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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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2018年2月の記事一覧

エレベータボタンの罠 → ×

ミニマルなデザインのエレベータですが、一つ欠点がありました。行きたい階数ボタンを押すと中の数字とそれを囲む四角い箱が点灯しますが、その右横にその階だけに止まることを示す縦のバーになっているランプが存在します。 このエレベータは18階への直行エレベーターとして運用しているようで、縦のバーが点灯中の階だけにしか行けないようでした。つまり乗った瞬間に18階の右にある縦のバーが明るく点灯しているのです。 ついうっかり18階のボタンが押されてているのだと勘違いして、ぼんやりしていて

洗剤詰め替え用サイズが多すぎる → ×

洗濯用洗剤は詰め替え用をまとめ買いするようにしていますが、ドラッグストアなどの販売店ではサイズが通常サイズの1.8倍とか2.6倍など様々な大きさの容量で売られています。そしてその容量が2倍とか3倍などのキリの良い数字ではないのです。調べてみると、業務用の4kgなどと言うのもありました。 常識的に考えると容量の多いものほど割引率が高くお得なのかと思いますが、セール対象品かそうでないかなど他の要因もあり、大きいのを買えば安いという訳ではありません。 算数が苦手で割り算が一瞬に

安全第一じゃないように見えてしまう → ×

道路工事現場での1コマです。「安全第一」と書いた表示がかなりくたびれていて、破れが目立っていました。 この内部への侵入を防ぐ障害物の設置自体は問題ないのですが、「安全第一」が破れていると安全第一じゃないように見えてしまいます。ものを大切に使うのは良いことですが、ターゲットユーザーである歩行者の感情に訴えるものは、破損・汚損していない状態が望ましいと感じます。 メッセージが書かれた媒体への気遣いは重要だと思います。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originall

フラットデザインは絵の具に見える? → ○

みなさんも一度は訪れたことのあるIKEAに、食品売り場があるのをご存知ですか?50円のソフトクリームや100円のホットドッグを食べた経験のある方も多いと思います。 あの100円ホットドッグに使われているバンズやソーセージ、ピクルスなどとともに、ケチャップとマスタードも販売しています。トッピングのフライドオニオンもありました。 日本のケチャップのパッケージを見慣れているおじさんには、この潔いデザイン全体がどうも食品に見えず、絵の具に見えてしまうのです。描かれているグラフィッ

1/1桜の展示が素晴らしい → ◯

立川駅にあるショッピングビル「グランデュオ」のリニューアルに伴うイベントとして、福永紙工さんの商品を展示販売する特設コーナーが設けられていました。 福永紙工は印刷工場なのですが、近年デザイナーとのコラボレーションで様々な魅力的なデザイン企画やオリジナル商品を生み出されています。1/100スケールのテラダモケイもそのひとつです。 圧巻は1/1つまり原寸大の桜。関東では本物の桜の開花もまもなくですが、この桜もなぜか心を動かせられます。 http://www.kaminoko

6〜7段しかない小さなエスカレーター → ×

弱者を切り捨てるつもりは毛頭ないのですが、6〜7段しかない小さなエスカレーターの利用シーンが、どうも思いつかずにいます。待ち合わせまでの10分間でひとりも利用者を見かけませんでした。 階段の上りに不自由される方への配慮だとは思いますが、この高低差であれば、車椅子用スロープ設置などのほうがより汎用的で利用者が多い気がしました。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published at ktazuke.goat.me on Feb 20, 2016

残念ながら必ずさわられてしまう → ×

もし一般利用者ではなく、施設管理側だけで確認や操作をする機材であれば、目立つ場所に置く必要はありません。一般利用者の目の届かないところに隠して格納してしまえば良いわけです。 百歩譲って、何らかの事情で利用者の目に触れるところに設置する必要があるのであっても、簡単に手の届く場所に置くのは望ましくありません。 禁止事項を書いたところで、好奇心で押してしまう人はいるものです。注意書きを書くなら、一般利用者が押すことを禁止されているボタンを押すと何が起こるか、「警報が鳴る、スプリ

やむを得ないが別アプローチもあるはずだ → ◯

分倍河原駅にある京王線とJR南武線の乗り換え口です。本来なら×とすべきで、これを書かずに済むようにデザインの力を使わなければならないのですが、上部に設置された案内サインだけではどうやっても出口と間違えてしまう人が多数出てきてしまうのでしょう。 乗り換え専用で、出口ではないことを示すのは実はなかなか難しい問題です。体裁よく、格好よくすればするほど出口ではないことの注意喚起は薄くなります。 利用者のうっかりを防ぐ点では、やむを得ず容認せざるを得ないという感覚です。これが良いと

茗印と表記するのはわかりにくい → ×

地下鉄丸ノ内線のホーム内にある時刻表ですが、凡例に無印、茗印、後印、三印、終印、🔴印とあります。無印はやむをえないのですが、凡例のところに茗印とか三印と表記されているのが、かえってわかりにくいのではないかと思いました。 表内の時刻のすぐ隣に書くのはスペースの関係で駅名を一文字に省略した茗(茗荷谷)、後(後楽園)、三(新宿三丁目)であるのは違和感もないし、妥当だと思いますが、凡例の箇所が問題です。 個人的にはナントカ印の「印」は書かないほうが、余計な誤解をすることがなく、意

フタを開ける方向を示すのは良い → ◯

マヨネーズのキャップ部分、開封直後の状態です。 引っ張るタブのところが隠れてしまっていることが多いので、開ける方向が示されているのは良いと思います。 ただし見る方向によって変わってしまうので、文字で補足している「左からあける」は不要だと感じました。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published at ktazuke.goat.me on Dec 5, 2015

現在地がわかりにくい → ×

池袋にある某展示会場のエスカレーター付近に表示されている案内図です。 AからDまでの展示室やカンファレンスルームへの移動のために、上下関係は矢印で示されているのですが、自分がいる現在地がどこかわかりにくいと感じました。「ここは2Fです」と書いてありますが、目に入りにくく体感としてしっくりきません。 BやCの展示室の文字サイズに比べて4F, 3Fなどの階数表示の文字サイズが小さすぎるのも問題です。Dの紺地に対して黒の2Fの配色もコントラストが悪く、案内サインとしては非常に見

管理者用操作パネルを利用者に解放している → ×

一部で人気のトイレシリーズです。何度か書いているかも知れませんが、管理者用の機能は隠しておき、一般の利用者には設定変更ができないのが望ましいと思います。 できれば、管理者用の操作パネル表示そのものも、物理的に上からカバーを掛けてしまうなど、なんらかの方法で見えなくするのが、いたずらを防ぐのに役立つのではないでしょうか。 たとえ「操作してはいけません」などの注意書きがあったとしても、設定変更のユーザーインターフェースがあれば、必ず誰かが悪意を持って変更し、そのままの状態で次