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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」2


1.気になった点

p106 エドマンド・リーチによるレビュの親族研究の4つの批判。

批判の④である以下が気になった。

p109 遊動する採取民社会では「女の交換」が現れない

自分も「女の交換」をしない社会はあるだろうと思っていたから。

p108 上記に対する著者の説明(のオレの理解)
外婚制(女の交換)とインセスト・タブーは、基本構造の異なる表現形。

つまり「女の交換」は、「基本構造=インセスト・タブー」の表現形の一つに過ぎない。インセスト・タブーの原因ではない。
基本構造がどういうものかはp69~p101で説明されてる。

では、なぜ基本構造が「作られる」のか?

p109 社会的結合を生むため

という風に読めた。因果順を整理すると。

集団同士が結合するためには集団間を人が移動できなければならない

集団間を人が移動できる条件がインセストタブーつまり基本構造

その集団が定住集団の場合は基本構造は「女の交換」となって現れる
(遊動集団の場合は現れない)

まあこういう目的論的理解は否定されるのかもしれんけど。

2.感想

上記の解釈でそれなりに納得できるのだが、以下の疑問も湧く。
「そもそもなんで集団と集団は結合しようとするのか?」

確かに直観的に、結合しようとするだろうな、という感じはする。
他の集団を認知してるのに無視する方が難しいだろう。

けど理屈的な掘り下げも欲しい。

また、以下のように一般化できる気もする。

集団と集団の結合は共通のナニカを交換することでなされる
この交換により構造が発生する、あるいは、構造が交換を発生させる

p54 <構造>と<変換>との表裏一体の関係

とあるので、上記の「交換」が変換の一演算だとすると、
「ナニカを交換する」という演算における代数的構造が「基本構造」つまりインセストタブー。・・・てことかな。


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