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東京のタクシードライバーは稼げない?リアルな月収と勤務形態

タクシードライバーは稼げない…と思っていませんか?
実は結構、稼げる仕事だったりします(後半に給料明細を載せています)

タクシードライバーの仕事は世間のイメージでは「きつい」「稼げない」「大変そう」等、あまり良いイメージを持たれていません。そのためか最近はドライバー不足が深刻化しています。(まあ実際は少子高齢化による働き手不足と感じます)

しかし、実際はコツはあれど稼げて休みも多く、
自由度が高いのがタクシードライバーという仕事です。

・今の仕事を早めにかえたい
・すぐ正社員として採用されたい
・65歳以降も働ける職種で実績を作っておきたい…
・若いけど高収入と時間の両方を手に入れたい
そんな方にぜひ読んでいただきたい記事です。

<プロフィール>
・タクシーちゃんねる・げん太
業界5年目。20代からタクシー業界
都内で現役のタクシードライバーをしています
業界最大手2社の経験
歩合制給与で月給は50万円以上頂いています
今日は忙しかったのかが分かるTwitter https://twitter.com/genta9nuko


タクシーは稼げない?驚きの月収と勤務体系

結論、稼げています。特に首都圏、東京では稼げます。地方でもGOをはじめとした配車アプリの普及で1大バブルの営業エリアもあります。日給にすると基本的には日勤で2〜3万円(隔日勤務で4〜5万円)以上の収入を稼ぎ出すドライバーが多いです。月収に換算すると約50万円程度になります。タクシードライバーは雇用条件も正社員雇用なので社会保険や健康保険はもちろん加入しています。

月収40万円以上、月収50万円!といった求人広告も怪しいですよね。東京のタクシー業界にとって実はそのくらいの収入は普通のことです。
※祝金や月収60万円以上の過度な誇大広告には注意。60万円以上は一部のトップドライバーのみです

タクシードライバーの平均年収


引用:日本交通株式会社WEBサイトより

東京のタクシードライバーにおいては上記のような数字が平均年収のようです。ただし、この数字ですが多くの場合、嘱託(時短)社員や年金併給者、サボり気味の人も含まれています。そのためフルタイムで正社員勤務する私たちの年収は100万円程度は高くなるのでは?というのが体感値です。昨年の11月に国土交通省認可でタクシー料金がそれまでの14%値上がりとなりました。その分営業収入が増えた分、歩合給で働く私たちの年収も上昇しています。タクシーは平均年収で見ると少なく見えますが、多様な人がそれぞれの理由で働いている業界なので東京で真剣に働いている人は「もっと稼いでいる」というのが現状です。
※特に平均年収に関しては総労働時間や月に何回乗務したかにもよります。上記、図の会社は勤務日が多めです

今、稼げていない人の特徴

稼げない人は以下の特徴があります

・稼ぎにくい会社に属している

都内だけでも300~400社程度のタクシー会社が乱立しています。その中には稼ぎやすい会社と稼ぎにくいブラック会社のようなひどい会社があります。現役ドライバー目線で会社を見てみると、体感的に約1割程度が稼ぎやすい&優良会社という感じです。稼げている人たちは「現役のタクシードライバー」から優良会社を教えてもらってコネで入社することがほとんどです。多くの求人広告や、祝金を出して求人サイトで募集しているところは「従業員が辞めているから補充しなければならない会社…すべてがそうというわけではありませんが疑って良いでしょう。

ブラック会社に入った人は…

東京でタクシードライバーをやっています。2種免許を取った時の貸付金や社員寮の家賃や高速料金や社会保険料などを控除されると、お給料がマイナスになります。もう1年以上まともな給料を貰えていません。働けば働くほど借金が増えます。モチベーションが上がりません。辞めたいです。辞めたい。

