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「税理士」という職業

 こんにちは。税理士ラベンダーです。
 今日は冬至。そして、今年も残すところ、あと10日。
 皆さんにとって、この2023年はどのような一年だったでしょうか。
 私は通常業務に加え、4月に税理士会支部役員を引き受け、8月にnote初投稿。飛ぶように月日が経ち、いつもの年より特に早い一年だったように感じます。

「税理士」というと、皆さんは「税金について詳しい人」「会計・税務の専門家」などの認識の人が多いのではないでしょうか。
 会社やお店などを経営されている方は会計・税務処理を依頼し、少なからずお付き合いがある方もいらっしゃるかもしれません。

 私は地域の学校を対象に、税金について講義する「租税教室」を担当していますが、そこでの講義でも「税理士という職業を知っている人」という質問に対して、手を挙げてくれる生徒は一クラス10人もいません。
 それくらいマイナーな職業であるという認識はしています。

 そこで今回は、今年最後のコラムでもあるので、改めて「税理士という職業」について投稿したいと思います。
 少し長くなりますが、皆さんのお役に立てればければ幸いです。



1.税理士法

 まず、税理士のあり方は「税理士法」という法律によって規定されています。

 税理士法第一条には「税理士の使命」として、次のように規定されています。


税理士法第一条 税理士の使命
 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする


 つまり、憲法に規定された三つの国民の義務のうちのひとつ、「納税」の義務を、国や納税者に偏ることなく、独立公正な立場で税務の専門家として法律にそった適正な実現を図ることを使命とすることを義務付けられています。

 そして、税理士法第二条には「税理士の業務」として、次のように規定されています。

税理士法第二条 税理士の業務
 税理士は他人の求めに応じ、租税に関し次に掲げる事務を行うことを業とする。
1. 税務代理   
 申告・申請・不服申立などについて代理・代行をすること     
2. 税務書類の作成 
 申告書その他税務官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)を作成すること         
3. 税務相談
 税務代理の事項につき相談に応じること

 また、上記税理士業務に付随して、他人の求めに応じ、財務書類の作成・会計帳簿の記帳代行、その他財務に関する事務を業として行うことができるとしています。(税理士法第二条2項)

 
 皆さんが、通常税理士とお付き合いがあるというのは、この第二条に規定する「税理士の業務」を根拠としています。
 そして、これらは一部の例外の税目(印紙税・登録免許税など)を除いて、税理士の独占業務とされています。

 しかし、税理士の仕事はこれだけではありません。


2.税理士の公益活動

 税理士の専門職業会計人としての知見を活かすべく、次の業務を各関係法令の改正により、日税連会則上の「公益活動」として担うことを要請されています。
1. 地方公共団体監査制度
2. 登録政治資金監査人制度
3. 行政不服審査制度
4. 社会福祉法人制度
5. 特定非営利活動法人制度
6. 政策担当秘書制度
7. 成年後見制度に関する事項

 これらの公益活動の詳細は、日税連のホームページに掲載されていますので、興味のある方はそちらを参照してください。
公益活動 - 日本税理士会連合会 (nichizeiren.or.jp)


3.その他の活動

 そして忘れていけないのが、税理士法第49条の二2項「税理士会の会則」に規定された業務につながるのが次のふたつです。

税理士法第49条の二 2項 
 税理士会の会則には、次の事項を記載しなければならない。
1~8   省略
9.委嘱者の経済的理由により無償又は著しく低い報酬で行う税理士業務に関する規定
10.租税に関する教育その他知識の普及及び啓発のための活動に関する規定
11~12  省略

 上記9は、申告時期に各地で行われる「無料税務相談」を示しています。
 そして10は、冒頭にも書いた各地域の学校で行われる「租税教室」です。

 このように、税理士の仕事は多種多様にありますが、一貫して言えることは「租税に関する実務家」としての仕事と言えます。

 税金は、言うまでもなく国家の財産です。
 そして、主権者たる国民は納税の義務を負うだけでなく、税務の知識を得て主体的に国を支え、国民相互扶助の在り方を考える、それを啓蒙する役割が税理士にあるのではないかと思っています。
 このnoteがその一助になってくれれば、この上ない喜びです。

 年明けは、2日はお休みして12日からの投稿になります。
 申告時期も近いことから、申告に関する事項を投稿する予定です。
 それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
 良いお年をお迎えください。

(参考文献)
租税法 第24版 金子宏
日税連ホームページ 他

2023.12.22 税理士ラベンダー

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