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タクシー到着したあとのお客様によるキャンセル問題

タクシーの配車アプリ「タクシーGO」は、お客様にとってもタクシー運転手にとってもありがたいシステムだと思っている。
しかし、困った使い方をされるお客様がおられるのも事実だ。

一番困るのは、お客様に呼ばれて急ぎ向かい、ご指定の場所に到着(現着)する。
ご乗車頂くのにグルッと回り道したりして、最適と考えらる場所に止める。
ところが、現れたお客様から「キャンセルしたい」と言われる事があるのだ。
この現地キャンセル(タクシー到着後取消)は問題だ。

配車アプリ・タクシーGOは、配車先と実際にお客様が待っている場所が「異なる」ことが多いと言う印象。
そのため、配車場所に現着してから表示されるお客様の位置情報(GPS)を見て、その実際の場所に更にクルマを回すことも半分くらいある。
そのお客様のGPS位置も建物から出たりすると、コロコロと居場所が変化することもあるので、表側の道に行ったり、裏側に行ったりとほんと困ることになる。
まだ私の営業地域は田舎だから転回したり迂回しやすくて良いが、一方通行や大通りなどもある都会だと大変だと感じる。

取消に関しては丁寧に「申し訳ありません」とお詫びをされるお客様もおられる。
しかし、手配した本人は現れず、お店の人に言ってきて欲しいと依頼したのか?、従業員さんが「なんかキャンセルしたいみたいです」と言ってくる場合もある。
そんな言伝てを頼まれた従業員さんも迷惑な話だろうが、このように到着してからの「キャンセル」を簡単に考えているお客様が多いように感じる。
到着する前の段階であればまだ良いのだが、到着後は本当に困る。

よく考えて欲しい。
宅配で希望するものをスマホから注文して、その品が自宅に届いてから「やっぱり、いりませんのでキャンセルします」と言っているのと同じである。
友人とタクシーGOで2台呼んで、後から来たタクシーはキャンセルすると言うお客様もいる。
配車タクシーが向かっている途中なのに、たまたま通った空車タクシーを捕まえて乗ってしまうと言うお客様もおられる。
事前にタクシーをキャンセルして頂ければまだ良い。
実際に向っている途中で「キャンセルになった」と情報が届くこともあるが、これは利用上、ルール上、問題ない範囲なので納得できる。
しかし、現場に到着(現着)してからの取消は、本当に困ってしまう。

せめて迎車料金(500円など)だけでも、配車注文時に最初に課金となってそのまま頂ければ良いのだが、安全に早く向かった運転手は無収になるのだ。
何キロも移動してきたガソリン代だって無駄になるし、極端な話、地球環境にも良くない。
そして、なんと言ってもタクシーが不足していると言われている中、5分10分かけてきた無駄なタクシー移動が発生しているため、本当にすぐタクシーに乗りたいと言う別のお客様が不利益にもなっている。
お客様がスマホでのキャンセル方法をわかっていないと言うのも困る。
なんで取消され売上損失も発生する自分が、キャンセルの操作方法までお教えしなくてはならないのか?
タクシー運転手側でキャンセルすると、お客様都合ではなく、タクシー側の理由となり自分にペナルティーも生じる。