— 辞めタク@東京23区 (@tokyo_yametaxi) November 14, 2022

ほとんどこのような末路を辿っています。私は5年間で2社のタクシー会社を経験していますが(どちらも優良会社)そこで出会った同僚の中にはブラックタクシー会社から逃げてきた人も複数います。逃げられてよかったね!って話していましたが実際の待遇や働き方を聞いて「会社によってこんなにも違うのか」と驚いたものです。会社探しの時にちょっと頑張るだけでこういう会社は避けられます。稼ぎにくい会社やブラックタクシー会社に入っているが故に「稼げていない」というのが最も大きな問題です。


・勤務中にサボっている


昨今はデジタル技術によりタクシーの動向は全てパソコンで管理されています。そのため、長時間お客様をお乗せしていないと会社から「サボっていないか?」と不信がられる可能性があります。事故をおこさないことを大前提として、会社の平均くらいやっていれば殆ど何も言われないのですが。

とはいえ、私が知っているサボりドライバーはその遥か上を行きます…

・回送で埼玉までドライブ

・1日の売り上げが1,200円のみ

・休憩場所がパチンコ店。店内で遊戯

・業務時間内に家の引っ越しを手伝う

こういったサボり行動は実際ある例です。
これでは売上が上がらず、稼ぐことはできません。

実際、休憩時間はいつ取ってもどこで何をしてもいいのですが、休憩は計画的に取りましょう。せっかく仕事に来ているんだからサボらず売上を上げて給料をたくさん貰いたいですね。

サボるとお客様を乗せる時間が少なくなるので稼げません。

その他、稼げない人の特徴はこちらです。

・ルートを知らない

都内の主要な道路や観光地、交通量の多い場所を知っている必要があります。ルートを知らないと、乗客を迅速かつ効率的に目的地まで運ぶことができず、結果として稼げなくなってしまいます。
…意外と地理の学習も大切です

・接客能力が不足している

タクシー運転手は、顧客との対話を通じて良好な印象を与え、リピート顧客を獲得する必要があります。パーソナルスキルが不足している場合、顧客とのコミュニケーションに問題が生じ、クレームに繋がってしまうこともあります。
…接客は改善、教育できます

・車両が古くて需要がない


タクシーには人気の車種があります。ジャパンタクシー及びアルファードが頭一つ抜けて人気です。また車両のメンテナンスが不十分な会社だと、車両のトラブルが発生する可能性が高くなります。車両のトラブルが頻繁に発生すると、時間と収益の損失を被ることになります。
…車両トラブルの場合、私の会社は時給で補填が出ます

・交通ルール違反

運転中に交通ルールを守らないと、罰金や事故につながります。これらの問題に対処するために時間とお金が必要になり、積み重なると免許停止により就業できなくなります。
…免停リスクはあります!交通ルールは守りましょう

・アプリを活用していない

タクシー会社が提供する配車アプリを活用することで顧客を獲得することができます。人気の配車アプリを活用していない場合、運転手は競合他社よりも少ない顧客を獲得することになり、稼げない状況が続く可能性があります。
…実際、都内はアプリ、無線の配車数では各社かなり優劣があります

今、稼いでいる人の特徴

今、東京のタクシードライバーとして稼いでいる人の特徴は以下の通りです。

・日中は実車率70%台、夜は高単価営業


稼いでいる人の日中実車率は60%~70%とかなり高い数値を保って営業しています。流し営業+無線営業です。深夜になると実車率は下がりますが、客単価が大きく上がっていきます。ロングと言われるメーター料金で1万円、2万円といった長距離のお客さまを戦略的に獲得していきます。

