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言葉で超えられない壁を越えたい。

フラを始めて4年目になる。

人に自慢できる趣味もなく、正直仕事ばかりしてきてしまった自分(こう書くといかにも仕事ができそうだが、その逆で不器用なせいですべての時間を仕事に充てなければ一人前になれなかったからである……)につまらなさを感じていた頃、「そういえば小さい頃はダンスが好きだったな、よしダンスをしよう。。」と考え、歳をとっても優雅で楽しそうだと思ったのがフラだった。フラは実は日本で大人気の習い事だ。

フラの教室を片っ端から調べて、好きな振り付け、好みの衣装が多い教室を選んだ。初めての教室は、先生の都合で5ヶ月程度で終わってしまった。その後一部生徒を引継いで独立してくださった先生に今教わっている。

フラの練習はチャントから始まり、基礎練習が40分程度ある。その後、レベルに沿った曲の振りを覚え、完成させていく。簡単そうにみえる手の動きや足の動きはなかなか思ったよりも難しい。なめらかにパウ(フラで着るスカートのこと)を左右に揺らし、下半身の激しさと、上半身の優雅さを同時に表現することは言葉には言い表せない。

フラを始めてしばらく経って、上手な先輩やハワイの方のフラを見るたびに向いてないなと感じてきた。でもフラの奥深さ、フラの持つ空気感、癒しについついはまってしまい、「下手でもレッスンが好きだからいい。楽しもう」正直かなり自己満足の世界にどっぷりつかってきた。

最近、そのフラに対するモチベーションが少し変化した。なんとなく、コツのようなものがわかってきた気がするのだ。表現者としてのフラ(この先の向こうに意識を超越した表現があると思うが)を体得してきた気がするからだ。そう思えた瞬間から、練習が苦にならなくなった。もっと表現したい、もっと曲の世界を伝えたい、そう心から思うようになった。

何事も習得するには3年、もしくは1万時間と言われるが、私にも当てはまったようだ。なんとなく目標もなく続けてきたフラが3年やってみてもう少し本気でやってみようという境地まで来た。ここからはおそらく何らかの目標設定が必要に思う。羽生結弦選手ではないが、自己の記録を更新し、ノーミスを追い求める精神を見習って、2年後には自分が美しいと思うフラを演じられるようになっていたい。ハワイ語も習得したい。ハワイは口承文化であっただけに、メレ(踊りを伴うもの)とオリ(それだけを朗詠するもの)の2種類がある。通常のレッスンはアウアナ(現代)の踊りになろうかと思うが、カヒコ(古典フラ)が踊れるようになりたい。カヒコは神に捧げ、神を語るものだ。(ハワイ王朝を語り継ぐものもある)

そしてできれば身近な表現者として誰かを癒すことができたら幸せだと思っている。ボランティアで楽しさや癒しを伝えられるようになれたらこの上ない。音楽やダンスは人と人との距離や世代、国境も超えることができる素晴らしいものだ。言葉では越えられない壁はダンスで超えたいと本気で思っている。

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