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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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2021年3月の記事一覧

現金での利用はできません → ◯

キャッシュレスの流れは着々と進んでいるようです。写真は駅にあるコインロッカーですが、交通系ICカード専用になっていました。駅の利用者なので、交通系ICカードの保有率はほぼ100%だと思われます。 コインロッカーにせよ飲料の自動販売機にせよ、現金の回収をしなければならないコストは馬鹿になりません。また現金を扱うメカニックな機構はデリケートなので壊れることもありますし、使い続けるにはメンテナンスが欠かせません。 今後ますます現金を扱う仕組みは、ハードウエアも関わる人材の人件費

POP体だと用事もないのに気軽に押してしまいそうになる → ×

駅構内のホームに設置されているインターホンの説明がPOP体の書体で書かれています。 書体に罪はないのですが、このフォントを見ていると、用事もないのに何となく気軽に押してしまいそうになります。のんびりとしていて緊張感がないのが特徴で、明朝体やゴシック体ではこんな雰囲気にはなりません。 用事がなくても呼び出しがウエルカムなら問題ありません。しかし対応する駅員の省力化を考えて、必要最小限の利用を想定しているなら、カチッとした書体が望ましいと思いました。

周りの環境に溶け込む色合い → ◯

芦花公園にある蘆花恒春園にあった消火栓のボックスが目を引きました。普通の人ならあまり気にもとめない消火栓を収納した箱ですが、従来からあるものは、赤などいわゆる注意を促す特別な色(警告色)にペイントされていることが多かったように思います。 消火栓は緊急事に使う特別なもので、老若男女誰でもすぐにわかるようその存在が目立つ必要があるとされています。そのため箱にも特別な色が使われていました。しかし、最近では消火器などと同様に、周りの環境に馴染む色合いが取り入れられるようになってきま

理由コードなどと言われても俺には関係ない → ×

某銀行に口座を作ることになり、初期登録の画面でいろいろとつまずきました。細かいことをあげていけばいくらでも難が出てくるのですが、最も腹立たしかったのは、入力した文字種か何かの問題でエラーになった際、エラーの理由をコード番号で示されたことでした。 利用者にとってはコード番号など示されても無意味な数字です。なぜエラーになったのか、「英数字以外の文字を使ったから」「電話番号や生年月日の数字が含まれているから」など、具体的なメッセージがないと意味がわかりません。 ページのどこかに

2つの内容を書く → ×

緩やかな下りでわずかにカーブしている道路に「児童横断スピードおとせ」と注意書きがペイントされていました。 通学路だと思われ、車の運転手に注意を喚起するのは良いと思います。しかし2つの内容を連続して書くのは、効果的かどうか疑問が残りました。 運転中は危険回避のため、さまざまなものをランダムに見るため、視線がめまぐるしく変化しています。このような状況では、「児童横断」もしくは「スピードおとせ」のどちらか一方だけのほうが、よりメッセージが伝わるのではないでしょうか。