・優良タクシー会社に所属している

稼いでいる人は稼ぎやすい会社に所属しています。稼ぎやすい会社とは、例えば都心の近くに営業所がある(回送時間が短い)、営業所とガススタンドが近い(わざわざガススタンドに寄り道しなくて済む)、配車が強い(流し営業も組み合わせることでより盤石)、事故罰則等が無く、自腹高速料金も多くない(営業に集中できる)、手数料を取らない、歩率が高い(売上から引かれるものが少ない)等が挙げられます。ここに列挙したものは稼げる会社の特徴のほんの一部に過ぎません。多くの要素から「稼げる会社」を判断することになります。また、それよりも大切なのは「会社の社風」が「あなたに合うか」どうかです。アットホームな職場もあれば、ビジネスライクな職場もあります。会社の社風が合わずに辞めていく乗務員は多いです。優良タクシー会社=稼ぎやすい会社で「あなたに合う会社」を選ぶのはとても難しいことです。タクシー専門の転職エージェントの方もいますが、あなたの話を聞いてくれて、業界について最新の知見を持ち合わせている方に相談するのが良いでしょう。

・売上を分析している

稼いでいる人は「売上がよくない日」もなぜ売上が良くなかったのかを分析しています。時間あたりの売上を細分化して考えることも大切ですが、なぜその場所に向かったのか、どうしてこの時間に休憩を取ったのかなど数字に現れない部分まで、フィードバックをして分析する必要があります。タクシードライバーの仕事は一人で行う仕事なので、自分のことを自分で客観的に分析できる人の方が売上は上げやすいです。

・稼げるエリアで働いている

多くの稼いでいるドライバーは稼ぎやすいエリアとポイントを熟知しています。都内で言えば、千代田区、中央区、港区、渋谷区等です。そのエリアの中でもこの時間はここといった独自の視点で売上を積み上げています。なんとなく稼げるエリアで仕事をしているドライバーと、稼げるエリアの中でもさらに街を細分化して深掘りして研究しているドライバーとでは1年後、埋められないほどの差がつきます。ぜひ「なぜここからお客さまは乗車しているのか」を考える癖をつけましょう。

・基本の営業スキルが体系的に整理され身についている

最近、とても大切だなと感じているのが「営業スキルを体系的に学んだことがあるか、ないか」ということです。トップドライバーの多くは師匠と言うような自分よりできるドライバーや講師に営業スキルを習っています。かつては会社ごとにこういった勉強会はありましたが、最近は残業を嫌うこと、配車アプリの全盛等により営業スキルを教えてもらっていないドライバーがとても多いです。トップドライバーと話していると、売上の考え方や流し方で先生はあの人かな?とかここの教材使ったでしょ?とか〇〇会社の教育っぽいなとうっすら感じるものです。売上が平凡な人と話しているとこれらを感じることがないので「営業スキルの体系的な習得」はとても大切だなと感じます。稼いでいる人、トップドライバーは営業スキルは体系的に整理されて常に営業で利用しています。

・すぐ決断、転職している

決断が遅い、好条件の仕事に飛びつけない人も「稼げる人」にはなりにくいなと感じています。その理由は私の周りにいるトップドライバーは皆「決断、選択、行動」がどれもずば抜けて早いです。それもそうでしょう。タクシーの営業中にはお客さまを探したり、空車時は次左折するか、直進するかで毎回選択を迫られます。期待値の高い選択肢を一瞬のうちに選び続けているから売上が高い…とも言えます。タクシーの仕事だけでなくプライベートや人生の帰路に立たされた時も「決断できる」「選択が早い」「行動できる」等は強みになると思います。少しずつ決断、選択、行動のスピードアップを意識していきたいですね。

・最新の情報、ツール、プロモーションを利用している

最新の情報、ツール、プロモーションを躊躇なく利用することも「稼いでいる人」の特徴です。例えば、羽田空港で終電後に遅延便が来ると真っ先に突入しているのは「売上の高い人」だったりします。銀座でお客さまが溢れている時も、次から次へとお客さまを乗せて何往復もしています。LINE通話で仕事仲間と通話をつなげていて常にタイムリーな情報を交換していたり、トップドライバーのセミナーにも顔を出します。スマホで誰も知らないような便利なアプリを使いこなしていたり、エクセルで売上を管理していたりもします。売上を上げるためにはやれることは当然やるよね…という感じです。

