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2020年5月の記事一覧

歴史的日1

私は宇宙の中、あるいはもっと大きな世界、目に見えるものなんて拙く、捻り出したアイデアが水溶性の薬物みたいに見られてしまう木枝の先で、役割として震えている。その役割の凄みを求めるでもなく求め、幽体した意識が足ではないものを歩かせる。麗しい魂との関わりの中で私は自分の声の物理的な小ささを遠く遠く鉛筆みたいな形にして、電車のサイネージを眺める。インスティングのツイーティングは、可愛いくなってゆく遺影で、

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水船

ヒトデの人で、海に包まれた海の匂いを知らない。ものものしい船の音が光のさざめきを揺らしている。気泡が美容液だから太陽に吸い取られ、視線は水分系をすこぶる遠のかせ自分の輪郭を忘れさせてくれる。
目が覚めたらここで横になっている。運の好調が滋養の縁の雲から光る。見たことのない魚にお気に入りの海藻を絡めとられて踊っている。桃が食べたいなあ。
浸透した眼鏡は腐敗の匂いがする。波に流されながら脱皮する。蛇の

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