タクシー会社に直接電話した無線配車ではこのように気軽にキャンセルされることは少ない。
すなわちキャンセルすることを簡単に考えてしまうのが問題なのである。

こんなキャンセル事例もあった。
日曜夜23時頃、タクシーGOのお客様情報によると60代男性。
わざわざマンションの玄関前にとのメッセージも届き助かる。
そして、少しでも早く到着できるよう経路も工夫して指定場所に着いた。
少し待たされたがお客様が現れる。
ところが乗るのではなく「試しに呼んでみた」と言う。
はじめてアプリを使ってみたとの事で、乗る予定はないが配車してみたと言うのだ。
とても迷惑な話である。
レストランで食事を注文し、テーブルに届いたら「試しに注文してみた」と言うのと同じではないか?
これでこの日、現着したあとのキャンセルは3回目で、いつもより売上もヒドイと言うのに・・・。
仕方ないので、お客様にてアプリからキャンセルして欲しいと依頼しても、操作方法が分からないと言う。
23時は需要が高い時間だけに、少しでも早く再出発したいと言う気持ちを抑えて、スマホ教室の先生になった。
1円にもならないお客様だし、なんで取消される側が取消方法をわざわざ教えなくてはならいのか?と理不尽な思いだが、もしかしたら将来ご利用頂けるかも? (可能性はとても低いが) 精神でご教授申し上げた。
そして、来てもらったのに悪いと、お客様から1000円札を差しだされる。
さすがにそれは受け取れないと、何回もやり取りすることになり更に時間がかかる。
永遠に押し問答が続きそうだったので、やむを得ず受け入れさせて頂くことに。
ただ、この無駄な時間内に運賃3000円程度は狙えたかも知れないので、歩合が50%と仮定すると会社は1500円損失、自分も1500円損失だから、1000円頂いてもあまりうれしくない。
タクシーGOアプリでの現着後キャンセルは、上記のようなケースもある。

もっとも、お客様よっては、配車となったタクシーが途中でキャンセルされたと言う、タクシー側都合による逆のパターンもあるだろう。
この場合、タクシー側のキャンセルなのでお客様には非が無いが、予定通りタクシーが来ないと言う事でご迷惑をお掛けするのも事実だ。
ただ、これには色々と理由があるのも事実なので、例としていくつかあげておきたい。

前客の忘れ物発生

お客様が忘れ物をすると、タクシー運転手にとっては良いことはないので、必ず「忘れ物ないかご確認ください」とアナウンスさせて頂いている。
この日、お客様にお降り頂いて、次にタクシーGOの配車を受け、新しいお客様のもとに走らせている途中・・。
突然会社から無線が入り前の乗客が車内に「忘れ物」をしたので、指定した場所に今すぐ届けるようにと指示を受けることがある。
「忘れ物にご注意ください」と声かけしているにも関わらず、お客様の不注意で忘れ物が発生する場合がある。
そんな時はやむを得ず、次のお客様にはご迷惑をかけるが、タクシー都合でキャンセル手続きし至急忘れ物を届けると言うケースがある。
他の場所に向っている途中、危険を承知でグルっと方向転換し、無償で忘れ物を「お待たせしました」とお届けする。
しかし、忘れ物をしたお客様からはありがとうとも、すみませんとも言われないこともある。
せっかく受けた配車も無駄になって営業損失も生じているし、忘れ物を届ける移動時間も無駄だし、タクシーを呼んでいたお客様にも不利益があった訳だし、せめて「迷惑をかけた」程度は言って頂きたいところだが、本当に悲しい瞬間である。
そして、会社からは自分の乗務時に「忘れ物をするお客様が多い」と、指摘される始末となる。
先日は、酔っていたお客様が、財布を丸ごと忘れたて置いてった・・・。
忘れ物ないか確認してねと、申し上げているのにね。
万が一、財布の中身が無くなっていたら、疑われるのはこっちである。

その他、タクシー・ドライバーが途中で体調不良になったり、急にトイレに行きたくなった場合、最悪途中でタクシーが故障したり事故したなども、タクシー側からキャンセルすることがある。

実際に私も、GOでの迎車地に向かう途中にて、車両の異変(部品脱落)に気が付き、やむを得ず配車をキャンセルして車庫に帰ったことがある。
自分のプライベートのクルマが故障することはないし、皆様も故障なんてするの?と疑問に感じる方も多いと思うが、何十万キロも走っている古い車両もあるので、ほんと自分でもビックリだ。

前述の忘れ物にしても、タクシーの故障にしても、お待ちのお客様に最低限ご迷惑をかけないようにするためのキャンセルだが、その際に基本的にメッセージ送信(状況説明・お詫び)ができないので、ほんと申し訳ないところだ。

現着後のキャンセル軽減の改善策として希望するのは、タクシーGOにて、予約したお客様・ご乗車頂いたお客様を「評価」できるシステムだ。
評価される事によって罰則までできるのは不本意だが、次回から注意して頂くことができば、日本全国のお客様にとってタクシー全般を利用しやすい状況になるのではないだろうか?
今後、お客様にとってもタクシー運転手にとっても、良いアプリになることを切に願うところである。

普通二種免許の自動車教習所・教習内容実録(1日目)【50代新人タクシー運転手・奮闘記ブログ】

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