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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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2018年8月の記事一覧

分類が無駄になるのがバレてしまうのは良くない → ×

ジュースの自動販売機の隣にゴミ箱が設置されています。ペットボトルと缶・ビンの捨てる穴が別になっていて、一見すると分別されるように見えます。 しかし、よく見ると回収されるビニール袋は同じ袋で、どちらの穴に入れようと、同じひとつのゴミ袋にまとめられてしまうようです。 分類にも対応できるように汎用的になっているのかも知れませんが、結果がバレバレで、せっかくの分類が無駄になるのが明らかなのは良くないと考えます。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally pub

エスカレーターでの現在位置表示 → ○

ショッピングセンターのエスカレーターで、自分が立っているここが何階であるかを表示したポールを見かけました。 現在位置以外の最下階から最上階を小さな数字で示し、現在位置の階数をを大きな数字で強調して表示しています。小さな数字と現在位置を示す大きな数字の差が小さいと、わかりにくいサインになってしまいますが、これぐらいの差異があると間違えることはあり得ません。 書体の視認性も良く表示要素としては過不足なくまとまっています。加えて床にマッチした木の質感がとても心地良く、デザインが

商品価格の点滅は良くない → ×

食品スーパーの値段表示に、液晶を用いたプレートを使っているところがあります。売り切りセールのため値下げを強調したいのか、点滅している値段表示を見かけました。 注目を集めたいのは理解できますが、その手法としてはおすすめできません。商品価格は利用者にとって、最重要クラスの情報ですので、安定して一覧できる状態が望ましいと考えます。 目を引きたいのであれば、例えば商品名など価格以外の箇所をハイライトするなり、何らかの加工を施せば良いのではないでしょうか。皮肉なことに手書きのPOP

金額とOFFの間にスペースを空けない → ×

Twitterで見かけた広告バナーです。詐欺的な悪意はないでしょうし、こんなもので騙される人もいないと思われますが、一瞬 ¥4860 OFFなのかなと思ってしまいます。 ごく普通に ¥486 OFF と間に妥当なスペースを入れておけば、いらぬ誤解も生じないと感じました。なお6とOの高さが揃っていたりするとダークさが増してきます。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published at ktazuke.goat.me on Aug 11, 20

とまりますを書かない → ×

路線バスは、一般的に「とまります」のボタンを押して、運転手に次のバス停で停車することを伝えるする仕組みになっています。しかし今日は「とまります」と表記がなく、その代わりにキャラクターのマークが何の説明もなく表示されている止まりますボタンに遭遇しました。 止まりますボタンは、次のバス停で停車することをボタンを押した当人以外にも示す案内サインでもあるのです。むしろ案内サイン機能の方が強いと思われます。誰かが押してくれたから、次は必ず止まるので安心していて良いという心の安寧がもた

コールセンターの電話音声ガイダンス分岐が多すぎる → ×

効率化を進めているようなある程度の規模を持つ企業の問い合わせ窓口に電話をすると、用件ごとにオペレーターに振り分けるため、「Aという用件は1を押してください。Bという用件は2を押してください。Cという用件は3を押してください。」などのように自動応答によるガイダンスされることがあります。 分岐が2つぐらいならなんとかなりそうですが、5種類以上になると応答音声を聞いている時間が長くなってしまい、最初の選択肢が何であったかすっかり忘れてしまいます。最終的には、自分の問い合わせたい用

『駅をデザインする』/赤瀬達三(著) → ◯

丸ノ内線は赤い丸、銀座線はオレンジ色の丸でシンボライズされ、地下鉄の出口は必ず黄色で示されています。東京で生活されている方にとっては空気のように意識することなどなく、一般常識として刷り込まれていることでしょう。 著者は営団地下鉄(現在の東京メトロ)の案内サインを設計した「案内サインのシステム化」を専門とするサイン設計の第一人者です。案内表示に求められるものは何か、その背景にあるデザイン思想について、自身の手がけた実例をもとに、交通システムのあるべき姿を論じた書籍です。 駅

この位置だとトロピカーナが売れてしまう → ×

食品スーパーでジュースの特売が行われていました。POP広告の対象は、右端にある「アーモンド効果」という商品です。 しかし、このPOPの置かれている位置が中央の別のジュースの上なので、おそらく買い物にきてPOPを見た人は最も近い位置にある他社メーカーの「トロピカーナ」のオレンジジュースを買い物かごに入れてしまうでしょう。 食品スーパーではどちらが売れても良いのでしょうが、販売促進に協力しているメーカーサイドとしては、困った問題かも知れません。販売の現場では諸々大変な事情もあ