設置場所の双方を含みます。 美しく洗練されている環境としては悪くないと思いますが、いざ火事になった場合に、どこにあるかすぐに発見できないのは問題です。 火事という異常事態に対応するための道具なので、悪目立ちする必要はありません。しかしその存在を示すサインには、明確に区別ができる表現が求められます。

地図上のカラーと一致させる → ◯

社屋の建物の案内図で、場所を示すサインと地図上の表現を色で一致させた例です。 色だけに頼るのは望ましくありませんが、似たような形の複数の要素が近接している場合には、色で区別するのもひとつの方法です。この場合もできればハッチングパターンなどを併用して、白黒になっても区別ができれば理想的だと考えます。