青音タウ

絵を描いて言葉を綴ってます。 詩/文章/日常記録/読書

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夏の詩

夏、ちょっとだけ血の匂いがする 目に見える景色と蝉の声、全てが過剰に鮮やかな季節 むせ返る暑さも日差しが肌を焼く感覚も いっこうに慣れなくて、フィクションみたい あの子の手を握れないことを夏のせいにして わたしがひとりでいることを夏のせいにして 木蔭を選んで歩いている いつから夏は頑張らないといけない季節に なったのですか? ラムネ色の空気と入道雲、塩素の匂い 記憶のなかの片鱗だけをきっと 夏と称するのでしょう。

    • 冬は光の季節

      • 【詩】糸雨

        氷を作っていました 冷たい結晶を押し固めて その温度が心根まで届くことを 恐れていました やがて太陽が全てを溶かして 糸雨となった頃 ようやく私は宙へ浮く