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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」11




1.主人公名詞

物語を文章形式で分類すると大きく以下2つの文に分類できる。
A文 : 主人公名詞A+主人公動詞x
B文 : 非主人公名詞B+非主人公動詞y

ここで、A文だけを抽出した文章群を想定すると
文1 主人公名詞A+主人公動詞1
文2 主人公名詞A+主人公動詞2
文3 主人公名詞A+主人公動詞3

「物語の外」から見ると同一の名詞の文の順列。これが「物語の内」においては、ほぼ物語上の順序つまり物語時間に相当するとみてよい。つまり
 主人公名詞の出現回数≒物語時間
である。

今度はB文だけ抽出した文章群を想定すると
文1 非主人公名詞A+非主人公動詞1
文2 非主人公名詞B+非主人公動詞2
文3 非主人公名詞C+非主人公動詞3

「物語の外」から見ると異なる名詞の文の順列。これが「物語の内」においては、ほぼ物語内の位置つまり物語空間に相当するとみてよい。つまり、
非主人公名詞の出現回数≒物語空間
である。

物語時間と物語空間から成る物語座標において、主人公動詞というベクトルの軌跡が「物語」である、といえるだろう。

非主人公動詞についてはまだ考えてない。
目的語を主人公名詞とする時はA文の受動態だからA文と見做してよいだろう。そうでない場合は主に装飾とか?

2.「ある男」

前回までの我流神話分析を整理するために上記分類を考案。
上記分類の「主人公名詞」視点で「神話」を捉えると。

前提:構造を語る物語が「神話」
 ただし「神」という言葉は出現せず主人公は「ある男」
 他の人間は構造上の位置=家族名で表現される
 ↓  
「ある男」を固有名詞にすると「首長」「英雄」「神」になる
  つまり「昔話」「英雄譚」「国家神話」「宗教」の文になる
 ↓
さらに「ある男」を「私」にすると近代日本文学、「僕」にすると現代日本文学になるw

つまり「主人公名詞」が固有名詞化していく仕組みは、神話から近代小説までを鳥瞰可能な「物語分析」になりえるし、さらにその物語を「現実」に接地させている「社会分析」の視点にもなりえる。

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