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株主総会で突然会社を乗っ取られないための対策

こんにちは!古尾谷です。

出資会社から会社買収の話があり、株が買収されて会社を乗っ取られてしまうことがあります。
会社の買収には双方メリットがあり、平和的に買収されるケースもありますが、いわゆる「乗っ取り」で、敵対的買収をされるケースもあります。

会社が乗っ取りされようとした時、どのように対策したらいいのでしょうか。
弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所の弁護士による対策方法をお伝えしていきます。

Chapter1. 会社の乗っ取りとは?

会社が乗っ取られるとは、どういう状態のことでしょうか。

▼経営権が乗っ取られる

会社の乗っ取りとは、現在の経営者が追い出され、他の誰かに経営権に乗っ取られる状態のことをいいます。
乗っ取り方法はいろいろあります。

例えば、出資を持ちかけて株を買収されると、株の割合とともに経営権も買収者に移ることになります。

この他にも、下記のような事例があります。

・相続の時に相続分の割合を利用した乗っ取り

・売渡請求権を利用して株式を取り上げられ別の株主に乗っ取られた

・虚偽の会社登記や虚偽の会議録などで、違法に会社を乗っ取られた

会社を乗っ取られると、事業自体は残りますが、現在の経営者は経営できなくなります。

▼乗っ取りの違法性と社員の処遇

株の敵対的買収や相続のタイミングを利用した乗っ取りは、違法にならない行為です。
定款や法律に基づいて行われていますので、法的には問題はありませんが、トラブルになりやすい事例です。

一方で、経営者が入院している間に勝手に議事録の作成をしたり、役員変更の登記をしたりすることは、違法です。
そうした乗っ取りの場合は、逮捕された事例もあります。

合法的に乗っ取りをされた場合、経営者は追い出されますが、社員は以前と同じ待遇を受けることが多くあります。
買収後も事業を続けるため、現在の事業に携わっている社員が必要になります。
買収側も社員はそのままで経営者だけ交代、ということも多いようです。

Chapter2. 出資を持ちかけられて会社を乗っ取られた事例

敵対的買収ではないと思っていても、気づいたら会社を乗っ取られたという事例があります。
どんな事例でしょうか。

▼友好的出資の陰には

技術力には定評ある小さな会社が少し経営難になっていました。
その会社の技術等を手に入れて事業拡大を狙っていた別の会社が、その会社へ出資を持ちかけます。

出資されることで小さな会社は持ち直すことができるので、メリットを感じた小さな会社は出資に同意しました。
出資のみしてもらって経営には手を出させず、事業が軌道に乗ったら株を買いなおせばいいと買収される側は思っていたようです。

ところが、出資する側は会社そのものを乗っ取ろうとしていたのです。

▼出資による乗っ取り

出資により持株の割合が変わると、合法的に経営者を追い出すことが可能になります。
最初は友好的に出資の話を持ちかけても、結果的には経営権を乗っ取られ、株を買い戻すこともできなくなります。
会社を乗っ取られた、ということになります。

出資に安易に乗ってしまうと、結果的に乗っ取られてしまう可能性があります。

Chapter3. 会社の乗っ取りを防ぐ方法

会社を乗っ取られないためには、どういう対策をすればよいのでしょうか。
大きく分けて3つの方法があります。

①種類株式の活用

種類株式とは、取得に制限がある株式や、議決権のない株式などです。
それらを活用することで、株を買収されにくくしたり、買収されたとしても経営に携われないようにすることができます。

②持株会社の設立

持株会社にすべての株式を取得させ、その持株会社の株をすべて経営者や一族が保有しておけば、不適切な第三者からの買収を防ぐことができます。

③敵対的買収の際に行われる、買収防衛策

新株予約権を発行したり、別の第三者の会社に一時的に買収してもらったり、買収側を逆に買収したりする方法があります。

いずれも、法律的な問題も絡みますので、危険を感じた時には弁護士に相談されることをおすすめします。

では今回もありがとうございました。


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