このような「稼げる人」は大体月収で60万円以上は稼いでいます。次はタクシードライバーの勤務体系について解説します。

タクシードライバーの"意外"な勤務体系

勤務体系は大きくこの三つに分かれています。
私の営業所もこの3パターンです。

昼日勤

約1割の人が従事している一般的なサラリーマンの時間帯での働き方。基本的な勤務時間は6時から17時。法定休憩時間は1H。月に22勤務程度。休みはシフト制。規則正しい生活が送れること。現状昼の売り上げが比較的安定していることから、安定志向の人に人気な働き方。

現状:昼の需要はかなり高いです。お客さまの接客難易度も低い

夜日勤

約1割の人が従事している夜勤帯での働き方。基本的な勤務時間は18時から5時。法定休憩時間は1H。月に22勤務程度。休みはシフト制。深夜割増(22時~5時)の時間で稼ぎたい人が多く、ベテランや凄腕ドライバーが高い売上を目指す。

現状:夜の需要は繁華街中心にあります。お客さまの接客難易度は高い

隔日勤務(人気No.1)

8割の人が従事している東京のタクシーで最もスタンダードな働き方。一回の勤務で二日分(約21時間)働き次の日は必ず明けで休み。法定休憩時間は3H。自分の時間が多く確保できること、売り上げが上がることの両取りができる。メリットは月11〜13回のみの出勤なので通勤時間の節約になる。営業できる時間も長いため効率がいい。デメリットは睡眠時間もブレやすく1勤務当たりの乗車時間が休憩3時間を含む19時間~最大21時間と長いので、慣れるまでは体がきつい。1回の勤務時間が長いので翌日は必ず休日になります。月々の勤務日数は11~12回程度です。

それ以外の月18~19日程度はすべて休日(正式には明休)となります。
隔日勤務に慣れると、「こんなに良い働き方はない」と言うタクシー運転手も多くいるのがこの隔日勤務です。

現状:隔日勤務の平均売上も上昇傾向にあります。コロナ前と比べても大差なく、料金改定(14%の値上げ)があったため売上の数字ではコロナ前を超えています

引用:豊玉タクシーWEBサイトより

~げん太が教える転職のコツ~
・昼日勤、夜日勤、隔日勤務といった勤務体系は要望・希望が通る職場の方が絶対にいいです。ライフスタイルの変化に応じて勤務形態を柔軟に変更できると働きやすさを感じます。夜日勤が身体に合わない等もあるので自分に合った勤務形態を選べる、要望を言いやすい職場の方が良いですよね

驚きの月収と勤務体系

月に11~13回しか出勤せずに月収でも多少の努力でかなり稼げます。
出勤日以外は自分の時間として使えるので「趣味」「副業」「家族と過ごす」など、有意義な生活を送ることができます。タクシードライバーは社保、各種保険も完備の正社員雇用になります。

半年以内の某月給料明細
良い会社を選び営業スキルを体系的に的に修得する事が大切

本日は『タクシードライバーは稼げない?驚きの月収と勤務形態』
を記事にしました。

まとめると
・稼げる人は稼げる会社に入っている
・稼げる人は営業スキルを学んでいる
・タクシードライバーは時間と収入どちらも並以上の水準

補足ですが、今回は東京のタクシードライバーの稼ぎと勤務体系に焦点をあてた記事を書きました。必ずしもタクシードライバーになってからの目標が「稼ぐこと」だけである必要はないです。月収40~50万円でワークライフバランスを重視したり、育休を取ったり、趣味を頑張ったりする生活も「いいな」と思います。とは言え、いつでも「ある程度、稼げる能力」を最初に身につけておくことは大切なことだな…とも感じます。正社員として稼ぎやすい会社に早めに所属しておくメリットは大きいです。また売上以上に大切なのは安全と健康です。長く続けられる人は「安全と健康」を第一にコツコツがんばっている印象があります。そういう諸先輩方を私は尊敬しています。

本日の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

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タクシーちゃんねる・げん太でした。
また次の記事でお会いしましょう。