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エターナルズを見て感受性の花が咲き誇った

マーベルの最新作、エターナルズを見ました。

見終わった後、
「これは素晴らしいものを見た…これまでのシリーズとは一味違う心理描写と、これまで通りの映像美が融合していて、私の心を掴んで離さない…」
と思っていたのですが、偶然目にした酷評にひどく落ち込んだため、こんな夜中から文章を書き綴っています。

たしかに、長い間リアルタイム作品を見ていたファンや、シャン・チーで大満足した客層の求めるものとは違ったかもしれない。
ただ、私は私の中に生まれた感動を消すことはできないのです。

詳しい内容は書きません。
素晴らしい映画なので見てください。

この映画を見て一番感動したこと。
それは、

それぞれのキャラクターが人生の目的に矜持をもって、全力で生き抜いていること

です。

元々一つの目的のために仲間だった登場人物たちが、ある日を境に離散します。
そして、彼らは数百年という長い年月の中で、あるものは人生を謳歌し、あるものは渇望し、あるものは絶望していました。

そしてまた大いなる目的のために集結を遂げる。
しかし、彼らはもう昔の彼らではないのです。
それぞれの立場があり、それぞれの目的のために生きている。

だから、力をぶつけ合うしかない。
己の生を肯定するためには、己の目的を死に物狂いで達成するほかないのです。

私も「一致団結して大団円」というのが、ヒーロー映画の醍醐味だと思います。
でもね、彼らはヒーローじゃないんです。
強大な力を持っている前に、1人の個として、生を全うしている。
どんな人間たちよりも生々しく、まさに生きているじゃありませんか。

私は、こんなに美しく尊いことは他にないと感じたのです。

私たちは、つい1年半前とは全く別の世界を旅しています。
そんな中で、「人生の目的」について誰しもが少なからず考えたと思います。
あーでもない、こーでもないと湯船の中で考えを巡らせたり、巡った先の考えを「こんなものは違う、私には無理だ」と否定したりしたのではないでしょうか。

彼らはそんな私たちが陥ってしまうような逡巡を一切感じさせることなく、自分に忠実に戦うのです。
彼らの使命を一身に受け止め、豪快な映像美を堪能する。
少なくとも、私はそうやって楽しみました。

「上映時間が長く、中盤で退屈してしまう」
そんな意見を見ました。
私はこう思います。

彼らの立場や、人生で大切なもの、足りないものをしっかりと理解し、全てのキャラクターに感情移入するための大切な時間だ、と。

感受性の種に熱心に水と栄養を与え、日に照らし、咲き誇った愛の花弁を鑑賞するためには、全く十分な時間だったと思います。

ゆっくりと、じっくりと、雅な感情のブーケを観察してみてはいかがでしょうか。

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